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その後もアイアン・ゴーレムやらブラス・バードやら、金属製のゴーレム系の魔物を退けながら、遂に最上階と思しき天井の高い広い部屋にたどり着きました。
いや、ほんと生物がいないために苦労しましたよ。
ゴーレムがアンデッドにとってここまで相性が悪い相手だとは知りませんでした。
……まあ、最後の最後に、特大のゴーレムと戦わされるようですが。
《ミラー・コロッサス
Lv60 格闘12 光線12 筋力強化12 生命強化12 地耐性12》
全身が鏡張りの巨像です。
第十二段階もある光線が果たして鏡張りの全身で乱反射する様が目に浮かびます。
範囲光線?
そんなの食らってられませんよ!!
ルシオをパーティから外して火属性のレッサードラゴン・レギオンを呼び出します。
ぎゅるん、とみっつのゲートが組み合わさり、レッサードラゴンが現れます。
『ギャオオオオンッ!!!!』
ブレスを吐き出し、爪と尻尾でミラー・コロッサスを殴り飛ばします。
おお、ここに来てついにドラゴンを目にすることができるとは……!!
しかしすぐにシュルン、とみっつのゲートに変わり、パーティから外れてしまいました。
帰るの早っ!
しかしいい仕事をしてくれました。
敵のHPバーはごっそり削れていますよ!
続いて水属性のレッサードラゴン・レギオンをパーティに入れて放ちましたが、こちらは吐息と爪しかないので、それぞれで攻撃してお終いです。
なるほど、ドラゴンとして召喚したければ吐息、爪、尻尾をレギオンにしなければならないようです。
うお、ドラゴン二連打で大ダメージを受けたコロッサスが怒ったのか、光線を全身から放ちましたよ!?
私を含めて全員のHPがゴリっと減ります。
元気なのは……ミスリム、流石!
「エルダーリッチ同化、リペア・アンデッド!」
まず召喚士である自分の回復が最優先です。
まだドラゴンはありますが、このコロッサスで終わりという保証がありません。
なので全弾を撃ち尽くすわけにはいかないのですよ。
「さあ、全員で攻めろ!」
レッサードラゴンの空いた枠をセルフィで埋めます。
この広い階層ならば、いざとなったら騎竜召喚も可能ですからね!
「セルフィ、ひとまずそのまま突撃! エンチャント・ウィンド!」
こうなってくるとレジスト・ライトがないのが不便ですね。
ネクロマンサーとしては光魔法なんて取得したくはなかったのですが、耐性を得るためだけに取得したくなります。
ブロンズ・トーテムは光線が単体だったから回復していればよかったのですが、コロッサスは全方位に光線を放ってきます。
レジスト・ライトがあれば回復の負担が軽減されるので、非常に有効な選択であるはず。
現在のSPは8点。
うん、1点で光耐性を付けられるなら悪くないじゃないですか?
すぐに光魔法の第一段階を取得し、パーティメンバーにレジスト・ライトを掛けていきます。
ふと思いついて、セレブリティスカラーの専用魔法グリッター・アクセサリをヨサクのダイヤモンド・ネックレスとダイヤモンド・アンクレットに掛けます。
グリッター・アクセサリはソウルブリンガーのアウェイクパワーと同様に、アクセサリの効力を増幅する効果の魔法です。
これでヨサクの光耐性はかなりのもの。
少なくとも回復の手間はかなり軽減されることでしょう。
アウェイクパワーよりも消費が少ないので、気軽に使えるのがいいですね。
巨像の足元に何度もハルバードと刀、メイスや槍が叩き込まれます。
相手の攻撃手段は格闘と光線ですから、後は殴り倒すだけですね。
これはもう、勝ったも同然でしょう。
◆
【第一の封印の塔:試練をクリアしました】
ふう、HPが四分の一くらいから光線の頻度が上がってヒヤヒヤしましたが、なんとか勝てました。
レジスト・ライトは英断でしたね。
ゴゴゴ……、と重い音とともに部屋の奥に上り階段が現れました。
はて、試練をクリアしたのにまだ上に登れと。
一体なにがあるんでしょうね?