第4話「五葉」
どうも!こんにちは!小林歌子です!
ところで皆さん銀髪についてどういう考えをお持ちでしょうか?
私的には銀髪には種類がかなり多いと思ってます♫
水色っぽい銀髪もあれば黒がかった銀髪はたまた赤っぽい銀髪や金色っぽい銀髪まで!
ただでさえ銀髪だらけな作品なので色んな銀髪を連想しながら読んで頂けると幸いです♪
では今回はメインヒロインのポジションをキープしている五葉ちゃんのお話です!
楽しんでいって下さいね!!♫
両性巫女の高校生活
第4話「五葉」
俺は四宮裕也。20歳の高校1年生だ。今日はゴールデンウィーク前の登校日の最終日。その朝だ。
「よう、四宮。」
クラスの男子が俺に話しかけてきた。
「おう、橘。おはよう」
「おはよ。妹さん髪切ったんだな」
そう双子の妹となっている五葉はつい昨日長く綺麗に伸ばしていた髪の毛を切っていた。とは言っても夢弥よりも若干長い程度までしか切っておらず。
これでも髪の長い方ではあるのだろう。
切った理由は。ようやくアルバイトが決まったらしくゴールデンウィークの初出勤前に切っておきたかったそうだ。
「本人に言ってやれ。きっと喜ぶぞ」
「いやぁ、そうは言ってもよ?四宮さん可愛いじゃん?緊張しちゃうんだよね。」
「可愛くたって普通の女の子だ。言われたら普通に喜ぶぞ?」
「え?そういうもんなのか?わかったよ言ってみるよ。」
橘は緊張した様子で夢弥と唯花と話している五葉の方に行った。
「四宮さん。」
「おはようございます。橘くん」
「髪の毛切ったんだね。すごい似合ってるよ」
緊張している声で橘が言う。面白い奴だな
「ありがとうございます。素直に嬉しいです」
笑顔で返す五葉。まあ普通の対応だな
「ああ、それは良かった。」
そういうと橘は俺の方に戻ってきた。
「ほら、喜んでただろ?」
「なあ、妹さんって可愛いな。」
「さっきも同じこと言ってたな」
「なあ、妹さん狙ってもいいか?」
いきなり妹ください宣言をしてくる橘。
「ダメに決まってるだろ。五葉は俺のものだ。」
「お前ら双子だろうが」
「ああ、そうだよ。双子だよ、でも五葉は俺の女だ」
「だったら俺が横取りしてやる!」
「取れるもんなら取ってみろ」
橘はどうやら本気で五葉を狙う気らしい。多分叶わない恋だなこれは。
「なあ、四宮さんって裏の顔とかあるのか?」
いきなり好きな子の裏を聞きたがる橘。それを俺から聞き出そうとしてる時点でダメだなこれは
「裏の顔か。。。うーんあまりないんじゃないか?」
そういえば昔からずっと今のままのような気がする。裏があるほど裏が濃い女の子じゃないような。
俺はついこの前の五葉とのキスを思い出した。
「裏ね。」
「四宮。なに顔赤くしてるんだ?」
「大丈夫だ。問題ない」
橘にこの事を知られるのはあまりにも可哀相だろ。橘が
「あまり五葉は裏が無いと思うな。昔から割とあのまんまだ。」
「ますます、好印象だな」
「まあ双子の俺でも知らない裏があるかもしれないから。自分で探ってみるっていうのも一興だぞ?」
「そうだよな。色々アドバイス頼むよ四宮。」
「さっきも言ったが五葉は俺の女だからやらないからな?」
「だからお前ら双子だろうが!」
そんな話をしていると担任の先生が教室に入ってきた。
俺は橘と別れ自分の席へと着いた
「橘くんとどんな話してたの?」
五葉は先ほどの橘の様子が気になったのだろうか。俺に聞いてきた
「男同士の話しだ。五葉はあまり首を突っ込まない方がいいぞ」
「あ、そういう感じなのね」
何がそういう感じなのかはよくわからんが
「ま、そういう感じだ」
この五葉が橘に振り向くとはとても思えんな。そもそも男の気がほとんどない五葉だ。どんな男が好みなんだろうか
「なあ五葉、どんな男がタイプなんだ?」
「いきなりなんなのよ兄さん」
特に変わり映えもなく返ってきた
「んー。身長は別に高くなくて良いし。顔も別にイケメンじゃなくても良いし。うーんタイプってなんだろ?よくわからないな。」
なんともあやふやな答えだった。
「まあ、いきなりそんな事聞かれても答えようがないよな」
「誰かに私の好みでも聞かれてるの?」
「いや?俺が単純に気になったんだ。そういえば、五葉のそういう事ってあんまり知らないなと思ってな」
「そんな話、兄さんとした事ないもん。知らなくて当たり前」
「まあ、そうだな。逆に五葉は俺の好みとか知りたくないのか?」
「え?ちょっと気になるかも。胸は大きい方と小さい方どっちが好き?」
なんで胸の好みから聞いてくるんだ
「五葉の胸が好きだ。」
五葉は顔を赤くして、胸を俺から隠すようにした
「そ、それはどういう意味?」
「そのままだよ。五葉の腰周りも好きだし。足も好きだし。顔も好きだ。」
「も、もういいから。やめて兄さん」
五葉は真っ赤になってしまった。これが俺の生きがいかもしれない
「じゃ、私は裕也くん?」
後ろの席から肩をツンツンしながら唯花が俺に言う。
「唯花はセクハラ淫乱女子高生だ。以上」
「それはあまりにもまとめすぎだよ裕也くん。それに私、淫乱じゃないし」
「自覚がないのは良くないぞ唯花。けしからん娘だこの淫乱娘!」
「そんなに淫乱って連呼しないでくれる?それこそセクハラよ」
「唯花のセクハラには及ばない」
「別に裕也くんのセクハラだったら私全然耐えられるけどね」
「それはセクハラだよ鈴木唯花くん」
「え?なんで?」
こうやって社会にセクハラは生まれるんだろうな。自覚症状がないのがなんとも厄介だ。
「さっきからうるさいぞ。そこの3人トリオ」
担任の先生に怒られてしまった。
「ではゴールデンウィーク前最後の授業気を引き締めて受けてください!」
担任の先生は最後にそういい朝礼が終わった。
「五葉、1時間目の社会の資料。職員室まで取りに行くぞ。」
「え?」
五葉はなんの話?というような顔をしていた。
「聞いてなかったのか?朝礼」
「兄さんと話してたし。」
「俺は話しながらも聞いてた。まあいい。行くぞ五葉」
俺は五葉の手を握って職員室まで資料を取りに行った。
こういう五葉との何気ないひと時はなんとなく落ち着くな
「お?来たね四宮双子さん」
「はい、資料を取りに来ました。」
「にしてもお熱いねぇー。爆発してほしい」
俺はまだ五葉の手を握ったままだった。
「これは双子の兄妹愛ですよ。な?五葉」
俺は五葉を見て言う。が五葉の顔は。。うん毎度のごとく赤くなっている
「大丈夫か?五葉」
「うん、大丈夫だから。そろそろ手を。」
「わかった」
俺はすぐに五葉から手を離し佐藤先生から社会科の資料を受け取った
「じゃあ、また後で教室に行くから。」
「では先にこれを教室にお持ちしてます」
俺と五葉はそれぞれ資料の束を持って教室まで戻っていた。
「五葉。もしかしてさっき手繋いだの嫌だったか?」
「ううん、そんなことない。でも先生の目の前まで繋ぐのはさすがに恥ずかしいから」
「そうか、なら良かった。次はもっと気をつけるよ。すまなかったな」
「わかってくれてるなら。いいの」
「にしても髪の毛切ったの中々評判良いじゃないか。」
「うん、兄さんはどう?」
俺には昨日も聞いてたと思うのだが
「似合ってるよ。昨日も言っただろ?」
「兄さんには何度でも言って欲しいから」
「なら毎分ごとに言ってやろうか?」
「それは特別感が薄れるからNG」
「そんな事言葉にしなくたって俺はいつも五葉を可愛いと思ってるからな?」
「ありがとう。兄さん」
今度は顔を赤くせず。優しい微笑みで答えてくれた
こういう五葉が好きだな俺は
教室に着き俺と五葉は教壇に資料を置いて自分たちの席についた。
「あ、裕也くん」
唯花が俺を呼ぶ
「どうした唯花」
「さっき生徒会長が来て。今日生徒会会議するって言ってた。伝えておいてって」
「そうか。なんか久しぶりの生徒会な気がするな。」
「まあ、あの裕也くんの事件以来だからね。そろそろ落ち着いたでしょ?」
俺の事件って。。なんか含んだような言い方に聞こえるな
「まだ2週間と考えるべきか。もう2週間と考えるべきか難しいところだがな」
「入学たった2週間で腕撃ち抜かれるってとんでもない新入生だね」
「おかげで浴びたくもない注目を浴びるんだがな」
「やっぱり裕也くんってもってるよね?」
何をもってるというんだか。。
「まあ仕方ないさ。改革を起こすっていうのは名声を高めるのと一緒だからな」
「なのになんで注目は浴びたくないの?」
「それは単純に両性巫女だからなのと年齢がバレたくないからってだけだな。良い目立ち方をする事自体は嫌いじゃない」
「あ。歳ね、別にバラしてもいいんじゃないかな?」
「いや周りはまだ高校1年生という子供しかいないからな。そこに関して理解ができる人間が少ないだろ?」
「隠してても。このままじゃバレそうじゃない?」
「バレたくないって言うのは今だけの口実だよ。ちゃんと言うならバレるのが遅くなれば遅くなるほど良い。ぶっちゃけバレる事自体はどうでも良いんだ」
「ふーん、中々深くまで考えてるね。」
「こんな事深くもなんともないだろ。誰でも考えつく事だ」
「いやいや、深いよ充分。普通の15、6歳の高校生はそんな事まで考えてないよ」
そんなものなのか?俺にとってのあの4年間は空白ではないって事なのか?
そんな話をしていると始業時間を数分過ぎてから佐藤先生が教室に入ってきた。
「はーい、じゃあ授業はじめますね」
あっという間に今日一日の授業が終わり放課後となった
「五葉、唯花。生徒会に行くぞ」
「おっけー」
「うん!」
2人は元気良く返事をしてクラスメイトの夢弥や河合さんともあいさつを交わし生徒会室まで急いだ。
「ちょっと早かったか?」
「みたいね。廊下で待ってよ?」
唯花はそういって生徒会室前の廊下にあるベンチに座った
「あー!ごめーん!待たせちゃった?」
すると四葉姉さんが駆けつけてきた
「いや、ちょうど今来たところだよ」
「そっか、ちょっと終礼が長引いちゃってね。今日の会議はすぐに終わるから」
「ゴールデンウィーク前だしな。生徒会が怠けるといけないから呼んだってところか」
「そういうこと、あとはサッカー部の件ね」
「まだ何かあるのか」
「大した事じゃないから。安心して」
四葉姉さんは微笑みながら言った。どうやら本当に大した事ではないらしい
遅れて青葉先輩と福原副会長も生徒会室に来た。
「さて、今日の議題はまず。サッカー部の件についての報告から入ります」
姉さんがそういうと青葉先輩が立ち上がる
「サッカー部だけど。2年3年の部員は全員退学処分。新1年生で改めてと思っていたけど。まあ案の定人は1人も集まってない。5月いっぱい入部希望者が居ない場合は廃部にする事を教頭先生にも話を通したから。とりあえずこれでサッカー部の一件は落着だ。」
青葉先輩は最後に俺を見ながら言っていた。
俺が望んだ結果とは全く別のものとなってしまったな。過ぎた事は考えても仕方ないがこれは俺の一つの反省になりそうだ
「僕にとっても反省点だよ。四宮くん。」
青葉先輩は俺に向けて言っていた
「さすがに拳銃が出てくるなんて思わなかった。その上、四宮くんには大怪我をさせてしまった。本当にすまない」
青葉先輩は俺に頭を下げていた。
「頭を下げないでください。青葉先輩」
「これは先輩である。僕の責任だ。本当にすまない歳下である君を身体的に傷つけてしまった」
これは生徒会の皆には知ってもらった方が良いのか?
「姉さん。これは事実を生徒会には伝えた方が良いか?」
「うん、仕方がないよね」
姉さんの返事を聞いて俺は生徒会のみんなに俺の正体を明かす事を決意した
「青葉先輩。あなたはその理由で頭を下げる必要はありません。」
これは全校生徒に年齢がバレるのも早いだろうな
「俺は高校1年生ですが、実年齢は20歳です」
「どういう事だい?四宮くん?」
青葉先輩はさすがに混乱しているようだった。なので俺は順を追って青葉先輩と福原副会長に俺の過去を話した。
「歳下にしては異様な落ち着きがあると思っていましたが。実は歳上だったんですね?」
副会長もさすがに驚いていた
「でも、俺はここでは高校1年生です。2年生の3人とも俺の先輩である事には変わりませんので。これからもよろしくお願いします。」
「四宮くんがそうしたいのなら。」
「ええ、異論はありません。」
青葉先輩と福原副会長は快く聞いてくれた
「そっか妹さんと四宮くんは双子では無かったんだね。誕生日が一緒なのを知っていたから驚いたよ。」
「まあ正直、年齢がバレる事自体はどうだっていいんです。ですが周りはみんな高校1年生。この間まで中学生だった連中ですから余計な事実は知られたくないんですよ」
「そうだね。イジメられる原因の一つになりかねないよね20歳で高校入学なんて」
「俺自身がイジメられる事はまだ許せますが。今は隣に五葉がいますから、それを考えるとあまりバラすわけには行きませんよ」
「優しいんですね。四宮くん」
副会長はそう言ってくれる
「でもそれなら、なんで生年月日は偽造しなかったんだい?」
青葉先輩が聞いてくる
「学生証偽造ってなかなか無茶ではないですか?」
「それはそうだけど。なんなら生年月日を偽造した偽の学生証作ってあげようか?今持ってるのは校内用に持っておいて」
「して頂けるのなら助かりますが。先生が許可してくれるんですかね?」
「大丈夫よ」
するといきなり扉が開き数学の平沢先生が生徒会室に入りながら言った。
「あ、平沢先生。今日は来て頂けたんですね。」
青葉先輩は不思議そうな様子も見せずに平沢先生を歓迎する。というか平沢先生メガネを付けていないがどうしたのだろう?
「あ、1年生は初めてよね。平沢先生は生徒会の顧問なの」
四葉姉さんが目を点にしていた俺たち3人に説明をしてくれた。それにしたって生徒会の顧問ってこんな若い先生がやるものなのか?
「平沢先生、今日もお綺麗ですね惚れてしまいそうです。僭越ながら年齢をお聞きしてもよろしいですか?」
「え?にじゅ、、って女性に年齢聞くのはタブーなのよ?四宮裕也くん?」
若干顔を赤くしながら答える平沢先生。可愛いな。この反応を見ると24歳と言ったところか。もう少し掘り下げてみよう
「20代だったら恥ずかしがる事はないでしょう?俺だって20歳なんですし」
「29だったらどうするの?」
「29歳なんですか?」
「24歳よ!まだそんな年増じゃありません。」
全国の29歳の女性に謝った方がいい
「24歳でしたか。平沢先生」
俺は席を立ち平沢先生の目の前に立ち。先生の両手を握る
「惚れました。今からベッドかホテルに行きませんか?」
「目的が丸見え過ぎて怖いんだけど四宮裕也くん?」
「俺の事は下の名前で構いません。今から平沢先生の家のベッドに行きましょう。」
「そこは自分の家じゃないのね。」
「俺は居候してる身のようなものなので。そこは我慢してください」
「ちなみにベッドもホテルもNGだからね?四宮くん?」
「それでは仕方ありませんね。下のお名前だけでも教えて頂けますか?」
「私は平沢 宥 です。名札にあるでしょ?裕也くん?」
平沢先生は胸に付けた名札を俺に見せながら言った。
「ん?宥先生の胸。。。」
「え?」
平沢先生は焦った表情をした
「これは、パットですね?」
「い、いきなり何言い出すの?」
声が若干震えていた。これはビンゴだ
「宥先生の胸のカップサイズは推定Bカップ!2カップアップのパットを付けていますね?」
「なんで、外からパット付けてるのはわかるのに。名札の名前には気づいてくれないの!?」
平沢先生は胸を抑えながら喚き床に崩れ落ちてしまった。
「大丈夫です。先生」
俺は床で座る平沢先生の肩を抱く
「需要なら。この俺にあります!俺は胸の大小で女性を判断したりしません!」
「裕也くん、、」
涙を浮かべる平沢先生。よしここでもう一押しだ
「なので今からベッドに行きましょう。」
「裕也くん、あんまりやると私以上のセクハラだよ?」
唯花からの注意喚起が入った。まあいくらなんでもやり過ぎかな
「すみませんね。平沢先生少しばかりからかい過ぎました。」
俺は座り込んだ平沢先生の手を取って立ち上がらせた
「ありがと!別に気にしないわ。たまにはこういうのも一興よ」
「楽しんでもらえて何よりです。」
「でも、あんまり他の子にはやらない方が良いわよ?そういうの嫌いな子はたくさん居るからね。」
「そうですね。気をつけるようにします」
「で、私達なんの話してたっけ?」
生徒会長の四葉姉さんからその言葉が出た。俺は覚えているが
「学生証よ。裕也くんのダミーの学生証。」
どうやら平沢先生は覚えていたらしい。というか本当に下の名前で呼ばれるようになったのか?
「あ!そうでした。作れるんですか?」
姉さんは思い出したように言う
「別にあんなのただの紙っ切れよ?簡単に作れるわ。同級生と同じ生年にすれば良いんでしょ?明日作ってくるわよ。」
「助かります。平沢先生」
「あれ?もう宥先生は止めちゃうの?」
「えっと、そっちの方が良いですか?」
俺は恐る恐る聞いてみる
「全然、大丈夫よ!裕也くん!あっ!裕ちゃんでも良い?」
「それだと先生の名前と被りますよ?」
「良いじゃない。なんか恋人みたいで」
「先生は俺と恋人でも良いんですか?」
「全然良いわよ。あまり他の先生にはバレたくないけど。」
「それなら尚更、裕ちゃんは止めた方が良いのでは?」
なんかさっきと立場が逆になってきている気がするぞ
「じゃ、今日から恋人役ね!裕ちゃん」
「あの、」
「なあに?裕ちゃん?」
まずいな、、形成逆転された。
「なあ唯花。助けてくれ」
「あら、珍しいわね。今日は五葉じゃないの?」
何がいつも五葉なのか
「これは適材適所だ。対宥先生の武器は唯花。お前しかいない」
そう、ここは唯花の出番だ。
「しょうがないわね。」
唯花はそう言って俺の隣に来ると俺の腕を唯花の胸に押し付けた。
これは適材適所だったのか?
「先生。裕也くんは私の恋人なんです、横取りしないで下さい。」
ん?俺の聞き間違いか?俺と唯花が恋人同士だと?
「へっ、あなたみたいな胸だけデカイ。身体だけの女を裕ちゃんが選ぶわけないでしょ?」
宥先生のキャラが変わった。そんなに中身が黒い人なのか?あとやはり裕ちゃんは止めよう鳥肌が立ってくる。
「裕也くんは私を1人の女性として見てくれてるわ身体も含めて。もう私に夢中で仕方ないの。なんならここで皆に見てもらおうかしら?」
唯花は俺の学ランのホックを上から外し始めた。
唯花も寸前で止めるつもりではいるみたいだが。どう来る?宥先生
「それなら、私も混ざるわ!」
おい!教師!
宥先生も自分の着ているスーツのボタンを上から外し始めた
「ダメに決まってるでしょ?裕也くんは私でしか満足出来ないの!先生の出る幕はないわ」
「あの!さすがにそこまでにして!会議が全くと言っていいほど進んでません!」
止めに入ったのは青葉先輩だった。とりあえずは助かったな
そんなこんなで俺も解放されて生徒会会議も終わり下校する事になった。
姉さんはもう少し学校に残るという事なので五葉と2人で帰る事にした。
「にしても今日は一段と疲れたな。」
「あんなに騒ぐからだよ。唯花ちゃんまで巻き込んで」
呆れたように返してくる五葉
「やはり、あそこは五葉に頼むべきだったか?」
「あまり巻き込まないで貰えると助かるかな。兄さん」
まあ、いつも五葉に頼ってばかりだからな。たまには褒美をしてあげたい
「なあ、五葉ゴールデンウィーク空いてる日はあるのか?」
「えっと、たしか。。」
五葉はスケジュール帳と思しき手帳をカバンから出して確認していた。
「5日は休みだけど。」
「なら、たまには俺とデートでもしないか?」
「で、デート!?」
五葉は顔を赤くして答えた
「とは言っても一緒に出かけるだけだぞ?ダメか?」
「いや全然良いよ!行こ、デート」
どうやらOKのようだ
「五葉はどこか行きたい所とかあるか?」
「うーん、特別行きたい所とかはないかな」
「なら、俺が決めても良いか?」
「うん!兄さんの行きたい所ならきっと楽しいだろうし。むしろお願い!」
五葉は笑顔でそう言ってくれた
「そうか、考えとくよ」
五葉は本当に昔と変わらないな。昔も俺の後ろについて回ってきてたな
「お兄ちゃん!お兄ちゃん!」
「五葉、俺といて楽しいか?」
「うん!お兄ちゃんと行くところ全部楽しい!」
「それなら良いけど。」
そういえば、夢弥とも俺の取り合いでよく喧嘩してたっけ
「五葉、ズルい!お兄ちゃんは私のお兄ちゃんなの!」
「それはそうだけど。私もお兄ちゃんと遊びたいの!」
可愛かったな。今でも2人とも可愛いが。夢弥の方はちょっとだけ変わってしまったような気もする
俺たちは家に着いた。
「裕也、五葉おかえり。」
清花さんが出迎えてくれた。
「ただいまお母様」
「清花さん、ただいま」
清花さんは出かけるのかスーツ姿で決まっていた
「裕也、ちょうどいいから私の車で送ってくれない?」
「え?どっちの車ですか?」
「BNの方よ。あれは一応会社の車だから」
そうだったんですか、新車価格1000万超えの車は会社の車でしたか
そうして俺は清花さんを送りに車に乗り込んだ。
「今日はどこですか?」
「1軒目は横浜よ。そしたら一回帰るから。」
「って事は明日もあるんですか?」
「そうなのよ、裕也も付き合って貰えると助かるんだけど。」
「5日に休みを頂けるなら全然手伝いますよ」
「4日と5日は私も休みだから空くわよ」
「なら3日まで手伝いますよ。」
「って言ってもあなたはこうして私を送り届けてくれれば良いだけだけどね」
「尚更お安いご用ですよ。」
車で住宅街を抜け国道に出た
「にしても運転上手くなったじゃない。」
いきなり清花さんからお褒めの言葉をもらった
「まあ、結構練習しましたし。これでもまだまだと思いますが。」
「これなら私の車も任せて良さそうね」
「それはどう言う意味ですか?」
「たまに、私の赤い跳ね馬動かして貰えると助かるわ。エンジンかけなさすぎるのもよくなさそうだし」
「え?あれ乗って良いんですか?」
「たまによ?そうね。週に1回で良いから動かしておいて」
「まあ全然良いですけど。」
「あとこの車。好きに使って良いわよ?」
「え?こっちの車は会社の都合で結構動くんじゃ?」
「あ、もう一台私用の会社車で買ったからいいわよ。」
そんなポンポン若者に高級車乗らせるもんじゃないと思うがまあいいか
「わかりましたよ。まあ俺の車とことん乗り心地悪いですからね。早速5日に使わせて頂きます」
「そういえば5日はどこか行くの?」
「五葉と出かけます。いつも世話になってますし」
「なるほど、デートね?」
清花さんは含んだような言い方をする
「まあ、そうですね」
「良いわよ。もっと五葉と仲良くして頂戴」
「昔から仲良くしてますよ。」
「そういう事じゃないわよ。もっと先に進んでってこと」
「もっと意味がわかりませんね」
「相変わらず鈍感ね。」
そんな話をしながら車を走らせて横浜にある目的地に着き。清花さんの仕事が一つ終わった。
「待たせたわね。」
「いえいえ、このくらいなんて事ないですよ」
「明日からも頼むわよ?」
「ちなみにどこに行くんです?」
「明日は新潟、明後日は大阪、3日は名古屋。」
「とんでもない大移動ですね。」
「ホテルもとってあるから安心しなさい。」
「でなきゃそんな長距離自信がないですよ」
「あ!ちなみに私と同じ部屋だから!」
「別に良いですよ。清花さんだったら」
「なんかそれ腑に落ちないわね」
清花さんは一体なんの事を言っているのだろうか
そうして一度家に戻り。五葉と姉さんの作った夕飯を食べ
翌日
(第5話)朝早く清花さんと新潟の目的地に向かう事にした。
2日目はさらに遠い大阪。最終日に名古屋とかなりの長距離運転をして俺と清花さんは無事事故もなく夜中に家に帰った。(第5話)
すると清花さんが前に言っていたもう一台の会社の車がすでに家に置いてあった。
「清花さん、これ買ったんですか」
俺が見たのは誰でも知っている高級スポーツカーであるパルシェだ。もはや4ドアの車でもなくなっていた。
「跳ね馬よりはマシでしょ。いかにも社長って感じもするし」
「まあ、そうなんですけどね」
「お母様に兄さんもおかえりなさい。新しい車来たよ。」
五葉が俺と清花さんを出迎えてくれた。
「ただいま、五葉。アルバイトはどう?」
清花さんは五葉を若干心配していた
「楽しいよ!私頑張るから!」
俺は4日は体を休めながら学校から出ている宿題を片付けて1日が終わった
アルバイトから五葉が帰ってきた。
「五葉。おかえり」
「兄さん。ただいま」
「明日は車で出かけるからな」
「うん!わかった!」
「楽しみか?」
「うん!楽しみだよ!ちょっと私お風呂先に入るから。」
そう言って五葉は自分の部屋の方に行ってしまった。
翌日
俺はいつも通り起きて髪もセットして朝ごはんを食べていた。
五葉はまだ起きていないようだ。アルバイトで疲れているとも思ったのでしばらく起こさないでおこうと思った。まあ時間はまだある
「おはよう、弟くん」
姉さんが起きてきた
「おはよう姉さん。姉さんはどこか出かけないのか?」
「今日は静華と立川に行くわよ。」
「以外と近場なんだな」
「渋谷とか新宿ってちょっと怖いじゃない?」
「どうだろうな?俺も数回程度しか行ったことがないからな。」
「それは私だって数回程度だったら行ったことあるわよ。」
「案外、東京に住んでるとそういう所って行かないものだよな。例外も居るんだろうけど。」
姉さんと世間話をしながら朝ごはんも食べ終わり。俺は五葉の部屋に行く事にした。
「五葉、起きてるか?」
俺はそう言いながら五葉の部屋の扉を開けると。そこには楽園が広がっていた
「に、兄さん!?」
五葉は顔を真っ赤にして答える。。。そう五葉は絶賛生着替え中だったのだ
「おっとこれはこれは、しばらく見ない間に大きくなったな五葉。魅力的だ」
「この前も一緒にお風呂入ったでしょ!?女性化中だったけど、、、今の兄さんは男の人なんだから、すぐに出てって!」
女性化中の視界の記憶はほとんどできないんだから覚えてない。
というわけですぐに五葉の部屋の扉を閉めた。
「兄さん、入っていいよ?」
部屋の外で待っていると五葉からのOKが出たので。部屋に入る
「どうかな?」
部屋に入ると着替えた五葉がそこにはいた
「よく似合ってるぞ五葉。」
「ありがと。兄さん」
にしても五葉は大人っぽくなったな。つい最近まで小学生と思っていたが
それもそうか。俺が中学卒業した時はまだ五葉は小学5年生だったんだからな
「五葉、朝ごはんはどうする?」
「良いよ。もう10時だし早く出かけよ?」
「なら出るか」
五葉がそういうので早速出かける事にした。
俺は清花さんのBNWの方の鍵を開けた
「あれ?こっちの車で行くの?兄さん」
「俺の車が良かったか?」
「いや、車は別にどっちでも良いよ」
「なら今日はこの車で行こうか」
「うん!」
五葉はそう言って車に乗り込んだ。
俺は車を走らせた
「で、どこ行くか決めた?兄さん」
「決めたよ。というかデート決めた時点で決めてたからな」
「そうだったの?どこ?」
「着いてのお楽しみだ。きっと楽しいと思うぞ」
「兄さんの決めた所だったら全然良いよ!」
「にしても清花さんの新しい車。五葉はどう思う?」
「そういえばあれもスポーツカーなの?」
「ああ、1000万以上するはずだ。俺の憧れの一台でもあるしな」
「お母様ってあまり車の話しないのにスポーツカーよく買ってるよね。」
「ちなみに目立たないが今乗ってるこのBNもスポーツモデルだぞ?」
「え?そうなの?」
「試しにこの前高速道路で加速させたけど。エゲツない速さだったよ」
「へぇー、スポーツカーって見た目じゃないんだね」
「まあ、俺は個人的にこの車の格好好きだけどな。いかにも金持ちって感じもするし見栄を張るにはピッタリだ」
「兄さんって見栄張るの好きだったりするの?」
なんだその質問は
「まあ、ある程度の見栄は精神を保つのには必要だと思ってる。が、張りすぎは禁物だ自分を失いかねないからな」
そんな話をしながら俺は車を走らせた
「にしても道結構混んでるね。」
五葉がため息混じりに言う
「最終日とは言えゴールデンウィークだからな」
「そういえば、兄さん宿題終わってる?」
「ああ、昨日1日かけて終わらせたよ。五葉は?」
「バイト終わりにやってたから終わってるよ。」
渋滞に捕まりながらも途中で休憩もして車を走らせた。
「あれ?ここって大山家の神社じゃない?」
ふと五葉は通り沿いを指差して言った。
「ああ、そうだな。小山俊の実家の系列の神社だな。」
「そっか、俊さんって山付いてたね。」
「まあ、俊はその中でも小山だから下の人間だろ」
「四宮家も若干似たようなものだけどね。一宮と二宮がいるから」
「今や、三宮よりも大きいからな四宮家は」
「そこはお母様の努力の結果かもね」
なんとか渋滞も抜け俺たちは目的地の近くまで来ていた。
「そろそろ着くぞ?五葉」
「結構、時間かかったね」
「まあ、あの渋滞じゃ仕方ないだろ16号が完全に止まってたし」
俺の目的地であるところに着いた。その近くにあるコインパーキングに車を止めた。
「潮の匂い。ここって近くに海あるの?」
五葉は聞いてきた
「ああ、そこに高い壁があるだろ?そこをくぐり抜けたら海が見えるぞ?」
「もしかして目的地って海?」
「ああ、そうだよ」
「海開きってまだだよね?」
「そうだよ、でもな海を見るのって結構落ち着くんだぞ?」
そして俺たちは海に隣接してる公園を抜けて海辺の砂浜まで来た。
俺たち意外にもカップルらしき男女が数組いた
「こんな時期にも来る人居るんだね。」
「どうだ?五葉。」
「うん!来れて良かったよ!兄さん!」
五葉は満面の笑みで俺に答えてくれた。
「五葉。」
「どうしたの?兄さん」
「埋め合わせというか。返却というか。とにかく俺は五葉とここでしたい事があるんだ。」
「なに?言ってよ兄さん」
俺は五葉に近づく
「目を瞑ってくれないか?」
「うん。」
五葉は目を瞑った。
俺は五葉に顔を近づけて。唇を合わせる。
「んん、パッ兄さ、んぅ」
俺は一度離れそうになった五葉を抱きしめて何度も口付けをする。
ただ五葉を俺だけのものにするかのように強引なキスをした。
「んパァ!兄さん!?どうしたの?」
唇は離れたが俺はまだ五葉を離さなかった。
五葉は心配そうに俺に言ってくる
「前に五葉からキスされたから。それのお返しだ。あとは俺が五葉とキスをしたかった」
俺は五葉を抱きしめていた手を離した
「そんな、私からのキスを貸しだと思ってたの?」
「違うよ。五葉が可愛い。ただそれだけでキスをした。」
「そっか。でも兄さんは私を可愛いとまでしか言ってはくれないんだね。」
「どう言う事だ?」
「気づいてくれないんだね。でも良いよ、そういう兄さんが私は好きだし。うん、わかってるから」
なんだろう、俺は五葉に失礼な事をしたように感じた。だがそれがなんなのかがわからない。
「悪い。五葉、俺は無責任な言葉は言えない。だから今は」
「わかってるって言ったでしょ?兄さん?私は大丈夫だから」
また俺は五葉にキスをしたい衝動に駆られた。
「五葉。」
「うん。」
もう一度俺たちはキスをした。今度は短い口付けだった。
「今はこれで充分私は幸せだから。」
「五葉、、、」
五葉はずっとそうだ。俺の言葉を待ってるのにそれを言わせようとはしない。
「はい!終了!兄さんもそろそろタバコ吸いたいでしょ?」
「あ、ああ」
「私はまだ待ってるから。というか兄さんしか待ってないから兄さんはゆっくりで良いんだよ?」
俺はタバコに火を点けて海を見た。良い眺めだな。
4話「五葉」ー完ー
最後まで読んで頂いてありがとうございます!小林歌子です!
今回は1話以上に長かったような気がしたのですが文字数を観ると全然短かったです!テヘペロ☆
ではでは今回のキャラクター紹介ですが今回のサブタイトルでもある。「四宮 五葉」(しのみや いつは)ちゃんを紹介したいと思います!
本作ではめちゃくちゃ可愛い五葉ちゃんですが気になっている方も多いはず!
身長は155cm体重は毎度のごとく女の子なのでヒミツです♫髪の毛は若干茶色を含んだ銀髪をイメージしています!今回から髪が短くなりました!とは言ってもセミロングほどの長さですが。。。
スリーサイズは上から79/52/80 ♫
なんで体重は秘密なのにスリーサイズは書くかって?それは皆さんがキャラクターをイメージしやすいようにしてるんですよ!
話が逸れましたが。五葉ちゃんの性格は読んでいてわかるように素直な女の子です!ある作品の義妹とは違くツンデレではありませんね!この先の五葉ちゃんの運命も皆さんは気になるのではないでしょうか?楽しみに読んでいて下さい!
次回は少しだけ時間を巻き戻そうと思っています!本当に少しだけですよ?
それではこの辺で!次回も読んで頂けると嬉しいです!