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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

●●●●の人生

作者: Apollo

「俺の話が聞きたいか?珍しいやつだな…俺の話を聞いたっていいことないぞ。俺の人生は…なんというか…ゴミみたいなものだな……」


「まあ、聞きたいのなら見せてやる」


そう言って男が頭を掴んできた



流れ込んでくるのはつぎはぎの記憶



「さすがでございます王子」


「ふん」


みんな僕のことを天才だと持て囃す俺はそんな大層なものではないというのに…


ーーー


「これは何だ?」


「これは銃という異国の武器で、引き金を引くと弾が打ち出される仕組みです」


「ほう、俺に教えろ」


「では早速教師を」


ーーー


「さすがでございます。もう教えることはございません」


またか…


ーーー


「お誕生日おめでとうございます王子」


「ああ、ありがとう」

俺の後ろの垂れ幕には「祝 ●●●●13歳」と書かれている

この国の財政的にこんな壮大な誕生日を迎えるなんてことはできないはずなのに…


ーーー


「すまない●●●●我は…この国は多額の借金をしている。そしてその返済を済ませることができない。お前に支払ってもらうしか」


「そんな」


「すまない●●●●不甲斐ない父をゴホッ…許して…く…れ…」


「父上?父上?」


ーーー


「僕が頑張らないと…」


「俺も手伝おう」


「ありがとう」


ーーー


「くそ、これでは借金が増える一方だ…どうにかしなきゃ…でもみんなが手を合わせる国を守らないと」


「落ち着けなにか手があるはずだ」


ーーー


「戦争をするしかないのか…そしたら今まで守ってきたものが壊れてしまう…しかしこのままじゃこの国は滅びる…僕はどうすればいいんだ?」


「…」


ーーー


「●●●●様、アルカタリルリエが降参しました」


「よしこれで借金を返済できる」


「王家のものは牢屋に入れろ」


「はい」


ーーー


「僕はやればできる…僕が頑張らないと…」


「俺たちだろ」


ーーー


「…」


ーーー


「オフェンシブが降参しました。しかし王子の一人を逃してしまいました」


「何をやっている。早く捉えよ」


「はい」


ーーー


「俺がやらないと…」


ーーー


「王様未知の伝染病が…」


「感染者を隔離しろ」


ーーー


「エンリブルが降参しました。これで大陸を制覇しました」


「よくやった」


ーーー


「まだだ、まだ…」


ーーー


「王様、伝染病が止まりません」


「クソが、王室病院は何をやっている」


ーーー


「ゴボッゴホッ」


ーーー


「王様、魔王が攻めてきました」


「伝説の勇者を召喚しろ」


ーーー


「ゴホッ」


ーーー


「う…ここは?」


「ここはグラベリア帝国だ。勇者よ魔王を倒し世界を救ってくれないか?」


ーーー


「王様、勇者が魔王を打ち滅ぼしました」


「おお、よくやった」


ーーー


「何で?何故ですか王よ。俺はあなたに言われた通りに魔王を倒しただけではないですか」


「見よ国民よこれが魔王に操られた勇者だ。我が勇者の無念を晴らす」

すまない勇者魔王の次に我が国の障害となるのは貴様なんだ…我を恨め



「やめろー…」


ザンッ


ーーー


「ゴホッゴホッ…はは僕は悪者だな」


「お前だけじゃない俺もだ」


ーーー


「王様、国民の不安が募っております」


「祭りを開け」


ーーー


「…」


ーーー


「王様、国民の不満が…」


「…奴隷制度を作る」


「それじゃ俺たちの国が」


「今更だよ」


「それでも俺は賛成できない」


「では…去れ」


ーーー


「ゴホッガハッ…血が…僕にはお似合いか…」


ーーー


「我が国はグリアセル王国を攻める」


「はい」


ーーー


「グリアセル王国が降参しました」


「そうか…」


ーーー


「ここのところ貴族の腐敗がひどい。見せしめを作れ」


「はい」


ーーー


「●●●●を討て」


「これ以上この国を好きにさせてたまるか」


「傲慢な王を殺せ」


「愚王を討て」


「殺せ」


「殺せ」


「殺せ」


ーーー


「宰相も逃げたか…」


「お前のせいで息子が死んだ」


「お前のせいで…」


「お前のせい」


「お前のせい」


「お前のせいで」


最後まで王様でいなきゃ

「それがどうした?我は知らん」

周りのやつはあっけらかんとしている


「…」


ーーー


「ガハッ」


「よう親友…」


「お前か…憎しみの言葉でもいいに来たか?」


「●●●●もう取り繕わなくたっていいんだよ」


「取り繕ってなどいない」


「そうか、俺はお前と酒を飲みにきた」


「ぷっ、そうか」


そして僕はいっぱい笑った


「お前…あとは…たのんだぞ…レジスタンスの主人…」


「…」


「馬鹿野郎…知ってたのかよ」




「これが俺の人生だ。どうだ?しょうもないだろ?親友の言葉も聞かず他人から奪うことしかしなかった俺の人生」


「そうでもないって?お世辞はいいよ……でも…ありがとよ」


そう言って男は透けていく


もうそこには誰もいない

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