ダンジョン旅行第2回
「さあやって参りましたダンジョン旅行第2回!」
ミラとルナは昨日と同様に拍手をしてくれる。ミューエルの方は昨日よりも緊張感がなくなってきたのか普通に拍手をしてくれた。だんだんこのおふざけにも慣れてくれたのかな。
16階層から草原ステージから岩場ステージに代わる話をしてから旅行を再開する。
「じゃあいくか!」
転移で昨日の3階層当たりの場所に転移する。他の冒険者が少し驚いていたがあんまり気にされなかった。透明なマントとかあるって聞くからな、いきなり現れても驚かれないのかと思い観光を始める。
ボス部屋までは大した敵も罠も毒物もないので、詳しく説明することができた。って言っても鑑定で調べた内容を分かりやすく伝えるだけだけどね!
「あ、みんな、この地面のところをよく見て。他の場所よりも不自然な盛り上がりがあるでしょ? これに気付かないで進むとね......」
そう言いながらミラたちをそこに残して2歩歩く。そうすると、いきなり道が半分に裂けて上に乗った人間を落とそうとしてくる。作動するのを確認した瞬間にバックステップでミラたちのもとに戻る。
「っと、こんな感じで冒険者をひっかける罠もあるから気を付けてね」
「び、ビックリしましたよ......」
こういうのはあらかじめ言ってください! と3人から怒られてしまった。そういえば会話の途中でやったから俺がいきなり罠に向かってったようにしか見えなかったか......。
ごめんごめんと言いながら罠の説明をする。
「落とし穴系のトラップにはこうやって必ず落ちる前の数歩前に必ず合図があるから見逃さないようにね」
穴の中はこんな感じで危ないからと、落とし穴に落ちない場所から中を覗かせる。3メートルほど落下すると先が尖った鉄の棒に突き刺さると言う、古典的だがかなり殺傷能力の高い罠だ。
「これは怖いですね......」
「でもタクミ君は良く分かったわね」
そりゃ予習しましたからとは言わずによく観察してるからねと言っておこう。恥ずかしいのであんまり言いたくないが、昨日の予習の時点で4回中4回全部の落とし穴に引っかかったのだ。流石に4回も引っかかったし、鑑定でも調べたのでもう落とし穴に引っかかることはない。
だから落とし穴に引っかかる事はもうないのだ! まあ、毒ガスに毒矢もくらったけどね!
「さあさあ、落とし穴についてしっかり学べたし次の階層を目指そう!」
これ以上怒られたくないのでダンジョン旅行に目を向けさせる。1時間も歩けばすぐに次の階層が見えてくる。相変わらず魔物があまりいないから実戦訓練ができない。ここの冒険者気合入りすぎでしょ......。
「そろそろお昼ご飯にしようか」
時間も正午を過ぎたころだ。相変わらず魔物は少なく、8階層まで下りてくる間に3階しか接敵しなかった。手ごろな場所を見つけてお昼ご飯にする。今日は、っと言っても昨日と変わらないが串焼きとサンドイッチ、それにスープだ。スープの方はクリームスープにしたけどな!
雑談をしながらお昼をゆっくりとる。やっぱり串焼きは美味いな。どんなメニューにも合うしな。30分ほどかけて食事を済ましたら再び旅行を再開する。
「タクミさん、ここの盛り上がりは落とし穴ですか?」
「そうそう、もう罠の発見はばっちりだね」
12階層の中間部分にある落とし穴を見らが見つける。その前にもミューエルが9階層の落とし穴を、ルナは10階層の毒矢を見つけた。みんな罠を発見する力がついていてよかった。これなら好きな時にダンジョンに遊びに行かせられる。
「おっ、向こうから魔物が来たな」
「タクミ様! 今度は私がやりたいです!」
よし、行っておいでと送り出す。ルナはCランク冒険者からこの半年ほどでBランク冒険者になっているのでこのくらいの魔物なら安心して送り出せる。
名前:ルナ・ラスフィー
種族:猫人族
性別:女
年齢:14
Lv:75
HP:8975/8975
MP:9230/9230
力 :2322
防御:2215
速さ:2568
器用:2475
魔法
火魔法lv2
水魔法lv4
風魔法lv5
スキル
状態異常耐性lv3 HP回復率増加lv4 硬化lv4 剣術lv6 格闘技lv3 直感lv2 魔力操作lv3
称号
こっちが敵のステータス。軽く見積もっても余裕だな。
名前:クレイジーウルフ
種族:ウルフ
性別:――
年齢:――
Lv:32
HP:1150/1150
MP:200/200
力 :595
防御:725
速さ:878
器用:524
魔法
スキル
嚙み付きlv4 爪斬lv4 咆哮lv3 威圧lv2 狂化
称号
ルナはクレイジーウルフに駆け寄り切りかかる。クレイジーウルフは完全に近づかれる前に威圧と咆哮を使用し突撃を遅らせる。だけどあまりにもレベル差があるからほんの足止め程度にしか効果はなかった。
「これで終わりです!」
少し足止めを食らったが問題なく剣の間合いに入り首を切り裂く。おお、鮮やかな一撃だ。なす術もなく切り捨てられたキラーウルフは煙となって消えた。お、ドロップアイテムだ。ルナはルンルン気分でドロップアイテムを持ってくる。
「タクミ様! ドロップアイテムが出ました!」
「おお、よかったな!」
頭をワシャワシャと撫でてドロップアイテムを無限収納にしまっておく。その後はキラーウルフが何体か向かってきて俺を含めてみんなが1回ずつ戦い終えたとところで17時を過ぎた。今日はここまでかな?
「みんな今日はここまでだね。もう夕方だ」
「そうなんですか、道理でお腹がすくわけです」
じゃあ今日もあそこの料理屋にする? と聞くと、ミラとルナは大賛成でもう何を食べるかを話し合っている。なら早めに戻るかなとさっさと転移をしてお店に向かう。
相変わらずミラとルナは大盛りをぺろりと平らげている。今回は揚げ物を頼まないで食べたのでちゃんと完食することができた。
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