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婚約破棄された悪役令嬢は隣国の王太子に拾われる ~2つのイベント編  作者: あいら


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4-2 (リュミエール視点)

護衛騎士、トムの話では回復魔法の店は週に2回なので、

今日店をしているかは賭けだと言っていた。


どうか会えますように願い、冒険者ギルドを目指す。

冒険者ギルドに入ると、長い列ができていて、

その先にセレーネがいた。


「いた!」


嬉しそうな声を上げる私を後目に、

私と一緒に着替え、街人風のファッションをしたトムは、

客に話しかけられている、


さてはトム・・・常連だな。


自分より何度もセレーネに会っていたかと思うと、

胸がもやもやする、

別に抜け駆けでも何でもないし、

今まで調べもしなかった自分が悪いのだが、

この気持ちはどうしようもない。


セレーネが全員に回復魔法をかけ終わるのを待つ、

回復魔法の使用には回数制限があるので、

さほど時間はかからなかった。


この日、この時間で会えるのは本当に幸運だ。


「やあ、セレーネ」


店の片づけをしているセレーネに話しかける。


最初誰?と言う顔をしていたが、

すぐにあっ!という顔になって、深々と頭を下げた。


「リュカ様、以前は本当にありがとうございました」


「いや、たいした事はしていないよ」


「そんな事ないです・・大聖堂での宿や食事まで・・・・」


「元気そうでよかった」


その後、セレーネがトムに親し気に話しかけて、

トムがどうしようと言う顔をしている。

やはり常連だったか・・・


まあ、トムのおかげで会えたような物なので、

あまり気にするなと視線だけで語る。

トムは心底ほっとしたようだった。


「これから予定はある?」


太陽の位置から、まだ昼の2時ぐらいだろう、

時間はたっぷりある。


「いえ、これからお風呂に行ってゆっくりようかと」


「お風呂か」


この国のお風呂は、世界に誇れる施設だと思うが、

男女別になってしまうので、あまり一緒にいれない。


「その前に市なんてどうだろう」


市なら、気軽に出かけられて、何でも揃っている。


「市ですか・・・」


少し迷っているようだった。


「そうですね、この国を観光するつもりだったのに、

 金策に追われて、見て回れてないので

 お願いしようかな、トムも一緒だと安心だし」


トムめ・・・


一瞬ぎろりと睨んで、溜息をつく。


まあ、一緒の行動を許可してもらえただけ、

良しとするか。


セレーネが店を畳んで、ギルドの人とやり取りしているのを

待って、冒険者ギルドを出る。


「市へ行くの初めてなので楽しみ!」


無邪気に言うセレーネに、え!となる。

市は市民の台所だ、

毎日のように通い、食事をするのが普通である。


「10日間、食事どうしてたの?」


「ウルフ焼いた肉や、その辺の木の実食べたり・・・とか?

 とにかくお金なかったので」


「苦労したんだな」


「いえいえ、今は安定した仕事があるので奢りますよ」


「いや、女性に奢らせる訳にはいかないよ」


「これは馬車に乗せてもらったのと、

 大聖堂での食事代を返すだけです」


「そんなの気にする事はないよ」


そう言ったものの、何かお礼をする気満々なのが、

手に取るように分かって、あまり気持ちを無下にするのも

悪いかなと悩む。


公園を通り抜け、市場に入った。


「うわっっ!凄い人!!!」


「ここはいつもこんな感じだよ、はぐれないようにね」


「はい」


トムが「手をつなく」と耳打ちしてくる。


その言葉にどきどきするが、確かにチャンスかもしれない、

うっ、でも改めてセレーネを見ると可愛い。

こんな可愛い子と手を繋いで・・・


手をぐっぱしながら、迷っていると、

「俺が手を繋ぎますよ」とトムに言われ、

あわてて、セレーネの手を繋ぐ。


「リュカ様?」


いきなり手を繋がれてびっくりしたのだろう、

セレーネが目を見開いて、私の顔を見て来る。


「急でごめん!はぐれるかなと思って」


「そうですね、人多いですもんね」


笑顔で答えて、そのまま手を繋いでくれていた事に、

内心ほっとする。


心臓がどくどく言っている。


今更ながら、緊張しているんだと自覚する。


「何をする?」


「そうですね、お昼まだなので、

 何か食べたいですね」


「そうか、定番だと串焼きだし、名物はパスタだが・・・」


「両方!」


彼女がそう言うので、近くの店でモーディの串焼きを3つ買う、


「お金いいのに・・・」


そう言うセレーネに、この国ではこれが普通と言うと、

何とか納得してくれたそうだ。


「何、このお肉!柔らかい!!!」


「そうだろう」


味は塩、胡椒だけの定番の串焼きだが、

この国の肉は極上品だと私もいつも思っている。


「ウルフの肉と全然違う・・・」


「ウルフはモンスターだから、よく動いていて肉も固い、

 モーディは牧場で草を食べながらのんびり歩いている

 だけだから、肉が柔らかいんだ」


「そうなんですね」


幸せ~と串にかぶりつく彼女を、

幸せな気分で見守る、こんなのでよければ毎日用意するのに。


「次はパスタだね」


少し歩いた所にあるパスタの店に行く、

大きな瓶がいくつも並べられ、その中にパスタソースが

入っている。


「どのソースがいい?」


「好きなのかけてもらえるんですか?」


「そうだよ」


セレーネは真剣にソースを選んでいるようだった。


「何で悩んでいるの?」


「えっと、お肉はさっき串焼きで食べたし、

 野菜類は香草が多くて、味に当たり外れがあるし、

 どうしようかと思って・・・・」


「それなら、トマトにするといいよ、外れがない」


「トマト!ではそれで」


店の店主にトマトのパスタを頼む。


「あれ?私だけですか?」


「ああ、私達はお昼食べてきているからね」


「何かすみません」


「いや、気にしないで、

 この国を楽しんでもらえると嬉しい」


「ありがとうございます」


そう言って、店主からトマトのパスタを受け取ると、


「では、頂きます」


と食べ始めた。


「凄い!美味しい!!!」


「それは良かった」


この国の食事があったのならよかった。


それから、いろんな店の雑貨を見て回り、

一緒に楽しい時間を過ごす。


しばらくすると、少し疲れてきただろうと、

公園に行き、ベンチに座った。

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