表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幻想と召喚の絆  作者: イ尹口欠
アンデッド村開拓記編
91/151

80

「支援を待て! 牽制に努めろ! まずはマドカ、ブラインドを! その後はスティールマインドだ」


 さてまずは支援魔法からでしょう。

 その前に魔力を高めるためにも、エルダー・リッチとの同化を忘れてはなりません。


「エルダー・リッチ同化!」


 さてシオシオに枯れ果てた代わりに強大な魔力を得たわけですが、まずはヨサクたちの技量からですね。

 敵の顎牙スキルが13とかもう差がありすぎて怖いです。

 六本ある脚剣もそれぞれが第六段階で魔法剣付きで振るわれるとか悪夢でしかありません。


「インストラクト・スキル!」


 おや、精神強化が第二段階になっています。

 そういえばレベルが5の倍数で召喚獣もスキルが成長するのでしたね。

 よくよく見れば、全員がそれぞれ一回り強くなっているのが分かります。


 さあ技量を伸ばしたら次にするのは、武器と防具の強化ですね。

 これまではMP消費を気にして武器ばかり強化してきましたが、女王蜂の圧倒的な強さを前に武器だけを強化してなんとかなるとは思えません。


 ただそれでもMPが厳しいので、防具の強化は前線で頑張ってもらうヨサクとムラマサだけとしましょう。


「アウェイクパワー!」


 くぅ、MP厳しいです。

 もはや半分以下になったアストラルゲート産の亡者も、女王蜂とそれに統率されているロイヤルガードに押され始めています。


 これは増産も視野に入れた方が良さそうですかね?


「ギギ、ストーム!」


 うわ、魔法撃ってきましたよ!?


 第四段階とは思えない風魔法の竜巻が、亡者を一掃します。

 マズイですね、レベルによるステータス差がありすぎて、たかだか第四段階と侮ってられません。

 スペクターは物理には無敵ですが、魔法にはむしろ弱くなるのです。


 即座にSPを1点消費して風魔法を習得します。


「レジスト・エア!」


 全員に行き渡りましたか?

 よろしい。では、


「攻勢に移れ!」


 牽制に徹していた面々が、積極的に攻撃に回ります。

 さてその間、私は同化を解いてMPポーションをぐびぐびやりましょうかね。

 正直ここまで苦戦するとは思っていなかったので、MPポーションの残りも心もとないです。


 とはいえ数で押されている以上、アストラルゲートは必須なんですよねえ……。

 あ、いや、まだ切り札が残ってますよ。


 ロビンをパーティから外して、レッサードラゴン(地の爪)を加入します。

 コントラクトゲートをロイヤルガードの方へ移動させ、


「行け、ドラゴンクロウ!」


 門がパカリと開いて、にゅうっと突き出た腕が鋭い爪で薙ぎ払います。

 地属性が付与されているためか、茶色の光を纏っていますね。


 グシャァっ!!


 おお、結構な数をひと薙ぎで葬りましたよ?

 なかなかやるじゃないですか。


 よしよし、ではもう一発も撃っておきましょう。


 レッサードラゴン(地の爪)をパーティから外して、レッサードラゴン(火の爪)を加入させます。


「よし、今度はそっちだ! ドラゴンクロウ!」


 グシャァっ!!


 チリチリと焼ける香ばしい臭いがします。

 やはり火の付与がかかっているのが大きいですね。

 こちらの方が効果が高そうですが、どのみち一発しかないので関係ないです。


 さてレッサードラゴン(火の爪)をパーティから外して、デュラハン・ドラゴンライダーのセルフィを加入させます。

 さあ、雑魚を減らしたら航空戦力で一気に片を付けましょう!


「セルフィ、騎竜召喚したらまずは女王蜂の上空に遷移、ブレスを放ってから女王蜂を攻撃! いいな、かかれ!」


 いつも通りですね。

 セルフィも心得たもの、言われるまでもなく騎乗して飛び立ちました。


 おや、マドカのスティールマインドで黒いモヤが出てこなくなりましたよ?

 どうやら女王蜂はMP切れのようですね。

 マドカも指示を仰ぐために、こちらをチラチラ見ます。


「ご苦労様です、後はシャドウバインドを試してから、ファイヤアローかファイヤボールで攻撃してください」


 軽く頷くと、マドカは杖を向けてシャドウバインドから放ちます。


 MP切れで魔法剣がなくなった女王蜂が、シャドウバインドから抜け出すことは……あれ。できるんですか。


 影の腕はミシミシと顎で食いちぎられ、力づくで脚剣で切り裂かれます。

 ああもう。このレベルだと支援魔法もスキルとステータス任せでなんとか破れてしまうのですか。


 ……では目には目を、力づくには力づくで立ち向かうとしましょう。


「エルダー・リッチ同化!」


 ああ、またお肌の潤いが失われます。

 しかし満ち満ちる魔力のたぎりは堪らないですね!


「シャドウバインド!」


 マドカの放ったものよりも太い影の腕が女王蜂を拘束します。

 今度はさすがに抜け出せませんよー?


 さてついでにもうひとつデバフを打ち込んでおきますか。


「ペリッシュ!」


 これは闇魔法第八段階の衰弱魔法です。

 一時的ではありますが、敵の動きをかなり鈍らせる効果があります。


 シャドウバインドで拘束され、ペリッシュで弱らせられ、あ、ついでにあれもやっておきましょう。


「チルレイン!」


 天井は既に破壊されています。冷たい雨が、いつもより広範囲に渡って器用と敏捷を下げます。


「アストラルゲート!」


 一分はもたないでしょうが、敵の増援を多少は食い止めてくれるでしょう。

 なにより物量は正義。

 さあさあ亡者の皆さん、できればロイヤルガードたちの相手を頼みますよ!


 戦場は蜂の死体と増援の蜂と溢れ出す亡者と、私たちで混沌としてきました。

 いくら巣が広いとは言え、酷い惨状です。


 そりゃ女王蜂も怒って出てきますよね?


 ……っと、もうMP切れですか。

 仕方ないのでMPポーションを飲むとしましょう。

 あと二本?

 うわあ、後がないですね。

 早めに決めましょうか。


 ぐんぐん回復するMPバーを眺めながら、女王蜂に近づいていきます。


 昼間に吐息は三発消費しましたが、肝心のドラゴンブレス(毒の吐息)は温存されたままです。

 吐息はやはり至近距離から打ち込むのがいいでしょう。


 おっと、脚剣がまだ残っているじゃないですか。

 さすがにムラマサでもこのレベル差じゃ、武器を破壊することはできないようですね。


「ドラゴンスケイル!」


 一応、自分にも防御魔法を掛けておきましょう。

 いざというときはササキが文字通り盾になって守ってくれるでしょうが……。


 さてMPもだいぶ回復したことですし、攻撃もしてみましょう。


「シャドウセイバー!」


 ジャキィン!


 地面から伸びる黒い剣。

 高い魔力ゆえか槍ほどもある影の長剣が、女王蜂のHPをガリっと削ります。


 お、結構な威力ですね。

 毒の吐息を放ってから、距離を置いてシャドウセイバー連発も悪くないかもしれません。


 召喚獣同化を勧めてくれた魔王アインスには、今度、会ったらお礼を言っておかないといけませんね。

 まあその後はヒントもらいつつやっつけて経験値になってもらいますけど。


 よし、この距離ならいいかな?


 セルフィの騎竜召喚の時間制限が尽きるのと同時に、パーティから外します。

 そして加入させるのはドラゴンゾンビ(毒の吐息)です。


 ふと思いついて、まず魔法を打つことにします。


「ナイトウォーカー!」


 おお、ドラゴンゾンビもやっぱりアンデッドですね。

 ステータスが上がっています。


 いやちょっと待ってくださいよ、アストラルゲートの亡者も動きが良くなってませんか?

 これは迂闊、どうやら彼らにも効果があったようですね。


「よし準備万端だな、てー!」


 ブゴオオオオオオオォ!!!!


 毒の吐息が至近距離で女王蜂に撃ち込まれました。

 ごっそり減るHPバー。

 あ、これは勝ったかな。


 後は距離を取って、ロビンを呼び戻してからシャドウセイバーを連打しましょう。

 それで勝てるはず。


 さあ、もう一息頑張りましょう!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ