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幻想と召喚の絆  作者: イ尹口欠
アンデッド村開拓記編
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「ううん、やっぱり召喚できませんねえ」


 スクリーンショットを正確に写したつもりでしたが、やはり微妙なズレなどが原因なのか、それとも場所が悪いのか。

 そもそも召喚陣を写すことでどこでも召喚できるようになるのではないか、という推論自体がこの『幻想と召喚の絆』というゲームで成り立たない可能性が高いです。


 あくまでこれはゲーム。

 魔法陣だって意味のあるものではない可能性が高いのです。

 それっぽいオブジェクトなだけかもしれません。


 そんなものを写したところで、意味のあるプログラムが作用するわけがないのです。


 まあひとまず休憩の暇つぶしにはなりました。


 現在のレベルは26、無事に巣から逃げおおせた上に2レベルアップのおまけ付きです。


 代償はMPポーションが三本とレッサードラゴンの吐息が三体。

 それから召喚獣同化も五分ほど消費してしまいました。

 これらはまあ、必要経費でしょう。


 今は休憩してMPの自然回復と、夜になるのを待っているところです。


 さて5の倍数レベルを越えたため、パーティ枠が一体増えました。

 これで召喚獣は六体を同時に使役できることになります。

 実のところ、古来からRPGではパーティ人数は六人までのゲームが多かったため、召喚士を含めて七人パーティにできるのかは不明でありました。

 しかし普通に枠が増えるところを見ると、これからも同時に使役できる数が増えていくのでしょう。


 確かドラゴンメイジの専用魔法も使えるようになるはずですが、自己強化ばかりであまり有用性はありません。

 私は後ろで魔法を撃っているだけですからね。

 ドラゴンウィングという飛行魔法だけは興味がわきますが、残念ながらレベル30にならないと使えないので今しばらくお預けです。


 肝心のネクロマンサーの専用魔法と言えば、全く使ってないレベル20のターン・アンデッドと同じく、コマンド・アンデッドという対象に命令を強要する対アンデッド用の魔法でした。

 これは本格的にアンデッドの出る狩場を探したほうが良さそうですね。


 ハチの巣の駆除を終えたら、メオントゥルムでアンデッドが出る場所を聞いて回らなければなりません。


 山は日が落ちるのが早いですね、もう空が暗くなり始めていますよ。

 さあ私たちの時間の始まりです。


「行きましょうか……ナイトウォーカー!」


     ◆


「アストラル・ゲート!」


 まずは霊界から亡者を呼び寄せるところからです。

 ブンブンとハチが飛び交っていますが気にせず、亡者をじゃんじゃん呼び寄せてから巣を攻める算段です。


 ところでこの亡者、よく見るまでもなくアンデッドなんですよね。


《アストラル・ソルジャー

 Lv26 槍5》


 大抵は剣、槍、斧、弓、まれに鎚、鞭など、武器スキルをひとつ持っただけの亡者の戦士なのですが。

 これコマンド・アンデッドで命令できるんじゃないでしょうか。


 好き勝手に敵に襲いかかる彼らに、一体一体命令するのは面倒ですが、何体かに命令をしてみるのも手かもしれません。


 ……例えば、羽根だけを傷つけるようにしろ、とか?


 いえ、正直MPが持つ気がしません。

 本来は敵の行動を潰した上でこちらに有利に働かせるための魔法で、それなりの消費MPを要求されるのです。


 レベリングのために使うなら、もっと大量にMPポーションを用意しておかなければなりませんでした。


 やはりここでも準備不足。

 やっぱり思いつきで巣を破壊に来るのは、ちょっとやり過ぎでしたねえ。

 今更ですが。


 ……と、一分。

 MPバーが尽きかけたところで、門を閉じて同化を解除します。


 そしてMPポーションをぐびり。


「あ~徐々に増えるMPバーを見てると癒やされますねえ。さて、諸君」


 スペクター・ウォーリアバロンのヨサク、スペクター・フェンサーのムラマサ、フライング・ドラゴンクロウのグラインダー、スケルトン・ガーディアンのササキ、レイス・ソーサレスのマドカのいつもの布陣に、新たに加わったスペクター・バリスタのロビンを加えて計六体。

 私は彼らを見渡して、命じました。


「蹂躙しろ」


     ◆


 ボカァン!!!


 マドカのファイヤブラストは何発目でしたっけか。

 ともかく巣の外殻の一部を遂に破壊することに成功しました!


 亡者たちも歓声を上げて成果を喜んでくれます。

 まあ半分くらいは倒されて消滅してますけどね、亡者たち。


 こちらは大した損害もなく、ハチを大量に駆逐しての敵拠点への打撃に成功。

 さあて、何が出てくるかなっと。


《ジャイアントビー・ラーヴァ

 Lv5 成長増進2》


 うお、気持ち悪いッ!?


 ……まあ当然、蜂の子ですね。

 おや、そこかしこに見える黄色い物体は、もしや蜂蜜では?


 是非とも持って帰りましょう!


「ササキ、蜂の巣を破壊して破片をください」


 ストレージにどんどん放り込んでいきます。

 蜂の子はどうしましょうか。


 あ、亡者がどんどん倒していきます。

 経験値にならなくても、なにがしかのドロップがあるかもしれません。


「幼虫も退治してくださいねー……っうわ!?」


 ぐらり、と地面が揺れました。

 いやここは巣の中ですから、地面ではないのですが。


 そしてゾワゾワとした殺気を伴った濃厚な気配が、こちらに向かってきているのを感じます。


 ……来ましたね、クイーンビー!


 バキバキと巣を自らの巣を破壊しながら、ソイツは現れました。


【クイーンビー“ジ・ワン”シャルルステラが現れました】

【速やかに討伐してください】


《クイーンビー“ジ・ワン”シャルルステラ

 Lv65 顎牙13 脚剣6 麻痺針9 魔法剣4 風魔法4 飛翔3 蜂兵誘引6 統率7 魔神の眷属》


 ちょっとレベル高いですかね?


 ……いえ、ここで怖気づくようなら最初から来てません。

 さあ、気合い入れて行きましょう!!


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