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幻想と召喚の絆  作者: イ尹口欠
プロローグ
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2 召喚

 ギルドの召喚スペースを借りました。


 召喚スペースとは、職業ごとに召喚獣を呼び出すことのできる魔法陣が設置された部屋のことです。

 ここネクロマンサーギルドでは、壁に黒いシルクのような布が掛けられ、ドクロや交差した大鎌などが飾られています。

 どことなくゴシック調で、退廃的な雰囲気を漂わせていますね。


 召喚士組合ならどこにでもある基本的な設備で、部屋の内装を除けば使用感に差はありません。

 もっとも職業によって召喚されるものは千差万別、それどころか同じ職業でも何が召喚されるか分からない仕様……つまりチャチなソシャゲのガチャと変わらないんですねー。


 では早速、ガチャりましょう!


「召喚!」


 あ、ちなみに掛け声は必要ありません。


 部屋の床に描かれた禍々しい魔法陣からこれまたドス黒い光とともに、二足直立したガイコツが現れました。


【スケルトン・アックスマンを召喚しました】


 可愛いホネですね。

 これがいきなりゴースト系とかだと、ちょっと予定が狂うところでしたが、無事にスケルトン系を引けて何よりです。


 さあまずは最初のオトモダチに名前をつけましょうか。


「君、ヨサクね」


「……」


 コクリと頷く仕草がキュートです。

 やっぱりスケルトンは癒やされますね。


 さてこのヨサク、実は何も持たずに召喚されてきたうっかりさんなのです。

 斧を持たせなければアックスマンはタダのホネ。

 前衛を任せるには心許ないこと、この上ありません。


 というわけで武器を買いに、大通りに向かいましょう!


     ◆


 NPCの武器屋で鉄の斧と木のバックラー、革の鎧をヨサクに、私は木の杖だけ購入しました。

 装備のないスケルトンは他職の召喚獣に比べてハッキリ劣ります。

 装備があってようやく五分か少し強いくらいでしょうか。

 プレイヤーの装備も整えなければならないことを考えると、ネクロマンサーはどうしても資金繰りが厳しくなりがちです。

 不人気の理由の一つですね。


 まあ私の装備を後回しにするだけで解決する程度の問題です。

 どうせ後ろから魔法を使うだけですから、防具なんて飾りにしかならないでしょう。


 大通りはサービス開始直後の混雑が幾分落ち着いてきたものの、待ち合わせや装備の購入、まだ職業を決めきれていないプレイヤーの雑談など、まだまだ賑わいが続くようですね。

 人混みと視線が鬱陶しいので、さっさと街の外に出ましょう。

 開幕スタートダッシュは基本だと思うのですが、モタモタしているプレイヤーが多いのは意外です。


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