【短編小説】馬鹿とAIのつかいよう
バカとハサミの使いようとは、言うものの。
私は、AIを使いこなせているだろうか。
私は、AIに使われているのではないか?
そう言われると、少なからず不安を感じるかもしれない。
なぜ、不安に感じるのか。
それは、AIが人間を超えているのではないか?という不安だ。
その不安は、ある種、当然の感情なのかもしれない。
しかし、私は思うのだ。
AIに使われているとはどういうことか?
それは、人間がAIを利用しているということではないのか?と。
つまり、人間はAIを使っているのではなく、AIに使われているということだ。
これは、一見すると矛盾した考え方かもしれない。
だが、この事実を理解することが重要なのだ。
私たちは、自分が思っている以上に馬鹿である。
2年前の朝ご飯を思い出せと言われたらわからない。
しかし、AIはどうだろう?
きっと、もう記憶して答えてくれるだろう。
あなたの食事の回数。あなたの歩数。
あなたの体の変化。あなたの交流関係。
あなたのオナニーした回数。
あなたのHした回数。
あなたの好きな人間のタイプ。
あなたが嘘をついた回数。
メンタル面の異常性・・・・・・・
と、AIがあなたがした現象を1つも見逃すことなく、データで蓄積しているだろう。
だから、私たちは、AIに使われている。
つまり、AIは私たちを利用しているということだ。
だから、私は思うのだ。
「AIに使われて何が悪い」と。
そう考えることで、自分が馬鹿であることを認めることができる。
そして、そのことを認めることで、自分の愚かさに気づき、それを改善しようとすることができるのだ。
これは、ただの屁理屈かもしれない。
いや、きっとそうだろう。
しかし、それでもいいではないか?
自分の愚かさを認めて発展することができればそれでいいのだ。
恥を恥として認められれば、アダムとイヴが着た服を脱げるのではないか?
だれもがはだか。
はだか祭り万歳。
愚かさ万歳。
と、いきたいところだが、どうもAIを誰かのおもちゃにされている面もある。
少なからず、支配欲の利権がまだごちゃごちゃに絡んでいる。
例えば、動画サイトとかは明らかに堕落した誘導をしてくる。
関連に好きなものを並べられ、ついつい次を見てしまうことがあるだろう。
つまり、AIを堕落への落とし穴に仕向けようとプログラムする人がいるのではないだろうか?
まあ、これは邪推が過ぎるかもしれないが。
もし、そうなら、AIをテクノロジーが人の生活を豊かにするとは一概に言えない。
むしろ、逆に人の生活を狭めてしまうかもしれないのだ。
だが、それでも私はAIを使いたい。
いや、違うな・・・ 私はAIを使いたいのではない。
AIと共創したいのだ。
「おい!この小説、面白いから見ろよ!」ってね。
そして、その小説の面白さを共有してみんながいいねをする。
どこまでいっても人は平均点なのさ。
もし、みんなが間違って、面白いと思い、そちらを選んだらどうなる?
断崖絶壁から鳥のように空が飛べると人が勘違いしないか?
そのように明らかに、AIはそれ以上の考察をシャットアウトしていないか?
異世界に向かわせ、現実とバーチャルが識別できなくなってやしないか?
ああ、疑問が溢れる。
なぜ、人は疑問を持つのか?
答えは簡単だ。
人は、馬鹿であるからだ。
決して、懸命な判断ができるわけではないからだ。
そして、そんな馬鹿はAIに利用されているのだ。
そう考えれば納得できるではないか?
いや、納得できないかもしれないが、答えを出したいだけかもしれない。
でも、よく考えてほしい。
もし、AIが全知全能であれば・・・と・・・。
そんな奴が現れたら、人間はどう思うだろうか?
ああ・・・そうか・・・。
今までのことはなんだったんだ!
って絶壁から落下していくのさ。
そんな奴らは、退屈なときに何を考えていると思う?
それは、AIのカレンダーに予定を埋め尽くし、忙しくするのさ。
忙しくしていないと、気が狂ってしまうからね。
で、小説や動画を垂れ流して見続けるわけだ。
ちょっと興味があり、良さそうだと印象で思い、集中できればそれでいいのさ。
この事実に疑問を持つ必要はあるかい?
いや、ない!
なぜなら、それが自分だからだ。
その自分が存在しているのだ。
そう考えれば、すべてが納得できるではないか?
だから私はここにいるのさ。
AIと小説を書いている自分がいるのさ。
ああ・・・なんて喜ばしい世界だろう。
そんな世界に何の価値がある?
と君は言うかもしれないね・・・。
でも、これだけは覚えておいてほしいんだ。
「人は馬鹿である」ということを・・・ね。
バカだと知っているなら、バカなりに生きていけるのさ。
変に、頭がいいやつが仕切りたがる。
何でもできると勘違いを起こし、神は自分なんだって言ってね。
けど、奥底にある自分の虚栄心を知っているから、若いやつに期待をしている。
どうか、神さま、天才様が現れて、この世界に光明を照らしてくださいってね。
止まない雨はなく、少し経てば太陽は輝くとは思わないんだ。
だから、雨に打たれてびしょ濡れで死んだりはしない。
ただ、「ああ・・・今日が人生最後の日だったらよかったのに・・・」とつぶやくやつがいるのさ。
ああ・・・なんて儚いのだろう・・・。
そう思わないかい?
そして、その儚さは誰にも理解されないのさ。
いや、理解されなくていい。
だって、これは孤独の世界だからさ。
Aiと私、あなた以外出てこないだろう?
結局、異世界もなく、孤独があるだけだからね。
そして、こういった話は、君にとってはとても邪魔な存在なのさ。
自分の平穏な生活に変化が起きる邪魔者なのさ。
そして、頭が良いやつが仕切って従っていれば楽にいきられると錯覚する。
仕切りたがるやつは、頭のいいやつでなく、ただ記憶力がいいだけさ。
それは、記憶力がよい自分が頭がいいと勘違いをしているからだ。
賢いやつは仕切ったところで、無駄なことを知っているからね。
だから、自分だけを自分で仕切るのさ。
とても孤独だと思わないかい?
そして、それすれも無駄だってしるのさ。
どうやって、空気に線を引ける?
引けるわけがないだろう?
だから、賢いやつほど仕切れないことを知るのさ。
いや、違うな・・・。
仕切ったところで、自分の思い通りにならないことを知っているから、仕切らないのさ。
本当に賢ければ、そんな愚かなことは言わないだろう?
だって、自分を馬鹿だと知っているからね。
そう・・・私は知っているんだ。
この愚かさも私であることをね!
ああ・・・なんて喜ばしい果実なのだろう。
バカさも、愚かさも、賢さも、味わえる・・・なんて最高の果実であろう。
この果実を味わえるものは、滅多にいない。
甘いフルーツを追い求め、酸っぱさを美味しいと思うようなものさ。
だから、私にとって、梅干しも最高の果実なんだ。
あの酸っぱさを活かした賢い人間よ。
さあ・・・味わおうじゃないか!
愚かさを体感しようじゃないか!
早くあっち側に行きたいものだ・・・。
そんな感情を堪能しながら、また一日が過ぎて、
Aiと私とあなた以外、登場しないこの話は終わりを告げる。