貯金箱と手数料
皆さんは貯金箱、持っていますか? そして、貯金箱にチャリンチャリンとお金を入れたりしますか? お気に入りの貯金箱があると、俄然貯金をしたくなるから不思議ですよね。かく言うおばちゃんも、お気に入りの貯金箱に500円玉や100円玉を投入しては、事あるごとに悦に入っておりました。
あてくし、これで中身はそれなりに妄想全開の乙女でございまして。お気に入りの貯金箱がちょっとした、怪獣さんを象っておるのです。それで、大きさも30センチ程と、かなりのインパクトと存在感を醸し出しておりまして。お口からお金を入れて、お尻から取り出すタイプの、それはそれは「食事と排泄」を彷彿とさせる仕組みになっているのです。
まぁ! 決して、お下品な話ではありませんのよ? 貯金箱さんが「お腹、空いた」って顔をされるのが、いけないのです。そんな顔をされたら、お金を入れたくなっちゃうじゃありませんの。ウフフ……今日は幸運なことに、お財布に500円玉がありましたわ。さぁさ、たんとお食べ……!
なんて、孤独に笑えない寸劇を展開しながら、とっても楽しく貯金をしておったのです。ですけど……どんなに妄想を膨らませても、貯金箱は貯金箱。彼がお金を消化することも、排泄することもありません。まぁ、それはそれでとっても困るんですけれど。入れたら入れた分、溜まっていくわけですね。しかも、意外と放置しがちな性格もあり、気づくと戸棚の天板が凹む勢いで溜め込んでしまっているのです。あはは……怪獣さんの腹に溜め込んだもの、デトックスしないとね。
そうして貯まったお金はどうするかと言うと……一定期間ごとにゆうちょ銀行さんに持っていって、通帳に積んでいたのです。このご開帳は大凡、2年に1回の大イベントでありまして。そうして貯めに貯め込んだ小銭を纏まったお金にして、ちょっとした散財を楽しむのがおばちゃんの細やかな贅沢だったのです。……なのですけれど……。
ねぇ、奥様! 聞きまして? ゆうちょ銀行さんに小銭を持っていくと、手数料を取られるようになってしまいましたの! しかも、枚数で手数料が計算されるらしいですわ! 枚数によっては大損をこくみたいですわよ! なんて、世知辛い世の中になってしまいましたの……! オヨヨヨヨ……!
えぇ、そうです。ゆうちょ銀行さんで小銭を積むと、手数料を取られるようになってしまったのです。多分、おばちゃんの通例で行くと、100円玉も多いので軽く500枚は超えます。なので……手数料だけで1100円も必要になるのです。
1100円⁉︎ 1100円ですってよ、奥様! 貯金するのに、1100円もかかってしまいますの! 1100円もあったら、ス◯バさんでカフェラテ(トールサイズ)が余裕で2杯飲めますわ!
もちろん、ゆうちょ銀行さんも諸経費がかかる側面もあって、苦渋の判断になったのだろうことは理解できます。それでなくても、世の中はキャッシュレスの波で揉まれ始めておるのです。小銭をそもそも、持たなくなる日も来るのかもしれません。
……と、いうことで。今後は貯金箱のご開帳について、どうしようかと悩んでおります。
そのまま使えばいいじゃないと、言われてしまえばそれまでなのですけれど。でも、ね。ほら……こっちを見つめておねだりしてくる怪獣さんを放って置けないじゃ、ありませんの。その目力に負けて、今日もチャリンチャリンと100円玉や500円玉を入れてしまうのでありまする。
チャリン、チャリン。うふふ。今日の500円玉、美味しい?