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両性巫女の高校生活  作者: 小林歌子
5/8

第5話「清花」

どうも!こんにちはの人もこんばんわの人もお疲れ様です!♫

両性巫女の高校生活 作者の小林歌子です!

第5話「清花」の投稿になります!コメントと評価もジャンジャンお待ちしてます!♩

最後まで読んで頂けると嬉しいです!それでは是非楽しんでくださいね!!

第5話「清花」

私の名前は四宮(しのみや) 清花(きよか)46歳 姉妹弟は8人その長子長女として生まれた。弟は産みの母私の産みの母でもある母親が魔力の薄い巫女であったため両性巫女としては産まれず。普通の人間の男の子として産まれた。

そんな私にも、もう自分の家庭がある長女の一葉(ひとは)を初めに二葉(ふたば)三葉(みつば)四葉(よつば)五葉(いつは)、と5人の巫女の母親となっている。

旦那は今、三女の三葉と四国で仕事をしている。

そして私のもう一つの顔は。巫女のグループ「四宮家」の頭首であると同時に「株式会社 四宮神社」の代表取締役 社長 をしている。

さすがにもう年齢も気にするような歳でもなくなった。むしろこのくらいの歳じゃないと頭首として社長としての拍がつかないとさえ思うようになった。

「はぁ、キッツいわぁ〜」

本当に代表取締役っていうのは疲れる。うちの社員はみんな素直だから助かってるけど。それでも結局、責任は全て私っていう代表にあるっていうのがなんとも言い難いわ。

すると黒服の私の付き人の1人 松代(まつしろ)が私の仕事部屋を開けた。

「清花さま。ご準備ができました。」

「わかったわ。行きましょう」

今日私は新しく会社用に車を買おうと思いディーラーに行く予定を作っていた。

「今日はどちらの車で行かれますか?」

「N5にするわ。良いわよ?あなたが運転して」

私は松代に鍵を渡して助手席に乗り込む。

「では、出発致します。」

「はい、お願い。書類はちゃんと持ってきた?」

「はい大丈夫でございます。」

「そう、なら少し寝かせて頂戴。」

「はい、着きましたら。お呼びしますのでごゆっくりしていて下さい。」

私はシートのリクライニングを倒して体を休めた。目を瞑ってもそんな簡単には眠れない。さすがに歳かしらね

そうして車に揺らされて約1時間半。

「清花さま。そろそろ着きます」

「えぇ、ありがとう」

私は体とリクライニングを起こして外の横浜の街を見渡す。

「私、この後も横浜来るのよね。」

なんで同じ場所何度も行き来しなくちゃいけないのかしら。仕事だから仕方ないけど

「よろしければ、ご一緒しましょうか?」

松代は私に気を使って言った

「大丈夫よ。裕也が帰ってきてたら裕也に頼むから。そろそろ慣れてもらわないといけないしね。」

「そうですか。着きました清花さま」

そして目的地でもあるディーラーに着いた。欲しい車の試乗車も置いてあるディーラーだ。

車を降りるとすぐにディーラーの営業マンが出てくる。まあ乗ってきた車が車だから仕方ないか。

「いらっしゃいませ。本日はどのような御用件でしょうか?」

満面の営業スマイルで近寄ってくる営業マン。これが女の子だったらさらに良いのにね。

「新車を買いに来たわ」

「そうですか。という事はこちらのお車は下取りに出されるのですか?、、、N5ですよね?」

「いえ、増車で買うわこの車もそうだけど会社名で買うから。」

「企業の方でいらっしゃいましたか。失礼致しました。」

「別にあなた何も失礼してないわよ。ポンポン謝るのは良くないわよ?」

「これは失礼致しました!」

「はぁ〜」

ついため息をついてしまう

「それでご興味のあるお車はどれでしょうか?当店は試乗車も多数台ご用意していますので。」

「あれね。」

私はお店の看板のように置かれている車を指差して言った。本物のレースの企画で作られた車だ。

「CT3でございますか。お目が高いですね」

「ちょうど欲しい色でもあるしね」

「そうでございますか。では早速ご試乗されてください。お連れ様もご一緒にどうぞ」

「いえ、松代は待ってなさい。」

「はっ清花さまをお待ちしております」

松代は自分の右拳を胸に当てて答えた。

「でしたらせめて中でお待ちになって下さい。お飲み物もご用意しますので」

営業マンがそういうと松代は私の方を見る。

「はぁ、お言葉に甘えなさい」

「はい、では中で清花さまをお待ちしております!」

「あと、サングラスは取っておきなさい。ムダな威圧感を与える必要はないから」

「はっ!」

私が言うと松代はすぐにサングラスを取りもう1人の営業マンに連れられ店内に案内されていった。

私の担当は試乗車の鍵を持って試乗準備をしていた。

「それではどうぞ!」

営業マンは車の準備をして私を運転席に案内してきた。

私が車に乗ると営業マンは颯爽と助手席に乗り込む。

「ではよろしくお願い致します!」

「こちらこそ」

私は車を走らせた。

「すみません。申し遅れました。私、営業マンの坂上(さかうえ)と申します。こちら名刺でございます。」

運転中の私に名刺を渡してくる営業マン。本当に申し遅れてるわね

「どうも。私は四宮 清花って言うわ。一応、代表取締役」

「社長様でいらっしゃいましたか!これは失礼致しました!」

さっきも似たようなセリフを聞いた気がするわ

「ちなみに差し支えなければ。どのような会社を経営されているのですか?」

「私は巫女よ?髪の色見てわからない?」

「いえ、稀に気にされている方もいらっしゃったので探っておりました」

「まあ、気にしてる子も中には居るわね。」

「巫女の方も何名か当店から車を買っていただいた方が居るんですよ」

「居るでしょうね。巫女自体は今や珍しい存在じゃないもの」

「そうですよね。にしても四宮様はお綺麗な方ですね。」

「それはどうも。でも私、今年47だしもう言われ慣れちゃったわ」

「え?47歳でいらっしゃいましたか!?本当に全然そうは見えませんね。てっきり30手前くらいかと」

「それはさすがに言い過ぎじゃないかしら?」

「いえいえ誰が見てもそのくらいに見えますよ。」

まあ良く言われるから本当にそうなのかもね。自分の事はよくわからないわ

「代表取締役は何年されてるんですか?」

「15年前からね。母親からの引き継ぎよ。」

「という事は2代目の社長様ですか?」

「私は7代目ね。先代もみんな女社長よ。その時の長女が代々引き継いでるわ」

「そんな事話しちゃって大丈夫ですか?」

「この程度の情報だったら別にネットでも見られる程度よ。問題ないわ」

さすが営業マン話題の広げ方のコツは知ってるのね。全然まだまだだけど

そうした話もしながら私は試乗を終えディーラーまで戻った

「いかがでしたか四宮様?」

「買うわ。あの試乗車の車頂戴。」

「え!?試乗車をですか?」

「ダメなの?」

「いえいえ全くそのような意味ではありません!むしろ試乗車でよろしいのですか?」

「私が新車ディーラーに来る時はいつもそうなのよ。あのN5もね」

「そうでしたか。かしこまりました。その前に金額のお見積りをさせて頂いてもよろしいでしょうか?」

「勿論よ。お願い」

そうして私は店内に入り松代の座っている隣に座ることにした。

「決められたのですか?」

「ええ、今見積もり作ってもらっている所よ」

すると営業マンが書類を持ち駆け足で私たちの席まで来た。

「お待たせ致しました!こちらがあちらの車両の総額になります。」

「やっぱり試乗車なだけに多少は安くなるのね」

「はい、」

「3日後に納車できる?」

「それはさすがに厳しいです。名義変更の書類が間に合いません」

「それなら納車後にこれとこれとこれのオプションパーツを付けるわ。だから3日後に納車して貰える?」

「えっと、それでしたら納車後に1日だけお車をお預かりさせて頂いてもよろしいですか?半日で構いませんので名義変更の代行はこの私がさせて頂きます。」

「3日後の納車を了承してくれるのなら全然構わないわよ。車庫証明でしょ?さすがの私もわかってますよ」

「念のための確認なのですが保険とかは大丈夫ですか?」

「大丈夫よ。そういう保険に入ってるし」

「であれば3日後の納車に全力で取り組ませて頂きます。」

「よろしくお願いします」

営業マンと今日中の振り込みの話までして私と松代は家に戻る事にした。

「振り込みは私がするから。車庫証明は松代にお願いしてもいい?」

「了解いたしました。任せてください」

「私は振り込みだけしたらちょっと出かけるから」

「お供致しましょうか?」

「プライベートだから大丈夫よ」

私たちは一旦家に戻り。松代は車庫証明を出しに警察署に私は近所の銀行に寄って振り込みをしてから古い友人の近所のファミレスにもう一台の車で向かった

「清花は相変わらずねぇ。」

すでに古い友人の方は着いていたようで店内で席を確保して待っていた。

「久しぶりね。美柑(みかん)って言っても2ヶ月ぶりくらい?」

「にしても清花ってずっと見た目変わらないわよね。巫女だから?」

「そんな事ないわよ。最近、老眼が進んできたわ」

「それは私もなんだけど?というか見た目と全く関係ないじゃない」

「そうとも言うわね。。」

私は店員にアイスコーヒーを頼んで古い友人である美柑と談笑した

「今日はどんな仕事してきたのよ?」

「今日はそんな大したことしてないわ。車買ったくらいよ」

「また、買ったの?」

「またって何よ。。今回は会社の車よ?」

「この前乗ってきた。ヤクザみたいな車も会社のじゃなかった?」

「ヤクザみたいって。。。今回買ったのは私用。あのBNは裕也にあげるわ」

「そういえば裕也くん元気なの?」

「え?まあ元気なんじゃない?この間死にかけてたけど」

「全然元気そうなエピソードじゃないんだけど?大丈夫?」

「裕也って眼つき悪いから元気かどうかわからないのよ」

「でも死にかけてたって何があったのよ」

「銃で腕を撃ち抜かれたのよ。多分あれは骨まで砕かれてたと思うけど」

「大丈夫なの?まさか今、腕一本になってないでしょうね?」

「美柑なら知ってるでしょ?裕也のこと。そんな事じゃ大事にならないわよ」

「そうね、沙弥からあんな事聞いたらね。でも普通の人だったら今の話聞いただけで泡吹きそうね」

「ちょうど裕也がそれで意識を失ってた時に沙弥がうちに来たのよ」

「大丈夫だったの?」

「ええ、その時はただただ様子を見に来ただけみたい」

「沙弥の方もちょっと心配ね。」

そんな事、、

「そんな事言われたってしょうがないじゃない!」

私は無意識のうちに強く言ってしまった

「あ、ごめん清花。そういう意味で言ったんじゃなくて」

「良いの。こちらこそごめんね美柑。私も沙弥の事が心配じゃないわけじゃないから。ただ自分で自分に罪悪感を感じてるだけなの」

「でも清花は昔からそうよね。沙弥の為に自分の身を投げうってる。側から見てた私は羨ましいと思ってたわ。」

美柑は昔を思い出しながら改まって私に向けて言った

「にしても沙弥ってまだあの頃みたいに小っちゃいの?」

「急にボケかまさないでよ。そうね、今でも変わらずロリっ娘だったわ。」

「やっぱり巫女って老化しないんじゃ?」

「私のお母さん普通におばあちゃんだったでしょうが!」

そんな笑い話も交えながら楽しい時間はトントン拍子に無くなっていった。

「あ!ごめんこれから私、横浜なのよね。」

「やっぱり忙しんじゃない。今日は私が出しておくから。行って良いわよ?」

「ごめん!今度は私が奢るから!」

「はいはい、じゃあまた連絡するわね」

私はそう言って美柑にお会計を任せて家に急いだ。

「ふう、一応時間はまだ余裕あるわね」

私は車を降りて家の扉を開けた

「裕也もまだ帰ってないみたいね。ちょっと待ってみようかしら?」

私はしばらく部屋でテレビを見て時間を潰した。

ふと時間を確認する

「そろそろ出ようかしら?裕也連れて行きたかったけど。」

私は出る準備をして玄関に向かった。するとちょうど裕也と五葉が帰ってきた

「裕也、五葉おかえり。」

「ただいまお母様」

「清花さん、ただいま」

私は裕也と五葉を向かい入れた

「裕也、ちょうどいいから私の車で送ってくれない?」

「え?どっちの車ですか?」

「BNの方よ。あれは一応会社の車だから」

一応、新車価格1000万超えの車は会社の車です

そうして私は裕也を運転席に座らせて私は助手席へ乗り込む

「今日はどこですか?」

「1軒目は横浜よ。そしたら一回帰るから。」

「って事は明日もあるんですか?」

「そうなのよ、裕也も付き合って貰えると助かるんだけど。」

「5日に休みを頂けるなら全然手伝いますよ」

「4日と5日は私も休みだから空くわよ」

「なら3日まで手伝いますよ。」

「って言ってもあなたはこうして私を送り届けてくれれば良いだけだけどね」

「尚更お安いご用ですよ。」

車で住宅街を抜け国道に出た

「にしても運転上手くなったじゃない。」

「まあ、結構練習しましたし。これでもまだまだと思いますが。」

「これなら私の車も任せて良さそうね」

「それはどう言う意味ですか?」

「たまに、私の赤い跳ね馬動かして貰えると助かるわ。エンジンかけなさすぎるのもよくなさそうだし」

「え?あれ乗って良いんですか?」

「たまによ?そうね。週に1回で良いから動かしておいて」

「まあ全然良いですけど。」

「あとこの車。好きに使って良いわよ?」

「え?こっちの車は会社の都合で結構動くんじゃ?」

「あ、もう一台私用の会社車で買ったからいいわよ。」

あんまりそういう風に高級車乗らせるの良くはないけど。まあ経験ね

「わかりましたよ。まあ俺の車とことん乗り心地悪いですからね。早速5日に使わせて頂きます」

「そういえば5日はどこか行くの?」

「五葉と出かけます。いつも世話になってますし」

「なるほど、デートね?」

五葉はそこまで進展したのね。良い傾向だわ

「まあ、そうですね」

「良いわよ。もっと五葉と仲良くして頂戴」

「昔から仲良くしてますよ。」

「そういう事じゃないわよ。もっと先に進んでってこと」

「もっと意味がわかりませんね」

「相変わらず鈍感ね。」

私の事にも気づいてくれないし。しょうがない事なんだけど少し凹むわ

そんな話をしながら裕也は車を走らせて横浜にある目的地に着いた。

「ちょっと待ってて。ここの仕事はそんなに長くないはずだから。」

「わかりました。大丈夫ですよ」

「遅くなりそうになったら電話するわね」

「了解しました」

私は目的の建物に入って四宮家との関係の深い人物に会った。

「清花さん、いえ四宮社長お待ちしてました。」

おっさんのテンプレートのような男だ。四宮の系列で芸能事業の指揮を担当させている。

「今日はどなたと来られたのですか?松代ですか?それとも渡辺ですか?」

「今日は裕也よ。たまには連れ出そうと思ってね」

「ほう、あの大川裕也くん、いえ今は四宮裕也くんでしたね。」

「次の四宮家のトップに悩んでいるのよ。」

「正規の順番で行くと一葉さまですが。。もしかして裕也くんにですか?」

「そうよ。裕也ほどの両性巫女だったら充分巫女家のトップは務まるわ。でもまだ本人は自分を理解していないから。」

「本人の事を本人に伝えれば良いのでは?」

「私が伝えても意味ないでしょ?自分から自覚する事が重要よ。」

「待っていては。気づいてくれないのでは?」

「本来それは実の親の仕事だけど。私は裕也の実母ではないわ。言えないわよ」

「そういうものですか。。」

「で、本題よ頼んでいたもの頂戴」

そこからは仕事の話を続け30分ほど話した。

「じゃあ、明日からの5月も頼むわよ。」

「ご安心ください。既に予定がパンパンな子も数名居ますから」

最後にそう交わして私は裕也の待つ車まで急いだ。

「待たせたわね。」

「いえいえ、このくらいなんて事ないですよ」

「明日からも頼むわよ?」

「ちなみにどこに行くんです?」

「明日は新潟、明後日は大阪、3日は名古屋。」

「とんでもない大移動ですね。」

「ホテルもとってあるから安心しなさい。」

「でなきゃそんな長距離自信がないですよ」

「あ!ちなみに私と同じ部屋だから!」

「別に良いですよ。清花さんだったら」

「なんかそれ腑に落ちないわね」

これでも気づいてくれないのね。さすがにお母さんと同い年だと敬遠されるわよね

そうして一度家に戻り。五葉と四葉の作った夕飯を食べ私はお風呂に入ってすぐに寝る事にした。明日は早いからね


翌日

朝4:00起床

裕也はさすがに起きれないわよね。私は裕也の部屋に行って起こす事にした。

「裕也、申し訳ないけど起きてもらえる?」

「ああ、すみません清花さん」

私が声をかけると裕也はすぐに飛び起きて。出かける準備を始めた。

私も車に荷物を載せて準備をした。

「裕也、寝起きの運転大丈夫?」

「はい、運転の為に行くんですから運転しますよ。」

裕也がそういうので私は車の鍵を裕也に渡した

「一応、気をつけてね」

「はい、もちろんです」

「お昼までに新潟に着けば良いから。」

「わかりました。まあ恐らく余裕でしょう」

私は眠気で高速道路に入る前に寝てしまった。

「清花さん?」

呼んでも起きないか。であればちょっとこの車がどんなもんか試すとしよう

俺は高速入り口に入るときアクセルを全開にした。

強烈な加速Gが俺を襲う。

「これは、、殺人的な加速だな。。」

ふと助手席の清花さんを見る。

この加速Gで起きない、、だと?

普段どれだけ踏み切ってるんだ?清花さん。。。

にしても180km/hを余裕で突破しているのだが。。。なんだこの安定感というか安心感というか。このスピードで全く速いと感じない。感覚でいうと100km/hくらいで走ってる感覚だ。その約2倍のスピードなのだが。。

「あぁ、そろそろオービスよ。」

「なんだ起きてたんですか?清花さん。」

俺はアクセルを抜いて助手席を確認する。俺は目を疑った。

ね、寝ている、だと。。!?

俺もオービスには気づいていたのでわかっていたが。この人は今夢の中でも同じ光景が映っているとでも言うのか?

オービスを通り過ぎて俺はもう一度ゆっくりと車を加速させた。

「この先はしばらくないから。安心して踏みなさい。」

一応、俺は助手席を確認する。

普通に目を閉じて寝ていた。

うむ、しばらくオービスもないし踏み切ってみるか。

オォーーーン!オォーーーーーーン!

見る見ると目の前のスピードメーターは数字を増やしていく

さすがに250km/hはサーキットでも体験した事がないな。リンテで体験したのは200km/hちょっと過ぎたくらいまでだ。

さすがにこのスピードになると速く感じてくる。未体験ゾーンだからなのか?

だが車は加速を止めようとはしないし俺もアクセルを踏みっぱなしだ。

280、、、285、、、、、290

ついにお出ましか。。。300

速すぎだな。笑いが込み上げてしまう

その後も俺はオービスが来ては減速。過ぎて加速して250を繰り返した。

見る見るとガソリンメーターが減っていくのも確認しつつ。

「はっ!今何時!?」

清花さんが飛び起きた。

「6:30過ぎですね。」

「なんだ全然まだ時間あるじゃない。今どこなの?」

「そろそろ新潟県には入りますよ」

「はぁ!?」

「清花さん、それとそろそろガソリンが」

「はぁ!?」

「あの、清花さん。」

「一体、何キロ出してたのよ!?」

「とりあえず、300オーバーは体験しておきました。」

「オービス光らせてないでしょうね?」

「大丈夫です。清花さんがオービス探知機みたいになってましたから」

「はい!?」

「寝言でそろそろオービスだとか言ってましたよ。」

清花さんは顔を赤くして恥ずかしがっている。なんだか五葉みたいだ

「そんな事より。ガソリンです」

「あぁ、そうね。次のサービスエリアに入りなさい」

俺はすぐのサービスエリアに車を入れた。

「丁度いいから。朝ごはんにしましょ」

「そうですね」

車を駐車して清花さんとサービスエリア特有の食堂の方に行った。

「裕也は何食べたい?」

清花さんは財布を片手に俺の向かって言う。

「良いですよ。清花さん俺自分で出しますから」

「仕事手伝ってもらってるんだもの。このくらい出してあげるわよ」

「断っても無駄そうですね?」

「まあ無駄よ」

「じゃ、朝の魚定食で」

「なにその日本人みたいな朝ごはん」

「一応、俺も清花さんも日本人なんですけど」

「私は常に外国を目指しているわ!」

「あまりにも脈絡がないですね。そんな外国を目指している清花さんは何を選ぶんですか?」

「本当なら朝から裕也のあれを頂きたい所なんだけど、、」

清花さんは俺の下半身に目を向けながら言う。

葉月(はづき)さんに怒られますよ?」

「見られなきゃ大丈夫よ!」

「俺が葉月さんに言います」

俺は自分のスマホを取り出す。

「待ってよ!裕也。もう、ノリが悪いわね」

「まったく、からかいが過ぎますよ。清花さん」

「葉月にだってこんな事言ったことないのよ?」

「知りませんよ。そんなこと」

清花さんはそう言いながら俺と同じ朝の魚定食を選んでいた

「清花さんも日本人ですね」

「裕也と同じものが食べたいだけよ」

俺と清花さんは食券を持って席を確保し番号が呼ばれたので朝食を取りに行った。

「そういえば清花さん車何買ったんですか?」

「来てからのお楽しみ」

清花さんは笑顔で答える

「って事は相当楽しみな車なんですね」

「まあそうね。きっと裕也が大好きな車よ?」

「それはまた楽しみですね。ダンボルギーニあたりかな」

「私が猛牛なんて買うわけないでしょ?」

とりあえず全国のダンボルギーニ乗りの方々に謝ってください

「いやいや、単に予想しただけじゃないですか!」

「っていうか。裕也ダンボルギーニ好きなの?」

「いえ全然そこまででも」

全国のダンボルギーニ乗りの方々ごめんなさい

「国の名前言っちゃったらバレちゃうから言わないわよ?」

「だから楽しみにしてますって!」

朝食を食べ終わり2人で車の近くの喫煙所に来た。

ブオーン。

「あ、チルビア。」

タバコを吸いながら清花さんは一台の車が来た所を見ていた。

「そういえば清花さん乗ってたんですっけ?チルビア」

「そうよ22歳の時だったかしら?昔はよくやったわね〜ドリフト。」

「以外ですね。グリップしかやってないと思ってました。」

「グリップやり始めたのなんか27の時よ?もはや最近でもなくなってるけど」

「結構長く乗ってましたよね?リンテグラ」

「そう、その27の時にリンテグラ買ったのよ。そこからはグリップ一筋だったわね。」

「三葉を産みながらリンテ乗ってたんですね。。」

「三葉どころか四葉も五葉も産んだ時乗ってたのはリンテだったわよ」

「そうでしたね。」

プルルルル♫

清花さんの携帯が鳴っていた。電話か?

「あら、珍し、、くもないわね」

清花さんは電話を取った。

「はーい」

「そりゃ起きてるわよ今日から出張だし。ってか私いつも6時には起きてるわよ」

「うん」

「あ、そうねそういえば誕生日だったわね」

「え?今日は裕也よ?3日まで裕也と一緒」

「そんなの自分から電話しなさいよ。」

「じゃあ、あとで教えてあげる」

「はいはい、じゃあまた連絡頂戴」

清花さんは電話を切った。

「誰からです?大体察しはついてますが」

「一葉よ。今月末か来月にこっちに戻るって」

「やっぱり一葉ですか。毎年恒例ですからね。今はどこに居るんでしたっけ?」

「今はドイツよ。来年の2月からイタリア再来年はフランスかしらね」

「大変ですね。巫女の家の長女は。」

「そうでしょうね。私も長女だけどここまで大移動の教育はなかったわ」

「なのに一葉にはそれをやらせると」

「だって時代的に国内だけじゃお金作れないもの。あの子には私よりも上を目指して欲しいわ。」

「そのうち大川家を追い抜くんじゃないですか?」

「無論そのつもりよ。」

ちょっとした沈黙が続いた

「ねえ裕也。」

清花さんは沈黙の後に俺を呼んだ

「はい。」

「あなたにも将来、四宮家を引っ張って貰いたいと思ってるわ。」

「両性巫女の俺がですか?」

「そうよ。」

清花さんは真剣な表情をしていた

「俺にそれほどの力があるんですか?」

「巫女の力なんて別に魔力だけじゃないでしょ?」

「それはどういう事ですか?」

「普通の人間でも付けられる力よ。私はあなたの人間力はかなり高い評価をしているわ」

「どっちにしても考えさせて下さい。まだ高校も入学したばかりですし。」

「そうよね。ごめん、」

「でも清花さんの気持ちは嬉しいです。ありがとうございます」

私、焦ってるのかしら。まだ言う時期じゃないことはわかってたはずなのに

「清花さん?そろそろ行きませんか?」

「そうね、行きましょ。運転変わる?」

「大丈夫ですよ。もうすぐ着きますし」

そうして1時間ほど車を走らせて。目的地の新潟市内の事務所の近くまできた。

「8時半はさすがに早いわよね。」

「開くの10時からでしたよね?」

「そう、なるべく早めとは思ってたけど」

プルルルル♫

今度は俺のスマートフォンが着信音を鳴らしていた。知らない番号だな

「これって一葉ですか?」

俺は清花さんに画面を見せながら聞いた

「多分そうね。」

久しぶりだしな。とりあえず普通にしてみるか

「もしもし」

「裕也?」

「ああ、そうだ。一葉だろ?」

「そうよ。覚えてくれてたのね。」

「それは冗談が過ぎるな。年の差はあっても幼馴染だ。忘れるわけないだろ」

「だって裕也って人の名前覚えるの苦手じゃない?」

「まあな、それは自覚してる。」

「でも私たち昔はあんなことやこんなことして遊んだもんね?裕也にとっては忘れられない女ってとこかしら?」

残念ながらあんなことやこんなことをした記憶は無いのだが

「そんな記憶はない」

「ええ!?酷くない?それ。場合によっては名前以上に覚えて欲しいわよ!」

なんだそれは。俺は冷や汗をかく

「すまない。ちなみにそれは幾つの時の話なんだ?」

「私が高校1年だったし。そうなると裕也は小学4年生かしら?」

待て、それはおかしいな。

「一葉、俺の初は中2のはずなんだが。」

「酷いわぁ。私、裕也にしかあんなことしてないのに」

そのあんな事とはなんなんだ一体

「ちなみにどこまでしたんだ?」

声が上ずってしまった。不覚だな

「なに焦ってんのよ?手と口よ。」

「だ、だけか?」

「そうよ、どこまで想像してたのよ。っていうか裕也体験済みなの?そっちの方がショックなんだけど。」

とりあえずは一安心だな。

「お前のショックなど知らん。中学の時の彼女とだ。2年も付き合っていれば1回くらいはあるだろ?」

「それこそ知ったこっちゃないわよ!私、彼氏いた事ないし。処女なんだし」

「そんな情報を知ろうと思って言ったわけじゃないのだが。そっちで彼氏とか作らないのか?」

「はあ、本当に鈍感ね。ちなみに彼氏作ってる暇はないわ。毎日仕事、毎日勉強よ。」

「なんだ、頑張ってるみたいだな。良かったよ」

「うん、ありがとね。裕也も去年とは声の感じが違うわね。高校に入ったのが良かったのかしら?」

「そうかもしれないな、高校に関しては一葉にも感謝してる。ありがとな。」

「い、良いわよ!そんなの。」

照れたような言い回しで言う一葉。

「裕也?」

「なんだ?」

「また電話しても良い?」

一葉にも可愛いところがあるんだな。

「ああ、気使わずにかけて来い。学校の時は出れないと思うが」

「ありがと、また電話するわ。」

そういって久しぶりの一葉とのたわいのない話は終わった。

横を見ると清花さんは不敵な笑みを浮かべていた。

「なんです?清花さん」

「一葉と過去に何があったの?」

にやけながら聞いてくる

「それが覚えていないんですよ。」

「嘘だ〜」

清花さんのテンションがおかしいぞ

「いやいや本当に。昔よく一緒に風呂に入ってた事は覚えてますけど」

「その時に何かしたんじゃないの?」

「そんな記憶ないんですがね〜」

「にしても裕也って非童貞だったのね。」

いきなりそっちに反応してくるか

「まあ、そうですね。」

「誰なの?」

なんでそんな事知りたがるんだ?

「清花さんに言ってもわかりますかね。」

清花さんは俺と同い年の女子を知ってるのか?知らないはずだ

「一応、同学年に三葉が居たんだけど?」

あ、知ってた。

「言ったらバレちゃうじゃないですか。」

「言ってみなさいよ〜減るもんじゃないんだし」

俺の肩を揺らしながら言ってくる清花さん。なんで女子トークみたいになってるんだ?

「まあ、減るものではないですけど」

「ほらほら」

急かす清花さん。まあいいか

菊月(きくづき) 七瀬(ななせ)ですよ。わかりますか?」

「ああ!なんとなく覚えてるわ。可愛かったわよね?たしか」

「可愛かったしか覚えてないって。」

「それはしょうがないでしょ?三葉は友達少ない子だったんだし」

「一応、中学では三葉の側に着いてたんですよ?俺」

「この後に及んであなたは三葉も狙ってるの?」

セリフだけ取ると怒ってるみたいに見えるんだが表情が限りなく笑顔だ。逆に怖い

「話が吹っ飛んでますよ。清花さん?というか怒ってる?」

「全く怒ってないわよ?むしろ歓迎だわ。私の娘5人共裕也にあげても良いくらいよ?」

それをしたら旦那さんが真面目に俺を殺しにくるだろう

「葉月さんが激怒しそうな事言わないで下さい。それに日本は一夫多妻制ではありません。」

「別に結婚しろなんて言ってないわよ。苗字一緒だし。子供さえ作ってくれれば良いわ。」

生々しいな。。

「それもっとエゲツないこと言ってる自覚あります?」

「あるわよ。でもまだ答えなくて良いわ。」

俺は四宮家姉妹と子供を作るという意味を重々に理解してる。単純に清花さんは四宮家の規模をもっと大きくしたいのだろう。

だが俺はなぜ俺なのかを理解してない。それが自覚できるまでは普通の人間である事が筋だろう。

「ひとまず裕也は高校生活っていう自分の課題をクリアしなさい。それがあなたの将来に大きく左右されるわ。卒業したら23歳っていう一人前の年齢になる事だしね。」

「はい、本当に何から何までありがとうございます。この恩は必ず返します。」

「じゃあ!今から」

清花さんは言いながら服を脱ごうとする

「いや、性的なこと以外で。」

「つまらないわね〜」

「つまるつまらんの問題じゃないですよ」

新潟の事務所の約束の時間が近づいたので俺は車を走らせ30分ほどで事務所に着いた。

「俺は待ってれば良いですか?」

「いや、一応着いてきて。なんとなくで仕事見ておいて貰える?」

「わかりました。」

そう言われたので着いて行ってみたが。午前中は会議で終わり。昼食が終わっても1時間ほど会議をしていた。株式会社四宮神社 新潟支社は主に水道事業が盛んである事が今日一日、清花さんに着いて来てわかった。

明日は大阪か。。新潟からだとかなり遠いな。新潟で泊まるとして朝は何時に出るんだ?

時間は18時前を指していた。

「裕也。途中から運転変わるから大阪向かって貰える?」

「そういえばホテルを取ってるとか言ってませんでした?」

「それは、明日よ。明日の大阪も10時の予定なのよ。」

「ならさっさと向かわないとですね」

そうして俺の運転で今から大阪に向かう事になった。

「休憩したくなったらすぐに言いなさい。ほぼノンストップで行くつもりだから。」

「わかりました。無理はしませんよ」

高速に乗り100km/h巡航で大阪に向かった。

プルルルル♫

清花さんの電話が鳴っていた。

「はいはい、今、新潟から向かってるわよ。」

「どうしたの?」

「はい!?」

「それは仕方ないわね。そっちの方が重要だし」

「良いのよ。にしても残念だったわ?」

「え?今回は裕也も連れて来てたから。」

「会いたくないの?」

「四葉と五葉は結構良い感じになってるわよ?」

「もう、ツンデレさんね。」

「まあ、いいわ。なら明日は東京の方よろしく頼むわね。」

清花さんは電話を切った

「明日、急遽 二葉が東京に飛ぶ事になったわ。」

清花さんは俺に言ってきた。

「そういえば二葉さんは関西で仕事やってましたね」

「忘れてたの?」

「まあ、そうですね」

「そういえば、裕也と二葉のカップリングって見たことないわね。」

「そうですか?昔は一葉とよく一緒に居ましたけど。」

「カップリングって言ったでしょ?3人でいる時はよく見てたわよ」

「それは、あるかもしれないですね。」

「怖いんでしょ?二葉のこと」

「それも、あったかもしれないですね。」

そういえば、元彼女の七瀬は二葉さんに若干似ていたような気もする

二葉さんと対面になった事がないから。ちゃんとは覚えていないが

「二葉さんは関西弁になってたりしないんですか?」

「そういえばなってないわね。東京弁が染みつきすぎたんじゃない?」

「東京弁って。。。本当に地方の人そんなこと言うんですかね?」

「中には居たわよ?」

本当かよ

その後は交互に運転を代わり。無事翌日10:00を少し過ぎたぐらいに大阪支社に着いた。

今日も一日清花さんの側で仕事を見てやらせてもらった

余談にはなるが関西弁ってギャグで会話してるようにしか聞こえないのは俺だけだろうか?ギャグで言ってるわけでは無いのだろうが。。。

「大阪の業務は東京の業務に似てますね?」

俺は清花さんに質問をする

「それはそうよ。大阪は第2支社でもあるから。」

「そう言う事ですか」

すると大阪支社の副支社長が俺と清花さんの近くに来た。

「あなたが、四宮裕也さんですか?」

バリバリの関西弁で俺に聞いてくる。

「そうですけど。」

つい俺の方も関西弁っぽく発音してしまった。吊られるなこれ

「ほーう」

副支社長は俺を頭からつま先までを何往復か見ていた。

「見た目は、普通の両性巫女ですね」

「まあ、普通の両性巫女なので」

「あー。社長の言ってること本当なんですね」

次は清花さんに向かって言っていた。なんなんだ

「そうよ。あまり詮索しないでよ?」

「わかってますって!それでは私はこれで。」

なんだ?そんな事を言う為に来たのか?

副支社長は元いた所に戻っていった。

「なあ、清花さん。俺は一体何者なんですか?」

俺は清花さんに聞いた

「まだ知る時じゃないわ」

清花さんはそれだけ言ってそれ以上は答えてくれなかった。

でもやはり俺には何かがあるんだろうな。

この間の夢弥が言ってたことも気になっている。

無事大阪出張の一日も終わった。

明日はついに最終日の名古屋だな。名古屋なら新潟の時よりは近いし少しは休めそうだな。

「さ、裕也。ホテル行くわよ」

「了解です」

俺と清花さんは仕事を終えたので。明日に備えて予約してあるホテルに向かった。



「あの清花さん。なんでシングルベッドなんでしょうか?」

「しょうがないじゃない。本当は私一人で来る予定だったんだし空きの1人部屋は無いって言われたし」

「だからと言って。2人でこの部屋に泊まる必要はないですよね?俺は車で寝ます。」

「いいじゃない。たまには一緒に寝ましょうよ。」

「あのですね。。。」

清花さんは平然と服を脱ぎ始める

「裕也。。」

清花さんは色っぽい声で俺を呼びながらベッドに押し倒した。

俺は敢えて抵抗はしなかった

「これでもダメなの?」

これじゃまるで俺が清花さんの事が嫌いみたいじゃないか

「清花さん、そこまでして俺にこだわる理由があるんですよね?」

「そうよ。」

真剣な表情だった。

「その理由は聞いてはいけないんですか?」

「一つだけ教えてあげられるとしたら。」

「はい」

「あなたの血が入った巫女を四宮家で作りたいの。」

「そんな事は、知っています。なぜ俺なのかは教えて貰えないんですか?」

「そうね。今は教えられないわ。」

「いつになったら教えて貰えるんですか?」

「答えがある場所は沙弥のところよ?」

今とても嫌な記憶が蘇った。

「答えとなる鍵を持っているのは沙弥よ。」

「俺にもう一度大川家の門を通れって言うんですか?」

「そうだけど。そうしなくて良いように四宮家が今動いてるの。」

「自分の事を知る為に俺は今他人を利用しているって事ですか?」

「そうよ」

俺には怒りに似た感情が湧き上がった。

俺は今まで自分のとこは自分で全てやってきた。だからそんな他人を利用するなんて事は許せない。何よりも自分が許せない

「あなたがそういう子だって知ってるから言わなかったのよ?」

実際、なんとなくは察していた。なんで言わないのか。それは必ず理由があるからだ

その理由がこれだ。

俺はどうしたらいい?俺自身はどうしたい?

俺は。。。

「俺は母親と話がしたいです。」

「わかったわ。協力するわ」

対面で話すには色々準備が必要そうだな。

「ところで清花さん?」

「なに?」

「いつまで俺の上にいるつもりですか?」

清花さんはまだ俺をベッドに押し倒した状態だ

「ふぁ〜、なんか急に眠くなってきたわ。。」

清花さんはそう言って俺の上に乗るような形で寝ようとしていた。

「色んなところが色んなところに当たってるんですけど?清花さん?」

「当ててるのよ。。。私このまま寝るわね。。」

清花さんは寝息をたて始めた。本当に眠ったのか?

「清花さん?」

俺は清花さんを動かそうとしたが。

「ん?身体が動かない」

俺は清花さんの髪の毛先を見た。

「魔法ですか。。まあこの際仕方ない」

俺は女性化して。清花さんのかけている魔法を解いた。

「はあ、女性化戻せないし。。。清花さん本当に寝てるし」

私は、部屋の隅のイスで寝ることにした。


当たり前だけど。イスではよく眠れず。起きては寝てを繰り替えしていた


「裕也?」

「おはようございます。清花さん」

清花さんは、一瞬誰?みたいな顔をした

「なんであなた女性化してるの?」

「清花さんが身体を動かせなくさせる魔法を私にかけたからです。」

「って、結構魔力消費してるのね。」

清花さんは私の髪の毛を見て言う。

「ここ2日間疲れてたんでしょうね。」

「なら、名古屋向かう時に魔力全部使っちゃいなさい。今日の仕事は良いから。」

そう言われたので私は、高速道路で名古屋に移動している間魔法を使って。

着く頃にはほぼ魔力を消費していた。

「じゃあ、私は行くから。帰りまでに寝ておきなさい」

「すいません。」

清花さんはそう言って仕事に行った。

私はと言うと。もう少しで魔力を消費しきる所まで魔力を使ったので疲れも出ていた。

すると女性化が溶ける時の感覚が過ぎった。と思った時にはすでに男の姿に戻っていた。

「眠いな。」

俺は車の中で寝ることにした。ホテルのイスよりも遥かに寝心地が良さそうだ。


「裕也。」

「ん?」

誰かに起こされたと思い車の外を見渡した。

「清花さん?どうかしました?」

俺を起こしたのは清花さんだったみたいだ

「お昼食べる?」

俺は時間を確認した。13時前を指していた

「清花さんはまだなんですか?」

「ええ、そうよ。」

「一緒に行きますよ。」

そうして2人で昼食を食べに行った。


「ここ名古屋名物なのよ。」

俺は清花さんと少し高そうなレストランに来ていた。

「名古屋のイメージとはかけ離れている気がしますが。。」

「気にしない。知る人ぞ知るって事よ」

清花さんはいかにも金額の高い料理を2人分 注文していた。

15分ほどしてその料理が出てきた。

金額と量が合わなくないか?いや俺は別にたくさん食べるような人間ではないので構わないのだが

「なるほど。確かに味噌は名古屋ですね」

「美味しいでしょ?」

「ええ、そこらのチェーン店には申し訳ないですけど。これは勝負になりませんね」

俺は何と何を勝負させているのか。。テンパってるな

清花さん曰く名古屋名物の高級料理を食べ終わり。事務所の方に戻った。

「裕也はまだ寝てる?」

「はい、そうしておきます。逆に行かなくて大丈夫ですか?」

「眠いなら来なくても大丈夫よ。帰りのこともあるしね」

「であれば休んでおきます。」

「うん、じゃあ私は行くから」

清花さんはそう言って事務所に向かった。

俺はまだ眠気が抜けないのでもう一度寝ることにした。


俺は自分から目を覚ました。

時間を見ると18時を回っていた。

「そろそろ清花さんも戻ってくるだろうな。」

俺はスマホを見ると一件の着信が入っていた。

五葉からだった。バイト中のはずだが、、休憩中とかか?

出ないとは思うが折り返しておくか。

俺は五葉に電話をかける

んー、やはりでないか。。四葉姉さんは何をしてるだろう?

俺は四葉姉さんにも電話をかけた。

「どうしたの?」

四葉姉さんは2コールほどで電話に出た。

「出るの早いな。」

「ちょうど、ケータイ触ってたから。」

「そうか。そういえば五葉から俺に電話があったんだけど。姉さん知らないか?」

「それは普通に五葉ちゃんに折り返せば良いんじゃない?」

「無論、既に折り返したけど。アルバイト中だからか出なかった」

「ふーん」

なんか四葉姉さんの機嫌が悪いような気がする

「なんか機嫌悪いのか?姉さん」

「だって裕也くん五葉ちゃんにばっか優しくしてるんだもん」

ヤキモチってやつだな

「そんな事はないはずなんだが、、」

「あるよ。まあ良いんだけどね。」

なんとも納得のいっていないような言い方をする四葉姉さん

「で?何時くらいに帰るの?」

四葉姉さんは沈黙の後に話題をふってきた

「わからないな。今、名古屋支社の事務所で俺は車で待ってるんだが。まだ清花さんが戻ってこない」

「夜ご飯いるのかな?」

「さあな、わからんが。遅くはなると思うから先に食べてていいぞ?」

「わかった。一応作っておくけど、遅くなるならそっちで食べても良いってお母様にも言っておいて?」

「わかったよ、伝えておく」

そう言って電話を切った。

少しすると清花さんが戻ってきた。

「あれ?起きてたの?」

「いや、ちょっと前に起きたんですよ。五葉から電話があったんですけど清花さん知りませんか?」

「ああ、私にも来たわよ?何時くらいに帰るかって」

さっきも四葉姉さんと似たような話をしたな

「では、帰りますか。」

俺は車を走らせた。

「海老名あたり渋滞だって。」

清花さんはスマホを見ながら俺に言ってきた。

「あそこらへんは毎日渋滞してますよ。他に通るとこだとありますか?」

「今のところないわね。」

「そのままだとしたら9時半くらいには着きそうですね。」

「夜ご飯食べないの?」

「途中で食べますか?一応、四葉が作ってると言っていましたけど」

「でもお腹空いちゃうでしょ?」

「わかりました。途中で食べましょう。」

俺は車を走らせ高速道路は100km/h程で巡航し途中短い渋滞にもハマりながら約2時間ほど車を走らせた。

「そろそろご飯にしましょ。」

「そうですね」

サービスエリアに車を止めて清花さんと夕飯にする事にした。

「あとどのくらいですかね?」

俺は清花さんに聞いた

「あとは中央道を気が狂ったようにスラロームしていけば1時間かからないわよ」

「清花さんいつもそんなことしてるんですか?」

「失礼ね。昔はやってたけど今はそんな事しないわ。」

昔はやっていたなら失礼ではないだろうに。

夕食は特になんでもない定食を食べすぐにそのサービスエリアを出る事にした。

「私のスラローム見たい?見たいでしょ?見るわよね?」

清花さんはいきなりそんな事を言ってくる。気でも狂っているのか?

「そんなに運転したいんですか?」

「運転じゃなくてスラロームがしたいの」

企業の代表が何を言ってるんだ。俺は清花さんに車の鍵を渡した。

そしてそこからは清花さんの独壇場であった。

まさにミサイルまさに自殺行為と言ったような踏みっぷりで前車を全て抜き去っていく。

たまに、一般道も高速道路もかっ飛ばしていく高級車を見かけるがそういう人達はもしや清花さんのように企業の代表や会長だったりするのだろうか?

それにしても慣れてるんだな。清花さん


あっという間に高速道路を降りて無事自宅に到着した。

「お疲れ様。」

「清花さんこそお疲れ様でした。」

2人で車を降りる

すると清花さんが前に言っていたもう一台の会社の車がすでに家に置いてあった。

「清花さん、これ買ったんですか」

俺が見たのは誰でも知っている高級スポーツカーであるパルシェだ。もはや4ドアの車でもなくなっていた。

「跳ね馬よりはマシでしょ。いかにも社長って感じもするし」

「まあ、そうなんですけどね」

「お母様に兄さんもおかえりなさい。新しい車来たよ。」

五葉が俺と清花さんを出迎えてくれた。

「ただいま、五葉。アルバイトはどう?」

清花さんは五葉を若干心配していた

「楽しいよ!私頑張るから!」

五葉は清花さんに笑顔で答える。


私は自分の部屋に戻って一つ電話をかけた。そう東京に来ていると言っていた二葉が気になったから。

「もしもし?二葉?」

「なによ。」

いつものふてぶてしい娘の声が聞こえてきた。

「なによ。はないでしょ?うちに顔出したりしないの?」

私は単純にたまには二葉の顔も見たいと思った。可愛い我が娘でしね

「帰らないわよ。もう大阪に戻ってる途中」

「たまには顔見せなさいよ。今月末か来月には一葉も帰ってくるのよ?」

「いいわね。姉さんはどうせドイツでグータラしてるんでしょ?」

「そういう言い方はないんじゃない?あの子だってあの子なりに色々やりながらドイツに居るのよ?1年に1回は帰ってくるし。あなた去年は1回も帰ってきてないでしょう?」

「しょうがないでしょ?こっちは東京以上に忙しいのよ。あの日下部(くさかべ)の奴がバンバン仕事取ってくるし」

「そこに関しては私としては嬉しいんだけど。」

「なら、顔出せなんて言わないでくれる?」

「いくらなんでも親の心配くらいは気づいてもらえないのかしら?」

「余裕がないのごめんね。お母さん」

こうやって素直な時もあるのにね二葉は

「良いわよ、わかってるから。来月も行くと思うから時間空いてたら会いましょ?」

「空いてたらね。」

「それじゃあね。」


第5話「清花」 ー完ー


どうも!作者の小林歌子です!♫

ゴールデンウィークの3日間の裕也と清花のお話でした!楽しんで頂けましたか?

では今回も毎度のごとくキャラクター紹介をしたいと思います!

今回は五葉の一つ上の姉である 四宮 四葉 を紹介したいと思います!

見事に名前に4が2つも揃ってますね!

そんな四葉ですが品行方正、容姿端麗、成績優秀とまさに理想の女性像のような女の子です!

お世話好きでよく五葉や裕也そして母である清花にも気を使ってお手伝いなどをしています!

それに加えて生徒会長。。。私にはとてもマネできません。。。

身長は女の子の平均である158cm スリーサイズは上から 78/53/82 髪型は1話にもある通りロングのポニーテールです♫誕生日は9月17日です!次回は四葉を取り上げたいと思っております!

次回も是非読んでください!以上 小林歌子でした♫

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