アランとリリィ
護衛の日々。そしてアランとリリィの話です。
アランがリリィの護衛騎士になって3ヶ月がたった。他の護衛仲間と協力しながら任務をこなしていた。日中は、護衛の仕事をしているため夜遅くに1人で修行することが多くなった。
そんなある日。いつものように夜遅くに修行をしていた。
「はぁぁぁぁぁぁぁ。」
訓練所には空気を切る音が響いていた。すると剣を構え
「そこにいるのは、誰だ。」
入り口に睨み付け問いかける。すると訓練所に入ってきたのは、
「王女様。こんな時間どうしたのですか?。」
「驚かせてごめんなさい。」
訓練所を覗いていたのたは、リリィだった。とりあえず訓練所のベンチに座られた。話を聞くと時々悩み事があるとこっそり抜け出し夜の散歩をするのだ。訓練所に灯りがついていてので覗いていたのだ。
「悩み事ですか?。」
「そうなのです。」
「国王陛下には、相談しないのですか。」
リリィは、困った表情で
「お父様には、ちょっと。」
アランは、気になるがさすがに聞くわけには、いかない。けど困った表情を見て
「もし何かあったら僕が相談に乗りますよ。」
「ありがとうございますアラン様。」
とりあえず夜遅くなのでリリィに部屋に戻るように促す。そして帰るのを見送る。そして修行を終え帰っていた。
それからしばらくたったある日。
今日も夜遅くに修行していた。ベンチに座り何かを見つめていた。そこにまたリリィがやった来た。
「少し気になる事がありましたの。」
「気になる事ですか?。」
「アラン様今日ずっと元気が無かったので。」
アランは、図星をつかれ動揺した。ずっとうつむいているのを気にしていたのだ。そして何かをずっと見つめていたのも。
するとアランは、とある物をリリィに渡した。小さな箱を受け取り開けてみると
「わぁーーー。きれいなペンダント。」
きれいなトパーズのペンダントが入っていた。
「アラン様これは。」
「それは母の形見です。」
何でも今日は、アランの母親の命日だと語った。1日中母親の事を思い出していたのだ。
「これを見ていると勇気がわいてくる気がして。」
「アラン様にとってこのペンダントは、お守りなのですね。」
アランは、微笑みながら
「そうですね。」
「わたくしにも勇気があれば。」
また悩んだ表情をしたので聞いてみた。するとリリィの悩み事は、縁談についてだった。とある人からしつこく手紙が届くのだ。隣国の人でお嫁に来てほしいと。しかしリリィは、この王国の第1王女。いずれこの王国の女王になる。嫁ぐ訳にはいかない。婿養子を希望しているがうまくいっていないのだ。それをずっと悩んでいたのだ。
「それは難しいですね。」
「えぇぇ。だからお父様も悩んでいるのです。」
ペンダントを見つめながら語った。それを見ていたアランが
「王女様。もしよろしければそのペンダントをお貸ししましょうか。」
リリィは、慌てて
「アラン様のお母様の大切なペンダントです。」
「僕が勇気をくれたように。王女様にも勇気をあたえるかもしれません。それに。」
アランは、立ち上がり
「僕がペンダントをつける訳にはいきません。王女様がつけたら母も喜びますよ。」
部屋に戻りペンダントを眺めていた。
「大切にしなければ。それにしても」
リリィは、考えながら
「アラン様。やっぱり昔どこかで会った気がするわ。」
ここは隣国のフォレスト王国。
「リリィ王女は、全然返事をくれない。」
とある人物がイラつきながら部屋を歩き回っていた。
「我々が結婚することで国を統一できる。しかし父は、反対する。だったらあの手を使うか。」
本を開き不適な笑み浮かべていた。
波乱の事件の幕をあけようとしていた事まだ誰も知らない。
次回リリィの初恋にお話。