表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

日にち薬な日々

焼き芋屋さん

作者: 書庫が好き

アライグマさんは洗い物が得意です。せっせとサツマイモを洗います。

「今年はサクラ芋の出来が良いらしい」

「いやいや、やっぱりナルト芋だよ」

「ウスムラサキって知ってるかい。甘くてしっとりしてるんだ」

川辺での情報交換も欠かせません。流通が発達して遠くで採れる芋も手に入るようになりましたが、川の流れは変わりません。澄み切った水の中で、ぽちゃんと魚が跳ねました。今日も良いお天気です。


洗い終わったら熱く焼いた石の上でじっくりと焼き上げます。じんわりと芋の中に火が通っていくのを見守るのも大切なお仕事です。


「やっきいも〜いしや〜きいも〜」


いつもの経路で家々をまわります。

「先週の美味しかったから同じのひとつ下さいな」

子リスを連れたお母さんリスが買いにきます。アライグマさんはお客さんの笑顔が大好きです。寒くても心がほんわり温まります。


「アライグマさん、また来てね〜」

子リスが手を振りながら叫びました。アライグマさんも笑顔で手を振り返しました。


子リスは焼き芋を楽しみに秋冬を過ごし、成長して都会で働くようになりました。


都会には焼き芋屋さんは回ってきません。

子リスはスーパーで焼き芋を見かけると、アライグマさんの焼き芋を思い出します。


いつかあの町へ。きっと。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ