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前回のあらすじ
炭鉱の大穴を降りて地底世界にやって来たぞ!
地底世界を歩き始めて数歩、いきなり魔物が地面から現れました。
《サンドワーム
Lv20 牙7 砂吐き5 弾力5 敏捷強化3》
ぎゃー!?
また芋虫系か!!
この運営はほんとに芋虫が好きだな!!
「全員、アレを速やかに倒せ!!」
雑な命令に、皆が快く従ってくれます。
ちなみに今の布陣はこんな感じです。
《パーティメンバー》
スペクター・カウント(ヨサク/十五体合体)
スペクター・フェンサー(ムラマサ/八体合体)
レイス・ソーサレス(マドカ/七体合体)
レイス・スカラー(タツヤ/七体合体)
デュラハン・デュアルライダー(セルフィ/六体合体)
グリムリーパー(フジキ/六体合体)
┏フライング・ドラゴンクロウ(グラインダー/五体合体)
┗フライング・ドラゴンクロウ(チゼル/五体合体)
┏スペクター・バンカー(ロビン/五体合体)
┗スペクター・ボウアーチャー(フッド/四体合体)
┏ジャイアントバット・レブナント
┣ジャイアントバット・レブナント
┣ジャイアントバット・レブナント
┗ジャイアントバット・レブナント
真っ先にグラインダーとチゼルが突っ込み、それを速度が乗ったセルフィが追い抜いて一番槍、そして矢と魔法とともにフライング・ドラゴンクロウのコンビが切り裂き、突き刺さるという流れ、いつも通りですね。
ヨサク、ムラマサ、フジキ、レブナントたちが辿り着く頃には戦闘は終わってしまいました。
レベルも低かったし、仕方ないですね。
ジャイアントバット・レブナントたちの動きが鈍いのは、ステータスが減少している以上にAIが成長していないせいでしょう。
ほぼ号令と同時に飛び出した面々の中で、スタートが遅れたのがレブナントたちです。
まあこの子らとも、街についたらお別れになるので、成長もなにもないのですが。
しかし便利なレブナント・レギオンでしたね。
この地底世界でも優秀な斥候役を使役したいものです。
◆
何度かの遭遇戦を切り抜け、無事に街まで辿り着けました。
街は魔物を寄せ付けまいと高い外壁でぐるりと囲まれており、門は堅く閉ざされています。
窓からこちらを見ている人がいますね、開けてもらいましょう。
「たのもー!」
「貴様、そのアンデッドの群れは一体なんだ!?」
ええ?
確かにアンデッドですが、可愛いウチの子たちのどこが不満なんでしょうか。
「私はネクロマンサーのファナと申します。この街に立ち寄らせてもらいたいのですがー!」
「はあ!? ちょっとそこで待ってろ!!」
窓からバっと消えてしばらく待った後、門が少しだけ開いて門番の男性が出てきました。
低い身長に髭面、ガッシリした体格、どうやら山人族のようですね。
ただ街の鍛冶師などで見かける山人族より、かなり色白です。
「ネクロマンサーと名乗ったな? 山人族の子供かと思ったが……よく見たらどうも我々とは違うようだ」
「炭鉱に空いた大穴から降りてきたんです。そういう方は他にいないのですか?」
「炭鉱の大穴だと!? そんな馬鹿な……」
門番の男性は「だがそうでもなければ」とか「いやしかし」などとブツブツ呟いた後、
「上司に確認してもらう。一緒に来てもらおう。だがそのアンデッドたちは街の中に入れるわけにはいかん」
「あ、はい。じゃあ仕舞いますね」
全員をパーティから外します。
ああ、さようならジャイアントバット・レブナントたち。
どのみち、街に入るなら破棄する必要があるとは言え、本当に便利な連中だったんですよ。
「本当に召喚獣なんだな……」
「だからそう言って……まさかネクロマンサーギルドがないのですか?」
「ああ。その辺も、まとめて上司と話してもらわなきゃな」
門番について門の中に入りました。
……どうもややこしいイベントが始まったようですよ?
2年半もの長き沈黙を破って更新再開しました。
もう話を忘れてる方ばかりかと思いますが、しばらくの間、お付き合いください。




