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何時間も戦うとさすがに疲れるよね

どうもお久しぶりです。カラメルtakuminです! やることも終わり、ひと段落着いたので早速書きました。途中で、執筆中の文が2回ほど消えるというアクシデントがありましたが、何とか完成しました(笑)

ではお楽しみください!

「ハァッ!」

 ミラの振り上げた剣がグレイの頭に降ろされる。


「攻撃が素直過ぎる。それに体中に力が入っているから剣に力が入り切っていない」

 攻撃を受け流しながらアドバイスを入れる。10合ほど打ち合うとミラの身体から力が抜ける。だが、今度は腕に力が入っている。


「剣を振るのに最初から最後まで力を入れていては鋭い攻撃は出せないぞ」

 ミラの一閃を剣で止める。


 その後、10分ほど打ち合うと、力の抜き方が分かったのか、剣に力が乗るようになってきた。剣戟が鋭くなってきたのが分かったグレイは、指導を具体的にしていく。


「剣は相手に当たる瞬間に力を籠めるんだ」

 ミラの剣戟を受け流しながらも的確な指導をしていく。具体的な指導を得たミラはどんどん鋭い攻撃を出せるようになった。30分ほど打ち合うと、ミラの剣戟が弱くなってきた。初めての打ち合いで、こんなに続けられたのだ。大したものだとタクミは思う。


 


 弱まってから数分で打ち合いは終了した。ミラは座り込んで休み始めた。俺とダルニスはグレイたちの方へ向かう。ミラはクタクタになっているが、グレイは呼吸一つ乱さずにダルニスと雑談をしている。これは戦闘経験の差かなと一人で思いながらミラの方へ行き、話しかける。


「お疲れさま。よくがんばったね」

 頭を撫でながら頑張りを称える。ミラは呼吸を落ち着けてお礼を言う。


「でも、まだまだです。目標はタクミさんのような戦い方ですから!」

 俺が目標か。ならもっと鍛錬を積まないとすぐに追いついかれてしまいそうだ。明日から素振りでもしようかな......。


 ダルニスと話していたグレイが俺に話しかけてくる。


「いやあ、ミラちゃんは才能がスゴイね。教えた事をすぐに物にしてくれるから教えていて楽しかったよ」

 ミラは褒められて照れている。よかったなあ。と言いミラの頭を撫でる。ミラも照れながらであるが、ありがとうございますと言った。


 これでお互いの練習がひと段落着いたから次は何をするのかを聞く。ダルニスはグレイと少し話し合い、訓練内容を伝える。


「ミラちゃんはグレイと素振りだ。細かいところを教えてもらってくれ。んでタクミ、お前は俺と打ち合いだ」

 ミラとグレイは素振りをするために少し離れる。俺とダルニスは倉庫に向かい刃の潰れた鉄の剣を取りに行く。ずっと打ち合いらしいので、長剣と短剣を3本ずつ持っていく。ダルニスはクレイモアのような剣を5本持っていく。なぜこんなに必要なのかというと、鋳造の剣だと俺たちの戦いには耐えきれないからだ。


 予備の剣を地面に刺してお互いに向かい合う。


「遠慮はいらねえからな。へばんじゃねえぞ!」

 お互いの剣がぶつかり、鉄と鉄が打ち合う音が響く。





「今日はこんなもんかな」

 ダルニスが終了の合図を出す。流石に4時間もぶっ通しで戦っていたので疲れたから、その場に座りこむ。こんなんでへばってたら長期戦には耐えられんぞ? ダルニスが肩を剣でとんとんしながら声をかける。


 まじかよ......。4時間も戦って勝てないやつとかいるの? ダルニスに聞くと、無いことはないらしい。


「魔物が大群で攻めて来たり、国落ち級の魔物や、伝説の魔物なんて出てきたら丸一日戦うなんてざらにあるぞ」

 ん、知らない単語が出てきたな。


「国落ち級の魔物って何ですか?名前的にはわかるんですが......」


「国落ち級っていうのはな、まあ、言葉の通りにその魔物だけで国を壊滅できる魔物のことを言うんだ。吸血鬼(ヴァンパイア)とか、ゴブリンロードやオーガロード、不死の王(アンデッドキング)とかな。」

「国落ち級になるとSランクパーティーでも相当討伐に時間がかかるし、最悪相打ちなんてこともあるぞ。400年前に会った国落ち級との戦いは5人のSランクパーティ壊滅でようやく倒せたそうだぞ」

 国落ちエグいな。そんな奴となんて絶対会いたくないわ......。


 国落ちの話をしていると、訓練を終えたミラとグレイが近づいてくる。ミラが、私頑張りました感を出していたから頭を撫でながら今日の頑張りをほめる。イチャついてるとダルニスが咳払いをする。ミラはハッとなって恥ずかしくなったのか俺の後ろに回って顔を隠してしまう。今は汗臭いからやめてほしいな......。


 疲れた体に力を入れて立ち上がる。ダルニスとグレイと明日からの訓練内容について話し合う。ある程度まとまったので今日は解散になる。帰るときにダルニスが家でも買えばと、提案してくる。


「自分の家を買った方が宿で泊まるよりもいいぞ」

 なるほど、自分の家か......。考える余地はあるな。よし暇があったら家を買おう。どんな家にするか考えながらミラとともに宿に帰る。


 部屋に入り、即服を脱ぐ。脱いでから気づいたが、ルナはまだ帰ってきてないようだ。全身をきれいにして、着替える。着替えてベッドに横になると睡魔に襲われる。ミラも眠いようで俺にしがみ付きながら寝息を立て始めた。ちょっと暑いけどいいか。もう、眠い......。





「ただいま帰りまし、おや? もうお休みになられてたんですね」

 ふふっと微笑みながらルナは着替えてミラとは反対側に行き俺を枕にして眠った。



 あ、寝ちゃったか......。むくりと体を起こして時間を確認すると時刻は17時28分。そろそろ日が暮れる時間だ。ミラとルナを起こして夕食を食べに降りる。これ以上寝ちゃうと夜中に起きちゃうからね。


 今日の夕食はワイルドベアーのステーキ肉とサラダだ。美味いんだけど、やっぱりガディアの宿の料理の方が美味いんだよなあ。夕食を食べながら訓練後から考えていた家を買うかどうかという話をする。


「タクミさんが買いたいって思ったら好きな時に買ってもらっていいですよ」


「私も好きな時に買えばいいと思います」

 二人とも家を買うことについては反対は無いようだ。なら、今度家を買いに不動産屋にでも行くかな。てか、この世界に不動産屋とかあるのかな?


 夕食を食べて、部屋に戻り、ルナとミラをきれいにする。服も着替えさせてもう一度寝るためにベッドに横になる。さてと、明日もあれくらいやるんだから早く上達しないとな。


 ダルニスを超えないとダンジョン攻略が始められんしな。打倒ダルニスを掲げて目を閉じる。当然のようにミラとルナは俺に引っ付いてくる。俺は抱き枕か!


 この日も自分の息子と格闘をする。襲ってもいいのではないか? と、俺の野生の本能が俺の理性を削ってくる。右手がミラの方に向かうが、左手で右手首つかみ何とか堪える。このままでは本当に襲いかねない!


 転移を使い、ソニアスタ大森林に飛ぶ。空間魔法で空中に足場を作って森を見下ろす。この性欲パワーをこの森にぶつける! 火魔法をMPの半分ほど使い発動させる。大きさは半径15メートル程。


「くらえ!」

 全力で火の球を振り下ろす。物凄い速度で火の玉が大森林に向かっていく。着弾した瞬間にきのこ雲のように炎が上空に舞い上がっていく。燃えないように水をかけて消火する。少し落ち着いたので、火魔法を使い花火を作る。地球で見た花火を想像して火魔法を上空に飛ばす。火の玉はきれいに上がっていって、破裂する。花火に見えてきれいなんだけど何か足りない。


「輝きが足りないのかなあ」

 今度は光属性も混ぜて打ち上げる。ヒュ―っと花火の飛んでいく音を出して上空に飛んでいく。一番きれいに見えそうな高さで破裂させる。


「おお、きれいだな......」

 打ち上げた魔法花火は七色に輝く。本物の花と同じくらい綺麗だな。感動しちゃったよ。MPもいい感じになくなってきて、転移一回でちょうど切れる位の量だ。


「転移」

 ベッドの前に転移をする。ミラたちを起こさないように元いた位置に戻り残りの魔力を放出して眠る。家を買うんなら絶対にデカい家を買ってやるぞ!  

お疲れさまでした。意見感想などありましたらいつでもお待ちしております。

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