浩子ちゃん凄いね
今日は身体測定。
僕にとって浩子ちゃんと女の子同士で初めて迎える日だ。
学校の別室に案内されてカーテンを閉めて扉の鍵をしっかり締めての身体測定。
男の子だった時は体育館でみんな一斉にしていたのに随分と違う事に戸惑う。
僕は前世(男の子)の身体測定の結果を少しだけ覚えている、(小柄だった事も)今回は女の子の身体測定だ、少しは平均に近づいているか期待していた。
まずは身長だね。
『134.6cm』
前回男の子の時より2cmも低いぞ?
おかしいな、ぶら下がり健康器で毎日ぶら下がってるのに効果が無い。
体重は
『34.8kg』
何で?男の子の時より重いじゃないか!
これが女の子補正なの?
胸囲は
『68.5cm』
男の子の時とほぼ同じか、まあ胸はこれから成長するよね...多分。
ウェストだ
『58.4cm』
少しだけ今回の方が細いかな?
お尻、お尻だ。浩二君大きなお尻が好きだったもんね、今は浩二君も女の子だから関係ないか...
『72cm調度』
最近何かズボンのお尻周りがキツいと思ったよ。
以外と大きくなっていたんだね。
一通り測定が終わり浩子ちゃんの測定結果が気になり見に行く。
「え?」
(浩子ちゃん...ナイスバディだったの?)
『前へならえ』みたいに飛び出した、おっぱいは僕のそれより倍はある。ウェストのくびれは既に完成形みたいだ。
あと、お尻...反則でしょ?
浩二君だった頃の願望がそうさせたのかな?
見た目だけど身長160cm、B80w60H90って所か、
おかしいよまだ中学校1年生だよ?
この先どこまで成長するの?
「負けた....」
妙な敗北感に襲われて浩子ちゃんの傍を離れた。
そう言えば前世浩子ちゃんが浩二君だった頃、よく胸の筋肉をピクピク動かしてくれたな。
あの頃は少し気味悪かったけど今になれば懐かしい...
項垂れて壁にもたれ掛かってしまった。
「清水さん、気分でも悪いの?」
後ろから声が掛かって振り返る、
そこには非常にふくよかな女子が僕を見ていた。
「あ、大丈夫です」
返事をしながら誰だったか記憶を探るが全く思い出せない。
あんなに太い...ふくよかなお母さん体型の生徒は前世の男の子や女の子にもいなかったぞ?
自己紹介の時は浩子ちゃん以外余り他の子を見ていなかったから印象が残ってなかった。
僕が女の子をじっと見ていたら浩子ちゃんが近づいて来た。
「祐ちゃん孝子ちゃん、どうかしたの?」
「清水さんが項垂れてたの」
「祐ちゃん大丈夫?」
浩子ちゃんと孝子ちゃんと言っていた女の子の会話を聞きながら前世の記憶を辿る。
(孝子ちゃん....まさか....)
「あの、孝子ちゃんって青木さんですか?」
震える声で聞いた。
僕の質問に孝子ちゃんは首を傾げて僕を見た。
(何でそんな事を聞くの?)って顔だ。
「そうよ青木孝子、忘れてたのかな?」
やっぱりそうか、前世の記憶では青木孝君だ。
でも変わり過ぎだよ。
体型は男の子の時は痩せていたし、お父さんって雰囲気だったよ。
今回は女の子だからなの?
お母さんって感じ?
確か孝君には彼女がいたよね...川井瑠璃子ちゃんだったかな?
今回は彼氏になってるのかな?
「たか...孝子ちゃん、ごめんなさい。僕、少しボーとしてたみたい。その、質問いいかな?」
「何かな?」
「瑠璃ちゃん、どうしてるかな?」
「瑠璃ちゃん?」
僕の質問に孝子ちゃんは首を傾げる。
どうやら知らないみたいだ。
ひょっとして名前を間違ったかな?
「えっと。川井さんかな?」
苗字で聞き直した。
「どうして碧君を知ってるの?
クラスが違うのに」
孝子ちゃんは少し驚いた顔で僕を見た。
(特進クラスじゃなかったのか)
どうやら早とちりをしたみたいだ。
由一君(由香ちゃん)といい、碧君(瑠璃子ちゃん)といい、前世と相違点がある事に気がついた。
それよりごまかさないと。
「学校に孝子ちゃんと一緒に来ていた男の子でしょ?確かその時に見たような、聞いたような...」
適当に言ってみた。
「いやだ見てたの?恥ずかしい...」
孝子ちゃんは顔を真っ赤にして恥ずかしそうに笑う。どうやら適当が当たったみたいだ。
「あら、孝子ちゃんも好きな人いたの?」
浩子ちゃんが嬉しそうに孝子ちゃんに聞いたら、孝子ちゃんはますます顔を赤らめて頷いた。
「孝子ちゃん可愛い!」
可愛い孝子ちゃんに我慢できず、ふっくらな体に抱きついたら驚きながらも優しく包んでくれた。
そう言えば前世の孝君は頼りになる委員長だったね。
今回は優しいお母さんポジションの孝子ちゃんに嬉しくなる僕だった。
「こら!そこの3人静かにしなさい!」
身体測定で騒いだ僕は浩子ちゃんと孝子ちゃんも巻き添えにして先生に叱られた。
浩子ちゃん孝子ちゃん、ごめんなさい。