表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
両性巫女の高校生活  作者: 小林歌子
2/8

第2話「生徒会役員」

こんばんわ!小林歌子です!

ようやく1話「入学」の続きの2話が出来ました!まだまだ小説書きに不慣れな点も多いので暖かい目で見ていただけると幸いです!

両性巫女の高校生活

2話「生徒会役員」

入学式から一週間が経った。皆クラスにも慣れ始め初々しさが消え去りつつある

今は午後2時間のホームルームの時間だった。

「では今回の議題ですがクラスの役割分担と生徒会役員の立候補者を出したいと思います。」

今日はどうやらそれぞれの役割分担を決めるらしい。生徒会か、姉さんは生徒会長なんだよな。

「ねえ兄さん。生徒会立候補する?」

前の席の五葉が俺に聞いてきた。

「丁度、俺も考えてた所だ。やっぱりやった方が良いか?」

「1年生は書記と庶務と書記補佐の3人だって」

なんだ書記補佐って必要なのか?その役職、庶務すらも何してんのかわからん役職だぞ

「立候補してみるか?五葉」

俺も五葉がやるならやろうかな。姉さんもいる事だし

「兄さんがやるなら私もやりたいかな?」

なんだよ、選択権は俺かよ

と話していると後ろから肩をツンツンされた。なんだセクハラか?

「なんだ?唯花。セクハラで訴えられるぞ」

「女の子に向かってそれいう?普通」

全く女性っていうのは何かとセクハラと訴えるのに立場が逆になるとこれだからいかん。まあ唯花ならいいけど

「冗談だ。で?何か用か?俺は今愛しの妹と話している」

「あんたシスコンなんでしょ?そうなんでしょ?」

「冗談だ。さっさと要件を言え。」

「忘れるとこだったわ。生徒会立候補する?」

まあそんなとこだろうとは思ってた。

「ああ、五葉も立候補するみたいだし俺もやってみるかな。」

「じゃあ、私も立候補するわ!」

やっぱりな何かと俺と五葉と同じ事をしたがる奴だ。

「まあどうせだから一緒にやるか。」

すると先生が補足を言い始めた。

「ちなみに生徒会ですが他のクラスに立候補者が居ないのでA組の中で決めますので」

ほう、という事はここで3人決まったらそれで決まりなのか

すると唯花が席を立ち響き渡る声で言った。

「四宮双子と私で生徒会やりまーす!」

周りから歓声が上がった。なんで歓声が上がるんだ?皆そんなにやりたくないのか?

「私が庶務で裕也くんが書記で五葉ちゃんは書記補佐ね。」

役割まで1人で決めやがった。これはパワハラかな?

「それで良いのかい?四宮双子さん?」

担任の先生が俺たちに聞いてくる。まあ役職はどれでも良いだろう

「はい、構いません。」

こうして、俺たち3人は生徒会をやる事が呆気なく決まった。

「ではでは、生徒会は決まったのでクラスから出る各委員会ですね」

あ、ホームルーム自体はまだまだ長そうだな

「クラス委員長は誰かやりたい人は居ませんか?」

先生が全体に聞こえるように言っていた。

「あ、生徒会の3人はクラス委員長はできませんからね。」

それはそうだろ。重要な役職を兼任するのは無責任になる可能性が高いからな

すると1人の女子生徒が手を上げた。銀髪の女子だった。

「はい、私がやりましょう」

「では、河合さん以外は居ませんか?」

どうやら他には手は上がっていない。決まりそうだな

「ん?」

一瞬、河合さんからの視線を感じた。生徒会でもやりたかったのか?

それともやはり「大川家」からの手の者なのか?どちらにしても要注意なのには変わりない人物だ。河合(かわい) 乙女(おとめ)名前はもう覚えた。

銀髪のショートヘアそして鋭い目つき。特徴もバッチシだ。

「兄さん?」

「どうした、五葉」

「いや、兄さん気づいてるかなってあの人。」

そう言って五葉は河合さんの方を見てまた俺の方を見た。

「ああ、気づいてるよ川の字が入った銀髪。大川家の手下かもしれない 。五葉はいつから気づいてる?」

「入学式の日から見てる」

さすが俺のそばに居るのが仕事なだけはあるな。褒美にキスでもしてやりたい気分だ。おっとそれは俺の褒美になってしまうないかんいかん。

「兄さんなに考えてるの?」

「ん?五葉の唇は何味かなって」

そう俺が答えると五葉の顔は真っ赤になってしまった。これは大惨事だ

「いきなり何言ってるのよ兄さん!」

「だから、そういう反応が可愛いから。こういう事言いたくなるんだろ?五葉が悪いぞ俺は全く悪くない」

「明らかに裕也くんが悪いでしょ」

後ろから唯花が茶々を入れてきた。

「なんだ?唯花俺は今愛しの妹に愛の告白をしている。邪魔をするな」

まあ冗談なのだがそれは心に留めておこう

「そんなに五葉ちゃんの方が好きなの?」

唯花の様子が先ほどとは違かった。表情も暗くなっていた

「なんだよ、冗談なのわかってるだろ。そんな顔するなよ」

「だってさ。そこまで私を女の子として見てもらえないと自信なくすっていうか」

ん?ちょっとおかしいな探りを入れてみるか

「そんな事はない。唯花も充分過ぎる程魅力のある女性だ。」

俺は唯花の頰に手を当てる。すると唯花は顔を赤くした

「も、もう!冗談に決まってるじゃない!なにマジになってんの?」

「やはりな。俺の勝ちだな」

「え?」

「間違いなく俺をからかっていると思ったからちょっと手を出してみたんだ」

「やられたわ。。」

唯花は髪を何度も撫でながら言う。顔もまだ赤くなったままだ。

「兄さんそんなだから天然プレイボーイとか言われるんだよ。側から見たら又数の多い人にしか見えないよ。」

五葉からも茶々が入った。まあ全て冗談半分でやっているのだが

「まあさすがに一週間も一緒に居たら慣れてくるもんよね。」

そんな事には慣れなくていいぞ唯花。俺にとってこれはギャグだ芸の一種だ

「ではこれからも数多の女性に手をかけるとしようか。うん」

「そんなことして双子の妹の私に迷惑かけないでよね。」

「何を言う妹よ。俺は五葉、お前一筋だ。」

「妹一筋って強調されてもねえ。。。」

そんな緊張感にのない話をしているとクラスから出る各委員会のメンバーは決まったようだった。

次はクラス内でやる役割のようだ。とは言うもののクラス内の係りは特に面白そうな係もないので俺はパスしようと思った

「兄さん、社会科係りやらない?」

「何でだ?」

パスしようとしていた俺に五葉が提案をしてきた。

「社会の先生、うちのクラスは佐藤先生らしいよ?」

「あのヤニ中教師か」

「ヤニ中教師って。。兄さんもヤニ中高校生でしょ」

まああの先生には何かと縁がありそうだしな

「やってみるか?五葉」

「うん、社会科係りは2人みたいだし」

今度は唯花は何も言ってこなかった。2人だけの係りだから諦めたのだろうか?それとも普通にやりたくなかったとか?はたまた佐藤先生が嫌いとか?人の選り好みがあるような奴には見えんが

そんなこんなで他のクラスメイトも各係りを相談しながら決めて全ての係りに名前が埋まった。高校生の定番イベントだな

「では各係りも決まったので。終礼を始めましょう。」

「では今日の日直は河合さん号令お願いします。」

「はい、」

銀髪の河合さんが席を立った。

「起立、礼、着席」

なんとなく俺は河合さんの事を見ていた。うん、絡んだら普通に怖そうな顔だな。

そんなこんなで終礼も終わった。

「あっ最後に生徒会の3人は今日生徒会に出席してください」

最後に担任の先生が大きな声で俺たちに向かって言っていた。

「早速、生徒会出席だって」

唯花が俺に言った。

「ああ、行くか。」

俺たち3人は一緒に五葉の案内で生徒会室まで行った。すると生徒会室の前の廊下で四葉姉さんを含めた3人の先輩が待っていた

「あれ?五葉ちゃんに弟くん?どうしたの?もしかして生徒会になった?」

俺たちに気づいた四葉姉さんは嬉しそうに言った。

「ああ、俺たち3人が1年の生徒会だ。」

「そっか。よろしくね!五葉ちゃん裕也くん!それと、、」

そういえば四葉姉さんは唯花と会うのは初めてだった

「あ、私2人と同じクラスで生徒会庶務になりました!鈴木唯花って言います!よろしくお願いしますね、生徒会長。」

「鈴木さんね。よろしく生徒会長で2人の姉の四宮四葉です。」

2人が自己紹介が終わると後ろから先輩2人も近づいてきた。

1人は銀髪の男だった。両性巫女か?

「やあ、四宮くん僕は会計の青葉樹(あおば いつき)残念ながら僕は両性巫女じゃないよ?」

「ああ、そうですかてっきり銀髪なので両性巫女だと思いました。なんで銀髪なんですか?」

苗字に葉が入っているのに両性巫女ではないのか。珍しいな両性巫女自体も珍しいが

「いや小学生の頃巫女の娘に手を出したらそれ以来銀髪になっちゃってね。」

なんていう理由なんだ不敏な男だな

「なるほどヤリ○ンって事ですね理解しました」

「その解釈はやめてほしいかな。」

「ほら、五葉に唯花よ俺よりも又数の多い男がまさか生徒会にいたぞ」

「あの四宮くん?」

青葉先輩はすごく焦った表情をしていた。面白い人だなからかいがいのある。

「大丈夫よこれが裕也くんの来年の姿よ。」

唯花は普通に返してきた

「おいおいこんなチャランポランそうなのと一緒にするなよ」

青葉先輩を指差して俺は抗議する。

「チャランポランは酷いわよ弟くん。事実だけど」

「チャランポランは先輩に向かって言っちゃダメよ。事実だけど」

「チャランポランは兄さん酷いよ。事実だけど」

姉さん、唯花、五葉が続けて答えた。事実って五葉と唯花は初対面だろうに

「うちの書記はチャランポランですけど計算させたら右に出るのは居ないですよ。チャランポランですけど。」

もう1人の先輩が話しに入ってきた。って事はこの人が副会長か。黒髪の長い髪の毛をストレートにしている。一言に綺麗な女性だ。

「申し遅れました。生徒会副会長の福原静華(ふくはら しずか)です。四宮くんの事は四葉からよく聞いてます。よろしくお願いしますね。」

「こちらこそよろしくお願いします。副会長、書記になった四宮裕也です。その髪お綺麗ですね。手入れが行き渡っていそうだ」

「いえ、これは生まれつきでして特に特別な手入れなんてしていませんよ」

「だとしても、お綺麗です。」

「ありがとうございます。四宮くん」

「出た出た、天然プレイボーイの裕也くん」

俺と福原先輩の間にまたもや茶々を入れたのは。毎度のごとく唯花だ。

「だから、これは違うだろ唯花。」

明らかに説得力にかけるセリフだと自分でも思うセリフだな

「良いですよ四宮くん?私、好きですよあなたのこと」

周りの空気が凍りついた。今のそんな驚くほどのセリフだったか?別に異性として好きというセリフには聞こえなかったんだが

「あ、ごめんなさい、人として人間性の意味ですよ?」

やはりな何も驚くセリフではない

「なんだ。びっくりするじゃない静華ちゃん」

四葉姉さんが言う

「本当にびっくりしましたよ先輩。。」

次に唯花が言った。この子達は鈍感ってやつかな?

「俺は別に変な捉え方はしてないぞ?姉さんそれに唯花。最初から福原先輩のさっき言ってた意味で捉えたぞ」

「裕也くん気づいて言ってるでしょ?」

唯花が俺に返してくる

「何に気づいてるって言うんだ?福原先輩が俺を純粋に人として好きって事か?」

「ほんっと裕也くん鈍感。」

それはお前だろ唯花

「さて、自己紹介も終わった事だし。生徒会の話をしましょうか。」

そんな空気からシャットをかけたのは生徒会長の姉さんだ。さすが生徒会長の役職は伊達ではないんだな

俺たち生徒会6人は生徒会室に入った。中に入ると長いテーブルが四角状に設置されテーブルの上には役割名の書かれた札が置いてあった。上座に生徒会長ドアから見て左側が副会長と会計右側が1年3人の役職だ

「さて、では今年度第一回生徒会会議を始めます。」

四葉姉さんの言葉で会議が始まった。これはなかなか生徒会らしい雰囲気だ

「福原副会長。議題をお願いします。」

「はい」

福原先輩は返事をして立ちがると手元の紙を俺たち1年生の3人に配ったどうやら2年生3人は持っているようだ。

「今日はまず新入生生徒会役員に生徒会の大まかな仕事、目的を伝え次に風紀委員会との合同警備である新入生歓迎祭の役割や内容を伝えます、次に次回の生徒会活動を伝えます。今日の会議内容は以上です。」

「すみません。新入生歓迎祭とは結局どんな催し物なんですか?」

俺は質問をした。どんな行事なのかを知らないと警備のしようにもどこに注意を払えば良いのか確実に理解するためだ。

「その質問には僕が答えよう」

青葉先輩が立ち上がり発言すると福原先輩は静かに座った。なるほど発言の際は立ち上がるのか

「メインで活動するのは部活動の部員で新入部員獲得の為に各部活色んな催し物を出してくる。だがたまにテンションがエスカレートして暴走する部活も中にはあるんだ。運動部が特には多いかな。それを未然に防ぐのが生徒会と風紀委員会のその日の仕事だ。これが第1の目的。そして君たちや新入生の風紀委員の子たちにどんな仕事なのかを身体で教え込むっていうのが第2の目的かな。まあ入学して初めてのおつかいならぬ初めての大仕事だよ。」

なるほどいわゆる部活説明会を祭りという催し物にしたのかそんな事をしたら混乱が起こるっていうのは普通に考えてわからない物なのだろうか?それとも別の理由か?

「はい」

俺は手を上げて立ち上がった

「ようは、部活説明会なんですよね?それなら祭りという方式を取らず。講堂を使って各部活の活動内容を説明する会にすれば良いのでは無いでしょうか?であれば風紀委員も生徒会も警備という仕事が省けるはずです」

俺は意見を言い終え席に座った

すると姉さんが立ち上がった

「それに関しては去年私が個人で先生方に掛け合って意見を出したんだけど。これは学校の恒例行事だからとか、新入生への試練だとか言われて聞いてもらえなかったわ」

案外下らない理由らしいな。ならば今年で改革を起こしても問題はないだろう。俺は手を上げて立ち上がった。

「生徒会長は去年個人で1人で意見を出しに言ったと言いましたね?」

「うん、そうよ」

「では今年は全校生徒で意見を出しましょう。」

「どう言う事裕也くん?」

四葉姉さんが驚きながら返す

「生徒総会です。去年を経験した2年生と3年生ならわかると思いますが明らかに混乱を生ませる為の行事はおかしいでしょ?青葉先輩、去年の新入生歓迎祭ではケガ人は出ていないんですか?」

「いや、少人数ではあるけど居る。記録も過去5年間残っている。」

「その記録にケガ人の名前は書いてありますか?」

「書いてある」

「俺に見せてもらっても良いですか?」

「わかった。今出すよ去年のだけで良いかな?」

「いえ、過去5年間全て下さい」

「5年間全て!?」

そして青葉先輩は過去5年間の新入生歓迎祭のケガ人表を俺に渡した。

青葉先輩は少人数とは言っていたが毎年のように30人前後2年前に至っては50人を超えていた。

「青葉先輩、50人って少人数何ですか?」

「ああ、2年前のあれか。僕は中3だったけど良く知ってる。高校野球部と高校サッカー部が喧嘩を起こしたんだ。それで周りを巻き込んで結果みんなほぼ軽傷だけどケガ人が56人出てしまった。」

何とも幼稚な連中なようだ。どっちが話が出来そうだろうか

「先輩、野球部とサッカー部の実績って記録とかしていませんか?」

「探せばあるとは思うけどそんなの出すまでもないよ。サッカー部は万年弱小公式戦には必ず1回戦で負けてくる。それに対して野球部は全国大会にこそ出た事は無いもののそれなりに頑張ってるみたいで毎日夜遅くまで練習をしている部活で有名だよ」

なるほど、どっちが喧嘩の発端なのかがそれだけ聞けばなんとなく予想がつく

「明日は生徒会の活動はしてはダメですか?」

俺がそういうと生徒会長の姉さんが言った

「大丈夫だけど。弟くん、どうするつもりなの?」

「風紀委員の顧問の先生と風紀委員の2年生そして生徒会の我々で野球部と連続2年間新入生歓迎祭でケガをしてるこの6名に話をします。」

「サッカー部の方は良いのか?」

青葉先輩が聞いてくる

「サッカー部は良いです。おそらく話にならないでしょう。だったらそこの時間は省きます。野球部の方が人の話を聞きそうだ。うちの学校に至っては」

「ちなみに、結局どうしたいんだい?四宮くん」

青葉先輩が真面目な顔で聞いてくる

「この行事を排除する。それだけです」

「そこまでトントン拍子に進むような事だったら。すでにこの行事は無いものなんじゃないかな?」

「それはそうでしょうね。まあ最悪サッカー部廃部にでも追い込みますか?」

「なにもそこまでしなくても。。」

「まあ何かしらどっちかに負の感情があるのは確かでしょう。それさえ解決できれば」

次の日の放課後になり俺は青葉先輩と先に2年連続でケガをしていた6人に新入生歓迎祭について聞いて廻っていた

「あれは単純にサッカー部の連中の気が短いだけだよ」

「っていうかサッカー部の奴らって部活ちゃんとやってんの?良い噂聞かないんだけど」

6人とも同じような事しか言っていなかった。

「四宮くん、これ解決できるの?」

青葉先輩はいかにも無茶だという風に言った。

「まあ、化けの皮さえ剥がれれば力量差という圧力でサッカー部を抑えられそうですかね。」

「どういう事だい?」

「最悪、自分は全校生徒に正体を明かすしか無いかも知れないですね。」

「両性巫女っていう事を明かして何か変わるのかい?」

「どうでしょうね。さあ、野球部の所に行きましょう。」

姉さん達と風紀委員会はまだ来れないそうなので青葉先輩と2人で野球部に行く事にした。

部室棟に行くと野球部が集まっていた。生徒会から話がある事を事前に顧問の先生に伝えて貰っていたからだ

「あ、きたきた。生徒会の男2人だ」

「お待たせしてすみません」

青葉先輩が謝っていた。

「で?何ですか?話って練習早く再開したいんですけど」

「えっとね。新入生歓迎祭についてなんだけど」

「あー、サッカー部との?あれはあっちから一方的に喧嘩売ってきてるんだ。」

「それだけじゃ、解決できない。野球部自身はどうしたい?」

「どうしたいって言われてもな。俺たちは本気で全国を目指して毎日練習に励んでる中で同じグラウンドにあんなチャラけた奴らがいるのが。少しムカつくんだ。1番して欲しい事って言ったらサッカー部がもう少し真面目になってくれれば目に留まらないし気にする必要もなくなるよ。」

なるほどな。今までの話を聞くとサッカー部の連中は相当目に余るみたいだな。

「おい、てめえらなんの話してんだ?」

後ろからドスの効いた男の声が聞こえた。振り向くとそこにはサッカー部と思しき男が10人程度いた。

「おい、野球部おめえら練習しねえのか?全国大会はどうしたんだよ?」

ケラケラと笑いながら挑発するように言ってくる。何とも小物に似合う風貌だ

「おいコラ、青葉のメガネ野郎。なんで野球部と一緒に居るんだ?」

青葉先輩は若干震えていた

「新入生歓迎祭の事だよ。話を聞く限り君たちサッカー部の行動が目に余る」

これは俺の仕事だな。

「話に割り込ませてもらうぞ、まずお前。」

先頭に立っていたサッカー部員に俺は人差し指を立てた

「なぜ金髪に染めている。校則では禁止のはずだ」

「あ?1年坊主が舐めた口聞いてんじゃねえよ?そういうお前も男のくせに銀髪じゃねえか。青葉もだてめえ!。」

「俺と青葉先輩は地毛だ。そんな事より質問に答えろ。なぜルールという物を守らない?」

「ガキのてめえには関係ねえだろ」

ガキって一応秘密だが俺の方が歳上だ

「そんな簡単な質問にも答えられない猿頭にガキ呼ばわりされたくはない」

「んだと?殺されてえのか?」

その瞬間そのサッカー部員は近くにある部室棟の下駄箱から鉄棒を取り俺の目の前まで来た

「おいこら、クソガキもういっぺん言ってみろや。」

「弱い犬ほどよく吠えるっていうのはこういう事を言うんだな。まさに猿頭ならぬ犬頭だな。犬にも猿にも失礼なくらいだ。」

「殺してやるよ。クソガキ!」

男は俺に向かって鉄棒を振り下ろした。

その瞬間、男は鉄棒と一緒に背後に仰け反った。

「あん?なにが起きてる?」

男は俺の手が光っているのを見て驚いた表情を見せた。

「何だよ、その手は。お前巫女なのか?なんで男の格好してるんだ?」

ふん、別に珍しくも無いが。両性巫女の存在を知らない奴見つけたよ

「お前の猿頭に1つ知識をやろう。。俺は両性巫女だ」

「おめえら!数でボコせば怖くねえやっちまえ!」

男がそういうとサッカー部員の他の連中が俺に襲いかかってきた

俺は一旦。男の鉄棒にかけた魔法を解除して他の連中の鉄棒を魔法で宙に浮かせた

バンッ!銃声のような音が聞こえた瞬間。俺は左腕を抑えていた

「四宮くん!」

青葉先輩が心配そうに近づいてきた!」

「おい!サッカー部!さすがにそれはダメだろ!なんで拳銃なんか持ってるんだ!」

野球部の部長が言い放った

するとサッカー部の銃を撃った男が情けない声で言った

「あ、あ、あ、まさか当たるなんて思わなかったんだ」

「そんな事で済むような問題じゃないだろ!四宮くん?大丈夫か?」

「痛え、、、青葉先輩、、ちょっとコイツら懲らしめても良いですか?」

俺は血の流れる左腕を抑えながら立った。

「おい、四宮くんやめておけ。すぐに救急車を呼ぶ」

「お、おいお前ら逃げるぞ」

サッカー部の連中は逃げようとしていた。

「逃げるなよ!みんなサッカー部を捕まえろ!」

野球部の部員達がサッカー部を捕まえようとしたその時野球部の逆側から何人かの生徒と先生が駆けつけた

「おい!なんだ、今の音は!ってお前、、なんてもの持ってるんだ!って事は。」

「兄さん!」

「弟くん!」

「裕也くん!」

四葉姉さん、五葉、唯花が腕を抑える俺に近づいてきた。

「おい!救急車だ!」

駆けつけた先生が大声で言っていた。

「兄さん!血が!」

「だ、大丈夫さ。。」

段々意識が遠のいて来た。でもこの感覚は。。

俺の全身が光を放った。なんでこんな時に!?それにこれは女性化の感覚じゃない

俺の身体は女性化を経由してその先の第3形態である巫女化をした。女性化に巫女服を着せた状態だ。

それでも意識は段々と遠のいていった。

「ごめんみんな、ちょっと眠いから。。」

「四宮くん!」

「兄さん!」

ーーーーーーーーー

「実の息子にそれってどうなのよ!」

「勝手にわたしから奪いとったのはあなたでしょ?」

「それとこれとは話が全く別物だわ!」

「まあとにかく、この子はそう簡単には死なないわよ。なんせあれだけの魔力を貯蓄させたんだから」

誰と誰なんだ?1人は清花さんだけどもう1人は、、、あまり思い出したくない人のような気がする、まだ眠いな。。

ーーーーーーーーー

「では、行ってきます。お母様」

「うん、無理はしないのよ?早退しても良いからね?」

「はい。」

兄さんが倒れて2日が経った。未だに兄さんは巫女化からも戻らず1度も目を覚ましていない。

兄さんのお母さんが死にはしないと言っていたけど

「おはよう、五葉ちゃん。」

「あ、唯花ちゃん。」

「まだ起きない?」

「うん、、」

「そっか、」

唯花ちゃんにまで心配をかけちゃってる

「大丈夫だよ唯花ちゃん!兄さんは死なないって。お医者さんも言ってたし明日にはケロッとしてるよ!」

「五葉ちゃん、、、無理しないでよ」

ピロロロロ♪

私の携帯が鳴っていた。マナーモードにするの忘れてた

誰からだろう?お母様?

「はい、お母様」

「五葉!裕也が男の姿に戻ったわ!まだ寝てはいるけど」

「わかった!すぐ行く!」

ピッ!

「ごめん唯花ちゃん。私今日は帰るね」

「え?来たばかりじゃない」

「ごめん急用。先生には言っておいて」

私は唯花ちゃんの返事も待たず一目散に教室を出て履き替え校舎も全速力で出た。

いいや、飛行魔法の方が早いから飛んで帰ろう魔力なんて気にしない

「あの!」

飛ぼうとすると私は誰かに呼び止められた

「はい?」

振り向くとそこには兄さんを銃で撃ったサッカー部員がいた

「なんですか?私急いでるんです。」

「あの四宮くんの家に案内して貰えませんか?」

何を言ってるのこの人。また兄さんに何かするつもりではなさそうな感じだけど

「なんでですか?」

「四宮くんに直接謝りたいのと。報告しなくちゃいけません」

こんな時兄さんならどうするのか私は考えた。

私はメモ帳を取った。

「ならこの駅に着いたらこの番号に電話して下さい。私は先に行きます」

「すみません。ありがとうございます」

私は返事はせずそのまま飛んで家まで帰った

「お母様!ただいま!兄さんは!?」

「まだ寝てるから静かに見てあげなさい」

「うん、そうする。あとお母様」

「あとで家に電話来るから。来たら駅まで迎えに行って貰っても良いかな?」

「わかったわ。部下に行かせるわ」

私は兄さんの寝ている部屋に入った。

するとそこには男の姿になって寝ている兄さんと見知った女の人がいた。

「なんで、貴女がここに居るんです?」

私は攻撃系の魔法の準備をして話しかけた

「久しぶりね五葉さん。そんなに怖い顔をしないで」

「なんで姫弥さんがここに居るんですか!」

「実の弟だもの。心配じゃないわけないじゃない」

「心配なんかしてなくても死なない事はわかってるんですよね?」

「あなたにとって心配って死にそうな時にしかしないの?」

「そういう事は言ってません。なんで今や兄さんの敵である貴女がここに居るんですか?いい加減に答えて下さい!」

「しーっ、裕也が起きちゃうわ」

この人は兄さんの実の姉である「大川 姫弥」おおかわ ひめや

大川家の巫女

「本当に裕也が心配で来たのよ。あとは久しぶりに顔を見たかった、それだけかしら」

「この間も沙弥さんが来ていました。」

「それを聞いて来たのもあるわ」

「このまま兄さんをまた監禁する事はないんですか?」

「ええ、今日は連れ帰らないわ。それと監禁っていう解釈を訂正してもらえるかしら?」

「それならそろそろ帰って下さい。兄さんをこんなにした張本人がこれからここに謝罪に来ます。」

「なら、尚更ここにいるわ。その人を殺してあげる、あなたもそれが望みなのではなくって?」

「違います!兄さんだったらこうすると思ったから。家を教えたんです!」

「裕也は本当にそれを望んでいるの?」

「はい、兄さんだったらそうすると思ってます。」

私は、姫弥さんの目を見て言って。しばらく目と目を合わせていた

「わかったわ。ここからは居なくなるわでも近くで見ているわね」

「そこに関しては勝手にして下さい。さっさと出て行ってください」

「せっかちなのね。五葉さん?じゃあまた会いましょ裕也。」

そういって姫弥さんは兄さんの額にキスをした

「ちょっとなにやってるんですか!?」

「これは姉弟愛よ。私は裕也を愛しているもの」

兄さんをあんな風にした人の1人のくせに

「知りません。早く出て行ってください」

私がそういうと姫弥さんは部屋から出て行った。

私は洗面所に行ってタオルを濡らして兄さんの部屋に戻った。

そして兄さんの額を濡れタオルで拭いた

「ん、ん?五葉。。」

兄さんが目を覚ました。

「兄さん!大丈夫?」

「五葉の魔法で起こしてくれたのか?」

兄さんは私の髪の毛を見ながら言っていた。

「ああ、これはさっき飛行魔法を使ったからだよ。兄さんは自力で起きたんだよ?」

「俺どのくらい寝てたんだ?」

「あの日から2日間寝てたよ。」

「そっか。嫌な夢を見た」

「どんな夢?」

「母さんに監禁されていた時の夢」

兄さんは暗い顔をしていた。

「兄さん。こっち見て」

「ん?」

私は兄さんに顔を近づけた。

「ん、」

私は兄さんの唇に自分の唇をつけた

「うぅ、兄さんどう?落ち着いたかな?」

うぅ、恥ずかしい、、、

「むしろ、興奮したよ。もっと身体の調子が軽ければ今ごろ押し倒してる」

「私そんなつもりじゃ!、、」

「ありがとう、五葉。落ち着いたよ」

いつもの優しい兄さんの顔が戻っていた。本当に落ち着いたみたい

「悪い五葉。タバコとペットボトル の水を持って来てくれないか?」

「病み上がりでタバコ吸うの?」

「吸わなきゃやってらんない」

「わかった。持ってくる」

私はお母様に兄さんが起きた事を報告して冷蔵庫からペットボトル兄さんの部屋からタバコとライターと灰皿を取りに行く事にした。

「起きたの?裕也」

「清花さん、すみません2日も寝てたみたいで」

「良いのよ。それより左腕動く?」

俺は左腕を動かした。違和感も痛みも無く普通に動かせた

「全然動きますね」

「ちょっと見せて」

清花さんが俺の左腕の包帯を取った。そこには傷跡もない俺の左腕があった。

「大丈夫みたいね。巫女化までしてたから少し心配だったけど」

「すみません、手間を取らせたみたいで」

「巫女化までして2日も起きなかったんだから相当危険だったのよ?普通の人間だったらとっくにあの世に行ってるわ」

「まあ、そうでしょうね。本当に心配かけました。」

「兄さん、取ってきたよ。」

五葉がタバコと水を持ってきてくれた。

「ありがとうな、五葉。あ、扉は開けたままでいいぞ?」

「あんた、病み上がり早々タバコ吸うつもり?」

「2日も禁煙したんだから良いでしょ?」

「普通の人間だったら止めるけどね」

そうして俺は水を大量に飲んでからタバコに火を点けて吸い始めた。

「清花さま、お客様をお連れしました。」

黒服の男が1人を連れて部屋に来た。清花さんの部下の1人だ

「あ、そうそう。裕也にお客さんよ五葉が呼んだんだけどね。」

「お客さん?」

するともう1人同じ小川学園の制服の男が入ってきた。

「失礼します」

「お前は、」

俺の左腕を撃ち抜いた男だ

「この人兄さんに謝りたいっていうのと、報告したい事があるんだって。兄さんだったらそうすると思ったから呼んだんだけど、、」

なるほどな

「ああ、良くやったよ五葉。ありがとう」

俺は五葉の頭を撫でた

「で?話ってなんだよ?腕ならこのように見ての通りだ」

俺は男に無傷の左腕を見せながら言った。男はかなり驚いていた

「その時は本当にごめんなさい。当たるとは思ってなくて、ビビらせるつもりで撃ったんだけど。本当にごめん」

「ビギナーズラックって奴だろ。俺じゃなかったら死んでるけど、当てたのが俺で良かったな。少なくとも人殺しにはなってない。」

「それでも、犯罪者なのは事実だ。せめて本人謝りたかった。」

「そうか。どうせ両性巫女が被害者だから警察沙汰にはなっていないんだろ?だったら罪を償え。四宮家でな。それと報告もあるんだろ?」

「ああ、学校なんだけど。サッカー部は全員退学になった。今年の1年生からまた新しく始めるらしい。」

「そうかい。」

「うん、今回は本当にすみませんでした。じゃあ僕は仕事探しに行かなきゃだからこれで」

男はそのまま去ろうとしていた。こいつ話聞いてたか?

「お前さっき俺が言ったこと聞いてたか?」

「え?」

「仕事だよ仕事。四宮家で罪を償えって言ったろ?」

「それってどういう意味なんだ?」

「はぁ、、清花さん説明してやってくれ」

清花さんは咳払いを一つして男に説明した

「あのね君、巫女が被害者または加害者になると警察が動けない理由は知ってる?」

「いえ、まず両性巫女っていう存在もこの間知ったばかりなので」

「まあ、いいわ。なんでそうなるかはなんかしら犯罪に魔法が関与する可能性があるから警察では処理できないの。だからわたし達がそういう子たちを裁いてる。さっき君を案内した黒服の男も元は巫女に犯罪を犯した人間よ?給料はかなり安いけどああして私たちの仕事を手伝っているの。それが私たち巫女に対しての償い。もちろん拒否権はないわ。犯罪者なんだから」

「え。という事は、、」

「今日からここが貴方の仕事場よ。」

「あ、、、」

男は足に力が抜けたのかその場で座り込んだ

「これからよろしくな、俺は四宮裕也だ。」

「は、はい僕は山崎で、、す。」

「ああ、山崎これからコキ使ってやるから覚悟してろよ。」


2話「生徒会役員」ー完ー

こんばんは!小林歌子です!

最後まで読んでいただきありがとうございます!

なんか書いてたら段々と五葉が可愛くなってきちゃいました!(笑)

たまに支離滅裂な文章になってる気がするのですがご指摘がありましたら是非是非コメントください!

3話はついにあの子が登場しますのでお楽しみに♪♪

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ