到着!
どうもカラメルtakuminです! なっかなかパソコンに触れずに投稿が長引いてしまいました。申し訳ない!
前置きはこんなところで本編お楽しみください。
「あ、タクミさん見えてきましたよ!」
「お、どれどれ」
読んでいる本を閉じて窓に身を乗り出す。おお、あれが帝国か! まだ少し遠いが国境を守る壁がどっしり構えているのがよくわかる。
入口に近づくにつれて壁はどんどん高くなっているように見える。ほほお、これはデカいな、それに王国とは違った壁の作り方で防衛特化の壁だ、この壁を一般兵が攻略するのはすごい難しそうだな。
「乗客しているものも身分証を出してもらう」
1時間ほど順番を待ち、ようやく俺たちの番になる。入国手続きをするために全員の身分証をチェックするらしい。チェックと言っても身分証と入国目的を聞いたり、審議のオーブと呼ばれてる水晶に手をかざすだけの簡単な物だ。
「こんなガバガバな審査で大丈夫なのかな。水晶に手をかざすだけなんて」
「タクミくん、このオーブすごいものなのよ? かざすだけでステータスを読み取ってその人が犯罪を犯したかどうかがすぐにわかるし、道具自体に看破のスキルが付与されているから偽装されてるステータスでもしっかり審議してくれるからこれを使用したときの検挙率って90%近いのよ」
へえ、すげえ。勝手にステータス読み込むんだ。QRコードとかバーコードを読み取るような感覚なのかな。なんで読み取れるんだろ、うおお、気になってきた。
俺達以外の乗客がオーブに手をかざすのを見つめながら考える。あのオーブって見た感じただの水晶だよな。それに触れただけで犯罪が分かるのか。ステータスを読み取るところから考えても絶対に神が関与してるよな。ってかそもそもステータスってなんなんだろ、あれって能力を数値化したものだけどそもそも何を基準にして――
「貴様、早く身分証を提示してオーブに手をかざせ」
「っとすまん。考え事をしてた、身分証だから冒険者カードでいいかな。ほれ」
無限収納からカードを出して門番に見せる。はっはっは、流石はSランクのカードやな。門番が驚いていやがる。
「Sランク冒険者様でしたか。長旅お疲れ様です。こちらの女性の方たちはお知り合いでしょうか?」
「ああ、俺の......ああ、うん、俺の嫁さん」
それでしたら身分の提示は結構でございます。と言って素早く荷台から降りて門を開けてくれる。いやあ、態度が明らかに変わったなと思ってたらミラたちが急に体を寄せてきた。
「ど、どうした?」
「あんなはっきり言ってくれたのは初めてではないですか?」
あれえ、そうだっけかな? と思い、いろいろ思い出すがミラの言う通り明確に嫁さんと言った記憶が無いので今度からもっと言ってかなきゃいけないなと思った。
今の出来事で一つ思い出したことがあった。あれは地球にいた時だ、友達の田中が教室にわざわざ女性誌を持ってきて俺の机に叩き付けてこう言い放った。
『おい佐々木、これを見ろよ!』
『何これ、カップル女性が男性に愛想をつかす時? どうしたんだ、あまりにモテないからってこんなの持ってこないでくれよ』
『うっせえよ! ってよりここだよここ、この女性は自分の事をどう思ってるのかを言ってくれないと彼氏に冷めちまう時があるらしいぜ』
『へえ、やっぱり思ってることは口にして欲しいもんなのな』
『そうなんだよ! だから俺も真紀ちゃんに思いをぶつけたんだけどビンタくらって終わったんだけどなんでなのかな......』
『ここにカップル女性って書いてあるじゃん。お前がやったのはただの告白だよ。ってかビンタされるって何言ったのよ』
『いや、普通だよ。君の身体に惚れたんだ結婚して俺と子供を作ってくれぇ! って』
『普通じゃねえよ......』
あのあと田中は30回ほどトライを続けて驚くことに真紀ちゃんと付き合ったのは驚いたなあ。
思ってることはちゃんと言おうと決意して2時間、帝都前の街ヴェンヌに着いた。長かった馬車旅もいよいよ最後だな。今日は街の屋亜土屋に泊まってくれと言われたので冒険者ギルドでおすすめの宿屋を聞いてそこへ向かう。森の妖精亭と言う何とも可愛らしい名前の宿屋だ。楽しみだなあ。料理がかなり美味いらしく期待に胸を膨らませながら目的地に向かう。
「ここが森の妖精亭か。意外に大きいな」
「ここの宿屋は帝国では有名らしく貴族もお忍びで止まりに来ることもあるらしいですよ」
「ご飯が楽しみです!」
「私は疲れたから早く寝たいわ」
じゃあ入ろうかと言って宿屋の中に入る。綺麗に清掃がされていて気持ちよく過ごせそうな宿屋だ。うんうんポイント高いよこういう当たり前なのをしっかりしてる宿屋は。まあ、宿屋なんてそんなに泊まったことないけどな!
「すいません」
「はーい、今参りますわーん」
ん? 何だろうあの乙女っぽいけど隠しきれてない野太い声は。背中がなぜかゾクッとする。
「はあい、いらっしゃいませ! 今日は4人でお泊りですね! 4人部屋は3階の1番奥のお部屋です。この鍵どうぞ!」
「おう、ありがとう」
「それに、うちは防音設備バッチリだからお楽しみも気兼ねなくできるわよ!」
しないよ! と突っ込んで階段を上っていく。悪い奴じゃあないんだろうが終始下半身に視線が行ってたのはきっと何かの間違いだろう。そうであると信じたい。そう思いながら、ケツに刺さる視線を気にしない様にして部屋に向かう。
「独特な従業員さんでしたね」
「いいじゃない、私はがっちゃんを思い出して朗らかな気分になったわ」
「がっちゃんはいい人ですからね! お花にも詳しいし」
「みんな俺の下半身の心配はしてくれないのか......」
みんなに聞こえない声でボソッとつぶやく。確かにガッツみたいだったけどさ、もうちょっと俺の身体の心配をしてくれてもいいんじゃないかなあ......。
「まあ、あの従業員の話はいいじゃないか! そんなことよりお腹減ったから食事しに行こ!」
魔法でみんなの汗を除き、緩い服装に着替えて食堂に行く。今日はがっつりと肉料理が食べたいな!
「はい、みなさんお待たせしました! これが当店におすすめメニューよ! タクミちゃんには特別に1品サービスしておいたわ!」
サービスしてくれたのはありがたいが大きなソーセージなのは他意はないよね。純粋なサービスだよね? サービス品のソーセージの事が気になったが、俺の頼んだステーキが想像以上に美味しくて考えていたことをほっぽいて食事に夢中になってしまった。
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