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プロローグ

 俺の名前は山田太郎。高校2年生。


 まず目が行くのは、俺の名前だろう。

 そう、俺の名前は誰もが一度は目にした事があるであろうザ・無個性ネームの代表格だ。


 名前に負けず俺自身も無個性で、猫背で、オマケにファッションセンスもゼロで、そんな自分に全く自信が無いから、これまで伸びきった前髪で顔を隠して生きてきた絵に描いたような無個性陰キャ人間だ。


 小学生の頃から、教科書に山田太郎が出てくる度に笑われて生きてきた俺は、せめて勉強だけでは笑われないように成りたいとこれまで必死に頑張ってきた。


 そのおかげもあり、一応常に定期テストでは学年一位をキープする程度には勉強が出来る人間になった。

 そして、そんな俺の前に勉強を教えて欲しいと頻繁に声をかけてくれるようになった女神が現れるようになった。


 女神の名前は田中美咲(たなかみさき)


 クラスでもカースト上位にいる彼女は、誰にでも分け隔て無く明るく接してくれるとても良い子だ。


 当然と言っても良いだろう。

 これまで女性に対する免疫ゼロだった俺は、優しく接してくれる田中さんの事がすぐに好きになってしまった。





 ――初恋だった。


 だが、ある日の夕方。

 たまたま教室で見かけた田中さんの隣には、クラス、いや学年で一番のイケメンと名高い樋山徹(ひやまとおる)くんがいた。


 そして二人は、誰も居ない教室で手を繋ぎながら身を寄せ合っていた――。


 その光景を目の当たりにした俺は、慌ててその場から離れたと共に、告白する事すら許されないまま初めての失恋というものを味わった。


 でも、そもそもこんな無個性陰キャな自分が、あの田中さん相手に恋をしていた事自体が可笑しな話なのだ。


 最初から叶うはずもないのにね。


 だったらせめて、これからは人に見られても恥ずかしくない人間になろう。

 そう決心した俺は、勉強だけでなくありとあらゆる面で生まれ変わる事を心に誓ったのであった。



 そんな決意をした翌日、俺は同じクラスに転校してきた不思議な美少女、山田華子(やまだはなこ)と出会ったのであった――。



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