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TRPGを遊ぼう  作者: 宮沢弘
プレイヤー編
2/3

TRPGの「システム」ってなに?

TRPGを遊ぶことについて、ちまちま書いていきます。

なお、頭の中にあるもののどこから書いたらいいのかの整理がつかないので、お題を募集します。

そういうやりかたで書いていくので、内容の充実にともない、項目の順番の入れ換えなんかが発生するかもしれません。

それもあり、不定期更新です。


 GM編に書いた方がいいかなとも思っていたのですが、GM、プレイヤー関係なしに、ちょっとばかり整理しておいた方がいいことのように思えるので、こちらに掲載します。


 さて、TRPGという文脈で「システム」という言葉が使われたとき、どういうものを思い浮かべるだろう? どうも、「特定のTRPGのルールブックやサプリメントに記載されているもの一式」という使われかたがされているようだ。ここですこしばかり違和感を覚えた。それが、この記事を書いている理由だ。

 というのも、まず、「おおむね純粋な汎用システムのみ」が刊行されている例がある。それと、世界観を含めたものを「システム」と言う呼び方で同列に扱うのは、なにか違う気がする。

 ここで「純粋な汎用システム」と「世界観を含めたもの」という分類をしている。では、「純粋な汎用システム」側から見て、「これこそ最小限のシステム」と呼べるものはなんだろう? それは「判定ルール」だろうと思う。もちろん、判定ルールが存在しない —— そこはGM任せ —— のTRPGも存在するが、それは「GMが判断する」という判定ルールだとも言える。判定ルールと、ルールブック一式を同じ「システム」という呼び方をするのは、なにかおかしいとは思ってもらえるだろうか?

 もちろん、判定ルールだけでTRPGとして遊ぶのには慣れが必要だ。というか、判定ルールすら事前には決まっていなくてもTRPGとして遊ぶことはできるのだが、そういう遊び方をする人はすくないようだ。この点については、後に触れることもあるかもしれないが、TRPGという遊び、あるいは概念はそれくらいの自由度がある。

 判定ルールの他に、なにか「これくらいはあって欲しい」と思えるものはなにがあるだろう? これには、「補助的なルール」と「データ」があるだろう。「補助的なルール」は、幅が広い。ラウンド制とターン制を使うのか、使うのならそれは何秒程度に相当するのか。そこから、技能にどのようなものが必要かにも話は広がる。1ラウンドが短かい時間であれば、PCができる行動に時間という制限がかかる。そうすれば、1ラウンドにPCがどれくらい移動できるのかにもかかわる。あるいは、複数ラウンドに亘る行為をどう扱うかという話にも広がる。もちろん、常にラウンドでゲームが進行するわけではないから、絶対にという話ではないが。また、同時にPCに与える/受けるダメージはどれくらいかという話にもなる。強力な武器を使えば、一撃でPCが死亡することもあるだろうが、常に一撃で勝敗が決っするのでは、たぶん面白くない。だから、与える/受けるダメージがどれくらいなのかという話とともに、PCがどれくらいのダメージの累積に耐えられるかにも影響してくる。

 これには「データ」の話も絡んでくる。PCが常に素手で攻撃する場合であっても、どれくらいのダメージになるのか。さらになんらかの道具を用いることも普通だ。その場合、その道具はダメージにどれくらい影響するのだろうか。

 そして、PCを数値を用いて記述するならば、その数値はどれくらいの範囲を用いるのだろう? 判定のしやすさ、判定の成功のしやすさ、判定の結果に与える影響などを検討し、その数値の幅が決められる。この点は、PCをどう表現するかが先にあって、判定ルールはその後に作られたと思えるものもある。

 これらは判定ルールから派生するルール群であって、いろいろなTRPGを見ると、「常識で判断」とか「適切と思える範囲で」と書かれていることもある。つまり、「このTRPGでは、そこはあまり気にしない」というわけだ。

 というわけで、「判定ルール」と「そこから派生する各種ルール」および「PCやアイテムなどのデータの数値」が、とりあえず判定ルール面から見た「システム」の上限と考えていいだろう。

 「アイテムのデータ」というところで、「そのアイテムの名前や、その説明している部分はどうなのか」という疑問もあるかもしれない。たとえばとして、拳銃が与えるダメージが5としよう。また、弓が与えるダメージも5としよう。両方とも、ほぼ直線で飛んでいくものがダメージを与えるという点と、ダメージが5という点は同じだ。あとはフレーバーということになる。フレーバーを除けは、同一のものと考えていいことは了解してもらえるだろう。

 この「フレーバー」から「世界観」が、上記のシステムとは別の、TRPGを構成する要素になる。アイテムの名前そのものも世界観の一部ではあるだろうから、ひとまとめに「世界観」としてしまっていいだろう。


 というわけで、TRPGは「システム」と「世界観」からなる。なお、「世界設定」は、おおむね「アイテムの名前とデータ」が該当する。同時に、スキルの名前と影響も、「世界設定」に該当する。「世界観」をどう再現するかは、この「世界設定」が該当する。


 たんに「システム」と言った場合、現在の通例では、「特定のTRPGのルールブックに記載されている一式」を指すようだが、オリジナルのTRPGというか同人TRPGを作る人は、そのような呼び方に違和感がある人もいるだろう。それは、「判定ルール」から「特定のルールブックに記載されている一式」までを「システム」と呼ぶことによる違和感ではないかと思う。つまり、「システム」と言われたときに、いったいなにを指してそう呼んでいるのかがわからないからだ。

 この点は、TRPGを遊ぶ人は、すこしばかり意識してもいい事柄ではないかと思う。


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