まずはお近づきに。
僕は佐藤君におぶって貰い学校に戻った。
久子ちゃんや律君は随分と心配をかけてしまったけど仕方ないよね。
だって前生で運命の人とやっと巡りあったら相手も女の子なんだもん!
自宅に戻り心配するお母さんに大丈夫と声をかけて部屋に戻り思い出した事を書いていく。
[僕の前回、運命の人の名前は山添浩二君。
僕は彼が好きだった。
前回の人生で小学生の時に彼に出会い最初は親友で途中から友情を越えた気持ちを抱く様になって行った。
でも僕は男の子、浩二君も男の子で...
僕は告白はせずに中学校、高校と浩二君と同じ時を過ごした]
「幸せだったな...」
断片的な記憶だけど実感は有った。
まだそれ以上細かい所は思い出せないが今はこの辺りで良いかな。
ノートを閉じて次の事を考える。
とにかく出会えた訳だし、まあ今回はお互いに女の子だったけど、だからおしまいなんて淋しいよね。
何とか浩二君...いや浩子ちゃんと親しくなりたい。
どうしたら仲良くなれるかだ。
今日分かったが浩子ちゃんと由香ちゃ...由一君には前回の記憶は無いみたいだから僕の方から2人に近づくしかない。
「ん?由香ちゃんって?」
僕は頭に浮かんだ名前を口にする。
由香ちゃんって誰だったかな?
僕の親友だった気がするが思い出せない...
由香ちゃんが由一君って事なら浩二君同様性別は変わっちゃってるって事かな。
いやそれより今後だ。
私立中学校って何処の中学校に行ってたのかな?
記憶を探るがやはり思い出せない。
「塾に行ってみようかな」
情報を集めると何かヒントが見つかるかもしれない。
「受験か...前回は僕が男の子だったからかな?」
今回僕には2歳下の弟がいる(前回は妹だったが)
家を継ぐのは弟だから僕は今回特に家族から受験の事は言われ無かった。
「ん?」
僕はふと自分の周りの人の性別に違和感を覚える。
「久子ちゃんって...久?律って....りっちゃん?」
また大変な事を思い出してしまった様だ。
浩二君や由香ちゃん以外にも更に2人、性別が逆だった事に。
しかしそれ以上はこれも思い出せない。
「ま、いっか!」
これ以上考える事は止めて今日聞いた情報で浩子ちゃんと由一君と近づく方法を考えた。