第四話 オタクとなった日
ナディアとVガンのネタバレが少しあります。
黒「さあ! 来たで! 90年代や!」
白「まあ90年代はまず最初にナディアやね」
黒「実際のところ作者は、この作品に出会うまで、アニメにはまったことはなかったんよね、まあアニメ好きではあったけど」
白「ナディアは決定的だったね。一話の台詞とか全部言えるほど見返したし」
黒「というかこの頃の作者、一回聞いたらアニソンの歌詞全部覚えられる記憶力があったよな。今は無理だけど」
白「友達にも復活の呪文を一発で覚えられるやつがいたし、子供にはこういう記憶力がある程度備わってるっぽいね。知能指数テストで記憶力分野で満点取ってた」
黒「今もその記憶力がほしいよ……」
白「さて話は戻してナディアだけど、これは作者以外にもハマってる人たくさんいたね」
黒「庵野秀明監督が有名になった作品だね。DAICONの頃から知ってる人は知ってたらしいけど」
白「しかしナディア、信じられんことにNHKで放送してたんだよね。原案海底二万マイルで」
黒「次の年は秘密の花園。ハウス名作劇場みたいなのを狙ったのかね」
白「しかしナディアは、画期的なヒロインだったね」
黒「それまでのヒロインにはない個性だったな。それまでのヒロインはなんだかんだ言ってテンプレ。鮎川まどかでさえも、テンプレを外してなかった」
白「まあラブコメと一緒にするべきではないだろうけど、ナディアは独特の作品だったね」
黒「評価の低い島編でも、それなりに面白かったからな」
白「でも究極的にはあの作品、主人公はネモだよね」
黒「スパロボでもそうだったしな」
白「そういえば不思議の海のナディア、全39話にも関わらず、ほぼ一年間に渡って放映されていたわけで」
黒「湾岸戦争あったからね。今から振り返ると、フセインが正しかったことが分かる」
白「アメリカもなあ……。核を持った北朝鮮は正しかったわけだよ。それまでは中国の完全な属国で安全保障手に入れてたし、なんだかんだ言って金王朝はしたたかだったね」
黒「お家騒動で国が割れるでもしないと、崩壊しないのかもな。まあそれはさておき」
白「ナディアの後にはセーラームーンだったね」
黒「水野亜美が大人気だったな。しかし今ではどうでもいい」
白「プリキュアが出てきたしねえ。でも作者はプリキュア見てないよ」
黒「ハトプリはそこそこ見てたみたいだけどな。まあ変身魔法少女物は、まどマギで完成したと思われる」
白「セーラームーンの次辺りが、Vガンダムだね」
黒「富野の作品の中でも、おそらく最も狂った作品だあな。登場人物の死亡率高過ぎ」
白「だがそれがいい」
黒「富野監督はおおよそ狂った作品ばっかり作ってるけど、Vガンは黒い意味で狂った作品だったよ」
白「作者的にはシャクティが拙い声もあって好きだったんだけど、やっぱりカテジナが最高に狂ってたでしょ」
黒「ファラも狂ってたしな。バイク乗りとかも違う意味で狂ってたw」
白「味方側はだいたい狂っていないというか……でも狂ってたかな」
黒「つーか本当に人殺しすぎ。最終話なんて無意味としか思えない人の殺し方してるし」
白「そして次に作ってるのがブレンパワードだしね」
黒「あれも狂ってたなあ。OPがお茶の間で見れない作品なのに、夕方の時間帯でやってた」
白「WOWWOWだったから、当時は見る人も少なかったのかね」
黒「これもヒロインの声がひどかったな」
白「ターンエーも一応90年代だけど、先に他の作品を語らないとね」
黒「Vガンの後、評価が高まるのに時間がかかったGガンを経て、ガンダムWが始まったわけだが」
白「作者も普通に楽しんでたね。まあ良く出来てたと思うよ。今では何も残ってないけど」
黒「しかしこの年は結局、怪物アニメに全て持っていかれたわけだ」
白「新世紀エヴァンゲリオンやね」
黒「エヴァについては……最近の若い者は、もう昔の作品としてしか知らんのかね」
白「リアル世代が下の方でももう30代になってるしね」
黒「実はマンガを先に読んで、その時点ではそれほど無茶苦茶な期待はしていなかった」
白「しかし大阪の親戚に頼んで、ビデオを録画してもらっていた」
黒「嗅覚やな」
白「実際にアニメで見た時は驚いたというか、こんな作品があるのか、という」
黒「ここまでアニメで出来るのか、やっていいのかという」
白「これ以降、こういった表現をしてもいいのだと業界全体が分かったために、全ての創作物の底上げをしてしまった。創作の歴史には明確にエヴァ以前とエヴァ以降がある。これはガンダム以前、ガンダム以降とも似ている」
黒「エヴァがなかったらこれ以降の作品のほとんどは違った形になっていたのは間違いない」
白「ラノベで言うならロードス以前、ロードス以降とか、スレイヤーズ以前、スレイヤーズ以降とか。マンガなら大友以前、大友以降とかだね」
黒「社会現象になった、と過去形で言うのではなく、現在までの全ての創作物に影響を与えていると言ってもいい」
白「同じような作品を、あるいは内面を重視した作品を、と当時のマンガや小説はモロに影響を受けて、本来あったであろう物語から脱線した物も少なくなかった。ある意味罪深い作品」
黒「ちなみに一番エヴァを早期に解釈して表現できたのは、当時のエロゲー業界だと思われる」
白「アニメは作る人の数が多いから、それ全てに浸透するのには時間がかかるし、マンガでは教養や哲学がマンガ家には不足していたと思う」
黒「つーか庵野監督本人が、途中からエヴァという作品に飲み込まれたと思う。だから当初の構想の最終話までに持っていけなかった」
白「庵野監督の承認欲求が、求めたものとは違う感じでもたらされたことで、物語を〆ることが出来なかった、と」
黒「それは劇場版でも同じで、新劇でようやく終わりそうなんだけど……大丈夫かね?」
白「奥さんいるし、今度は大丈夫と信じたい。まあ公開は最速でも2020年らしいけど」
黒「あと90年代の有名どころだと、CCさくら、ナデシコ、ビバップあたりかね」
白「さくらとビバップは当時としては脅威の作画レベルだったね。エヴァも大概だったけど、この二作はさらにそれを超えていた」
黒「作者の友人曰く、さくらのキャラデザは、最も特徴を廃した可愛らしさを持っているらしい」
白「まあアホ毛とかツインテールとかないしね。それに衣装が毎回変わる魔法少女物としても驚きだった」
黒「あの衣装も知世ちゃんが毎回用意してた、普通の服なわけだしね。あと作品内での恋愛関係が、けっこう……同性愛、ロリコンとか、普通にあったし」
白「まあこのあたりが作者が最もアニメを愛していた頃かね? 学生時代で時間も金もそれなりにあったし」
黒「おっと、あとこの年代では勇者シリーズを挙げておかないと」
白「サムライトルーパー、ライガーの後の枠で始まった勇者シリーズだけど、作者は当時楽しみにしてたんだ……けど」
黒「この間見たら、ガオガイガー以外びっくりするほどつまらなかった」
白「……大人になったんだよ」
黒「大人の視聴に耐えるアニメもあるけどな。つーか今のアニメの消費者って、大人の割合が多いのかね?」
白「まあ、それは今後また話していくということで」
黒「あとお願いティーチャーとかネオランガとか、十兵衛ちゃん、リヴァイアスなんかもあるんだが」
白「天地無用も90年代かな? まあ作者は一度見たきりなわけだが」
黒「あれは小説で読んだはず」
白「とにかく次回はいよいよ2000年代、21世紀に入っていくわけですよ」
黒「2000年はまだ20世紀だけどな」
白「うるさいよ! エンイー」