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幻想と召喚の絆  作者: イ尹口欠
桜が乱れ咲く里編
68/151

58 合体

 …………。

 なるほどねー。


 どうもファナです。

 森人族の里にある集会場、その地下にある召喚スペースで合体の候補を眺めていたところです。


 いやなんというか、ドラゴンたちに申し訳ない、それがまず感想ですね。


 そりゃドラゴンゾンビといえばファンタジーではおなじみの存在ですから、私も期待はしていたんですよ。

 でも竜の側からすれば堪ったもんじゃないですよね。


 力を貸すぜ! と現れた次の瞬間、ゾンビにされるんですもの。


 あれは竜たちの態度が悪いというか、ネクロマンサーに合体されるのが嫌だったんでしょうね。

 ホワイトドラゴンの悲しそうな目の意味がなんとなくわかった気がします。


 ……というわけで、ドラゴン全てにゾンビが合体できます。

 結果はドラゴンゾンビ(毒の吐息)かドラゴンゾンビ(毒の爪)になっちゃいます。

 例外としてホワイトドラゴンだけがドラゴンゾンビ(猛毒の吐息)になって異彩を放っていますから、今となっては自分が合体の筆頭候補だと悟っていたのでしょうね。


 さてそんなドラゴンたちですが、何もゾンビにするだけが取り柄じゃありません。

 なんとソウル・デスサイズと某の爪を合体させ、ドラゴン・デスサイズという良く分からないブツを生み出すことが出来るのです。


 あ、もちろんソウル・デスサイズにグールを掛け合わせてコラプト・デスサイズにもできるんですけどね。

 そしてもちろんイビルゴーストに掛け合わせればダンシング・デスサイズになるのですが、グラインダーの問題児っぷりを見るに二体目のリビング系は正直欲しいと思いませんね。

 せめて鎧型とか、もう少し地に足の着いた奴でお願いします。


 さてそんな選択肢もありますが、ここは断然ドラゴン・デスサイズでしょう。


 ちなみにソウル・デスサイズを装備できるのはスケルトン・キャスターだけで、スケルトン・ガーディアンのササキには無理でした。

 まあ盾を持てなさそうな両手武器なので、仕方ないですね。


 とういかむしろなぜキャスターが、とも思ったのですが、死神の鎌だと思えばなんとなく戦士より魔法使いの方が似合うのも道理かと納得しました。


 しかしドラゴン・デスサイズにしたところで、果たしてキャスターは鎌を振るって前衛で戦い始めるというのでしょうか。

 それはそれで不安ですが……。


 まあなるようになるでしょう。

 合体はしないよりした方が断然、強いですからね。


 それから素早いゾンビのワイトくんですが、なんと爪に合体できることが判明しました。

 ドラゴンゾンビ(猛毒の爪)になるようで、丁度レアドラゴンがゾンビで猛毒のブレスになるように、レアのワイトで猛毒の爪にできるということのようです。

 やはり一瞬しか召喚されないドラゴンでも、合体したほうがステータスは上がります。

 そもそもワイトくんはほとんど使ってませんからね。

 合体に供してしまいましょう。


 あ、ちなみにスプリントアーマーは無事にムラマサに合体できそうなので、これは決定ですね。


 さてそれでは決まったところで、早速……いやまず手持ちの召喚獣の確認から行きましょうか。


《合体召喚獣》

 スペクター・ウォーリアバロン(ヨサク/七体合体)

 レイス・ソーサレス(マドカ/四体合体)

 スペクター・ブレイドマン(ムラマサ/四体合体)

 リビング・チャクラム(グラインダー/三体合体)

 スケルトン・ガーディアン(ササキ/三体合体)

 マミー・インスペクター(マルキド/三体合体)

 デュラハン(セルフィ/二体合体)

 スケルトン・バリスタ(ロビン/二体合体)


《ネクロマンサー》

 スケルトン・キャスター

 ワイト

 イビルゴースト

 グール

 マミー

 ゾンビ


《ソウルブリンガー》

 ソウル・デスサイズ

 ソウル・スプリントアーマー


《ドラゴンメイジ》

 レッサードラゴン(火の吐息)

 レッサードラゴン(火の爪)

 レッサードラゴン(水の吐息)

 レッサードラゴン(風の爪)

 ホワイトドラゴン(光の吐息)


 その数、21体……ていや多すぎでしょう。

 まあドラゴンは一発撃ったら退場するので、実質16体でしょうか。

 それでもまだパーティ枠5に対して三倍以上の数を誇っております。


 さあて今回はあまり減りませんよ。


【ソウル・デスサイズにレッサードラゴン(風の爪)を合体します】

【ドラゴン・デスサイズが誕生しました】


【スケルトン・キャスターにドラゴン・デスサイズを合体します】

【スケルトン・リーパーが誕生しました】


【スペクター・ブレイドマンにソウル・スプリントアーマーを合体します】

【スペクター・フェンサーが誕生しました】


【レッサードラゴン(火の爪)にワイトを合体します】

【ドラゴンゾンビ(猛毒の爪)が誕生しました】


【ホワイトドラゴン(光の吐息)にゾンビを合体します】

【ドラゴンゾンビ(猛毒の吐息)が誕生しました】


 よし、これで――うん?


 なんと合体対象が増えているじゃありませんか!


 しかもこれは……面白い組み合わせですよ!?


 スケルトン・リーパーにイビルゴーストを掛け合わせたグリムリーパー。


 リビング・チャクラムのグラインダーにドラゴンゾンビ(猛毒の爪)を掛け合わせたフライング・ドラゴンクロウ。


 デュラハンのセルフィにドラゴンゾンビを掛け合わせたデュラハン・ドラゴンライダー。

 ちなみにこのドラゴンは猛毒の爪でも猛毒の吐息でもどちらでも構わないようです。

 騎竜召喚というスキルが増えるようですが、どうやら一時的にドラゴンゾンビを召喚して騎乗し、戦えるようですね。

 常にドラゴンゾンビに乗っている状態なら更に面白かったのですが……まあ一時的にでも航空戦力となるのは心強いです。


 ドラゴンゾンビ(猛毒の爪)はグラインダーの合体候補なので、必然的にセルフィの合体相手はドラゴンゾンビ(猛毒の吐息)です。

 この二体の違いはきっと、文字通りなのでしょうね。


 航空戦力として見る場合、接近しての爪攻撃より先制遠距離攻撃の猛毒の吐息の方が、美味しい気がしますから個人的にはむしろオーケーです。


 さあ、この合体も済ませてしまいましょう!


【リビング・チャクラムにドラゴンゾンビ(猛毒の爪)を合体します】

【フライング・ドラゴンクロウが誕生しました】


【スケルトン・リーパーにイビルゴーストを合体します】

【グリムリーパーが誕生しました】


【デュラハンにドラゴンゾンビ(猛毒の吐息)を合体します】

【デュラハン・ドラゴンライダーが誕生しました】


 ……いやあ。これはなんだ。


 まず召喚獣の成長に関して説明しておきましょう。


 召喚獣は召喚士のレベルが5の倍数になる度に、新たなスキルを習得したりスキルの段階を上げたりします。

 つまり通常、召喚獣は初期スキルの数も相まってプレイヤーよりかなり弱い状態で、更に成長も五分の一という微妙な強さなわけです。

 もちろんプレイヤーとは違い人間ではないというメリット……例えば毒が効かなくて疲労がないアンデッドや、全体的に野生味を残しているためか高い能力値を誇る動物などがあるため、単純に弱いと切り捨てることは出来ません。


 さてここで問題になるのは、合体召喚獣の成長です。

 レベル5ごとに成長するのは変わりません。

 ただし合体数……元の召喚獣の数だけ、成長があるので、後で合体しないと弱くなるようなことはありません。


 しかしそうすると七体合体のヨサクの成長がどうなるか皆さん、もう想像がつきますよね?


 ……実際、越えているんですよ。プレイヤーの成長を。


 なんせ私たちプレイヤーが5レベル上がるごとに七つのスキルを習得するのですから、差は開く一方です。


 ヨサクのスキル数は現在、三十七個。

 プレイヤー換算で33レベルくらいの強さがあるということです。


 非魔法攻撃無効のような明らかにSP1点と釣り合わないスキルもあるので、実際にはもっと上かもしれません。


 さて今回の合体で、ムラマサとグラインダーが五体合体召喚獣になりました。

 スキル数にやや誤差はあれど、ほぼレベル20相当、方向性は違えどプレイヤーである私と同じくらいの強さがあるということです。


 さてそんなプレイヤーレベルに追いついてしまった召喚獣たちはもちろん、今回はちょっと毛色の違う強化をされた面々がいます。


 デュラハン・ドラゴンライダーのセルフィとグリムリーパーくんですね。


 セルフィは合体により騎竜召喚の第六段階を習得しています。

 これは一日に六十秒間、ドラゴンゾンビを召喚して騎乗することができるというスキルですが、……六十秒間って相変わらずドラゴンはケチくさいですね。


 や、そうではなく。


 どうも召喚されたドラゴンゾンビは、あのレッサードラゴン級の強さを持ち、猛毒のブレスを吐くこともできるようなのです。

 いくら六十秒……一分とはいえ、破格の戦力が追加されるのですよ!


 つまりセルフィの戦力は実質二倍以上。

 これはもう合体数うんぬんでは語れない強さになったと言えましょう。


 そしてグリムリーパーくん。

 ついにスケルトンではなくなり死神となった彼は、合体元の召喚獣の誰もが持っていなかった死の手なる不穏なスキルが生えていました。

 スケルトンがスペクターになると畏怖を習得したように、種族が進化したため増えたものと思われます。


 効果は、素手で触れると即死判定が発生するそうですね。


 …………ええ、即死判定です。


 どれだけ確率が低いか知れませんが、遂に恐るべきスキルがお目見えしましたよ!


 いやあ死神を従えられるなんて、ネクロマンサー冥利に尽きるなあとは思っていましたが、これもまた合体数では測れない強さを秘めている可能性が高いです。


 しかもグリムリーパーくんの闇魔法はマドカを越えた第六段階に到達しているのです。

 風魔法は相変わらず第一段階のままなんですけどね?


 あ、もちろんイビルゴーストを合体させたため、非魔法攻撃無効がついています。

 本当、なんなんだこの強さは。


 ティアー1を合体しまくったヨサクは確かに強いのですが、ティアー2やドラゴンが混ざった連中の強さはまた別次元といった感じですね。


 いやはや、楽しくなってまいりましたよ。


 おっとそれからフライング・ドラゴンクロウになったグラインダーですが、円盤状の身体はそのままにギザギザした竜の爪がノコギリ歯のように生えています。

 チャクラムというよりはライジングサンといった形状ですね。


 どのくらい威力が増したかは、実践での結果を見て確かめたいところです。


 さて合体の結果を確認しておきましょうか。


《合体召喚獣》

 スペクター・ウォーリアバロン(ヨサク/七体合体)

 スペクター・フェンサー(ムラマサ/五体合体)

 フライング・ドラゴンクロウ(グラインダー/五体合体)

 レイス・ソーサレス(マドカ/四体合体)

 デュラハン・ドラゴンライダー(セルフィ/四体合体)

 グリムリーパー(四体合体)

 スケルトン・ガーディアン(ササキ/三体合体)

 マミー・インスペクター(マルキド/三体合体)

 スケルトン・バリスタ(ロビン/二体合体)


《ネクロマンサー》

 グール

 マミー


《ドラゴンメイジ》

 レッサードラゴン(火の吐息)

 レッサードラゴン(水の吐息)


 合計13体、うち一瞬で退場するドラゴンが2体ですので、戦力は11体ですね。

 パーティ枠が5体なので丁度いい数ではないでしょうか。


 予想よりも合体できたため、随分、数を圧縮できましたね。

 質の向上は望ましい限りです。


 さて今回は新戦力のグリムリーパーくんに名前をつけてあげましょう。

 なにがいいかなー。


「よし今日から君はフジキだ」


「……」


 ちなみにウチの近所に藤木葬儀会館という建物があります。

 もしかしたら私の葬式、そこであげられたかもしれませんね。


 さあて外に出てからドラゴンの試し撃ちに……あ。


 カナコさんのことをすっかり忘れてましたね。

 しかも私、召喚した時点のスクリーンショット、撮り忘れてませんか?


 …………。


 ま、まあいいか。

 吐息がふたつもあれば十分でしょう。

 あとはなんとなく覚えている範囲でお話すれば大丈夫。

 カナコさんもそんな鬼じゃないですって。


 ほんと、あんまり怒られないといいですねー。


◆合体まとめ


 *** ビフォー ***


《ネクロマンサー》

 スケルトン・アックスマン(ヨサク) ①

 ゾンビ ⑨

 ゴースト(グラインダー) ⑫

 リッチ・ガール(マドカ) ⑰

 スケルトン・ソードマン(ムラマサ) ⑦

 ゾンビ ⑭

 ゴースト ③

 ゴースト ⑩

 スケルトン・アーチャー(ロビン) ㉟

 マミー(マルキド) ㉜ 

 グール ⑥

 イビルゴースト ⑲

 スケルトン・ガードマン(ササキ) ㉙ 

 グール ㉞

 デュラハン(セルフィ) ㉑

 スケルトン・キャスター(フジキ) ㉕

 ワイト ⑯

 イビル・ゴースト ㉘

 グール

 マミー

 ゾンビ ㉔


《ソウルブリンガー》

 ソウル・ブレイド ⑧

 ソウル・スタッフ ⑱

 ソウル・ショートスピア ㉒

 ソウル・チャクラム ⑬

 ソウル・ブレストプレート ②

 ソウル・チェインクロース

 ソウル・チェインメイル ㉚

 ソウル・マント ④

 ソウル・ラウンドシールド ㉛

 ソウル・ハルバード ⑤

 ソウル・ウィップ ㉝

 ソウル・アーバレスト ㊱

 ソウル・ウイエ ⑳

 ソウル・デスサイズ ㉖

 ソウル・スプリントアーマー ⑪


《ドラゴンメイジ》

 レッサードラゴン(火の吐息)

 レッサードラゴン(火の爪) ⑮

 レッサードラゴン(水の吐息)

 レッサードラゴン(風の爪) ㉗

 ホワイトドラゴン(光の吐息) ㉓


 *** 合体内容 ***


 スケルトン・アックスマン ①

  + ソウル・ブレストプレート ②

 =スケルトン・アックスナイト

  + ゴースト ③

 =スペクター・アックスナイト

  + ソウル・マント ④

 =スペクター・アックスバロン

  +(ソウル・ハルバード ⑤

    + グール ⑥

    = コラプト・ハルバード)

 =スペクター・ウォーリアバロン


 スケルトン・ソードマン ⑦

  +(ソウル・ブレイド ⑧

    + ゾンビ ⑨

    =ポイズン・ブレイド)

 =スケルトン・ブレイドマン

  + ゴースト ⑩

 =スペクター・ブレイドマン

  + ソウル・スプリントアーマー ⑪

 =スペクター・フェンサー


 ゴースト ⑫

  +(ソウル・チャクラム ⑬

    + ゾンビ ⑭

    =ポイズン・チャクラム)

  +(レッサードラゴン(火の爪) ⑮

    + ワイト ⑯

    =ドラゴンゾンビ(猛毒の爪))

 =フライング・ドラゴンクロウ


 リッチ・ガール ⑰

  + ソウル・スタッフ ⑱

 =リッチ・ソーサレス

  + イビル・ゴースト ⑲

 =レイス・ソーサレス

  + ソウル・ウイエ ⑳

 =レイス・ソーサレス


 デュラハン ㉑

  + ソウル・ショートスピア ㉒

  +(ホワイトドラゴン(光の吐息) ㉓

    + ゾンビ ㉔

    = ドラゴンゾンビ(猛毒の吐息))

 = デュラハン・ドラゴンライダー


 スケルトン・キャスター ㉕

  +(ソウル・デスサイズ ㉖

    + レッサードラゴン(風の爪) ㉗

    = ドラゴン・デスサイズ)

 = スケルトン・リーパー

  + イビルゴースト ㉘

 = グリムリーパー


 スケルトン・ガードマン ㉙

  + ソウル・チェインメイル ㉚

 = スケルトン・ガードマン

  + ソウル・ラウンドシールド ㉛

 = スケルトン・ガーディアン


 マミー ㉜

 +(ソウル・ウィップ ㉝

   + グール ㉞

   = コラプト・ウィップ)

 = マミー・インスペクター


 スケルトン・アーチャー ㉟

 + ソウル・アーバレスト ㊱

 =スケルトン・バリスタ


 *** アフター ***


《合体召喚獣》

 スペクター・ウォーリアバロン(ヨサク/七体合体)

 スペクター・フェンサー(ムラマサ/五体合体)

 フライング・ドラゴンクロウ(グラインダー/五体合体)

 レイス・ソーサレス(マドカ/四体合体)

 デュラハン・ドラゴンライダー(セルフィ/四体合体)

 グリムリーパー(フジキ/四体合体)

 スケルトン・ガーディアン(ササキ/三体合体)

 マミー・インスペクター(マルキド/三体合体)

 スケルトン・バリスタ(ロビン/二体合体)


《ネクロマンサー》

 グール

 マミー


《ドラゴンメイジ》

 レッサードラゴン(火の吐息)

 レッサードラゴン(水の吐息)


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