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引き続きジャイアントバット・レブナントくんが斥候役を務めております第二階層、早速魔物との遭遇戦です。
《マーダーアント
Lv40 牙13 蟻酸6 跳躍5 敏捷強化5 筋力強化5 蟻兵誘引6》
ジャイアントアントより小柄で、しかし素早くて強いわけですね。
おまけに仲間まで呼びます。
なかなかの強敵ですね!
蟻酸に気をつければ、と言いたいところですが、跳躍と素早い動きで避けるのが困難らしく、頻繁に被弾しています。
体液に乏しいアリからはジャイアントバットも吸血できないようですし、……あ、ヨサクがハルバードで叩き潰しましたね。
素早い代わりに結構、脆いようです。
…………ふむ。
敵は無事に全滅させられましたが、少し思いついたことがあるので、試してみましょう。
まずジャイアントバットをパーティから外して消滅させます。
次に、
「クリエイト・アンデッド!」
マーダーアント・レブナントを作り出します。
「マーダーアントくん、ちょっと蟻兵誘引を使ってもらえるかね」
「……」
ピクリ、とマーダーアント・レブナントが虚空を見上げると……特に変化がありませんね?
…………お、なにやらガサゴソと足音が近づいてきますよ。
やった!
新手のマーダーアントです!
「よし、全員で迎撃!」
これはいい狩場を発見してしまいました。
レベルが上がるまでちょっとここで遊んでいきましょう!
◆
タツヤを外してロビンを入れました。
いくら素早くとも、狭い洞窟内ですから、アーバレストを当てるのはさほど難しくはありません。
マーダーアントも常にピョンピョン飛び跳ねているわけではありませんしね。
マドカのファイヤボール、フジキのウィンドブラスト、抜けてきた奴をヨサク、ムラマサ、ミスリム、グラインダー、マーダーアント・レブナントが相手をする感じです。
マドカはMP自動回復があるので割と長い間戦えますが、フジキはそうでもありません。
適時スケルトン・パイクマンのサリッサと入れ換えてMPの回復に努めてもらいます。
サリッサはパイクという長物を使うだけ会って、合体数が少なくとも距離を取って戦うことが出来ます。
回りのメンバーが強力なのも相まって、ひとりくらい穴があっても全員でカバーしあって敵を倒していきます。
私のMPが心もとなくなってきたら休憩しつつ、これを延々と繰り返します。
第一階層との往復が面倒ですが、野営はやはり地上の方が安全です。
適正レベル40のダンジョン内で野営はさすがに無理があるので、ジャイアントバットをお持ち帰りして外に出ます。
炭鉱入り口付近にテントを立てて私は休み、他の面々は不寝番として周囲の警戒に当たらせます。
そしてまた第二階層へ……。
◆
数日くらい過ぎました。
正確に日数は数えていませんが、野営の回数が三回なので三日くらい経ったのではないでしょうか。
いつから始めたのかちゃんと時計を見ていませんでしたからね。
どうしても疲れないのをいいことに稼働しっぱなしになってしまいます。
睡眠はたまに三時間ほどとれば十分、という感じで。
適正レベル40のダンジョンなので、レベル40で挑んでは楽勝になってしまうのですが、上がってしまったものは仕方ありません。
ええ、……今の私のレベルは40です。
少し、アリを狩りすぎましたねえ。
スタックされたドロップ品の数が、狩ったアリの数を物語っています。
パーティ枠も一体分増えましたから、新たに職業を取得したりできるはずです。
一度、街に戻ったほうが良さそうですね。
ちょうどメオントゥルムの真南で良かったです。
つまりどんなに峻険だろうと、真北の山岳地帯を越えれば、街なのですから。
いざとなれば飛行魔法のドラゴンウィングも飛行スキルつきでありますからね。
さあ、街に戻って第五職業と召喚の時間ですよ!