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幻想と召喚の絆  作者: イ尹口欠
朽ち果てた寺院編
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 ヨサクに任せて一匹ずつ倒していたため、結構な時間が経っていました。

 私がしたことは、サンドアーマーの継ぎ足しとリペア・アンデッドによるヨサクの回復のみです。

 いやー楽ちん楽ちん。


 さて戦闘の結果を確認しましょうか。

 ログにある「周囲の敵を全て倒しました」というメッセージを選択すると、リザルト画面が表示されます。


 ほほう、私とヨサクのたったふたりに対して、なんとワイルドキャットは十体もいたのですか。

 どうりで時間がかかったわけです。

 βのときはもう少し少なかったはずなのですが。


 ドロップアイテムはほぼ換金素材ですが、ひとつだけ「野良猫の鋭い爪」という武器に加工できるアイテムを手に入れました。

 確か槍の穂先とかになる奴でしたかね。

 今のところ私には不用な品ですから、これも売り払ってしまいましょう。


 さて大量の敵を倒したということは、大量の経験値を得たのも同然ということです。


 遂にレベル5になりましたよー!


 『幻想と召喚の絆』では、プレイヤーのレベルが5の倍数になるごとに様々な強化を受けられます。

 まず何と言ってもパーティー枠の追加、これでリッチ・ガールのマドカをパーティーに参加させられます。

 ステータスを見るに、地魔法を除けばプレイヤーである私の代役を務められそうなほどのハイスペックさ、期待できますね。


 さらにレベル5になったことで、ネクロマンサー専用魔法がひとつ増えます。

 リジェネレイト・アンデッド――なんとHPが0になった戦闘不能状態の召喚獣を回復する魔法です。


 もちろんアンデッド限定ですけどね?


 限定とは言え光魔法10の蘇生魔法リザレクションに匹敵する効果があります。


 一見、強力に思えますけれども……実際には、戦闘不能になった召喚獣は一旦パーティーから外して、別の控え召喚獣を出すのがβ時代のセオリーでした。


 レベルキャップが10、つまり召喚獣が十体でそのような戦法が取れるのですから、この正式サービスでは蘇生魔法の出番はかなり限定的になるでしょうね。

 蘇生させる価値があるとしたら、代わりの効かないプレイヤーかレア召喚獣くらいのものですから。


 さてそんな事情を踏まえつつも、リジェネレイト・アンデッドは私の中では高評価なのです。


 なにせ代わりの召喚獣が少ないレベル5での習得、そもそも光魔法のリザレクションではアンデッドを復活させられないため、この呪文がなければ主力が倒れればそれでお終い、なんてことになりかねません。

 そして何より、この魔法は燃費が良いのです。


 莫大なMPを消費するリザレクションと比較しようものなら明らかに消費MPが少ないのです。

 それこそ標準的な回復魔法である地魔法のアースヒール二~三回分程度しか消耗しません。


 つまりアンデッドは倒れるまで酷使したうえで、更に起き上がらせてまた酷使しろというゲームデザインになっているのです。


 素敵にブラックですね!


 やはりネクロマンサーたるもの、死者には不滅であって欲しいわけですよ。


     ◆


「召喚する。来たれ深淵の賢者、マドカ!」


「……」


「……」


 もちろん呪文は必要ありません。


 パーティーメニューからマドカを参加させればいいだけです。

 でも嬉しいですよね、冒険の仲間が増えるのは。

 ついつい香ばしい呪文も叫びたくなろうというものです。


 誰も見てませんしね?


 マドカはクイっとフードを目深に被り直して、どことなく手持ち無沙汰な様子で……おっとここで失敗に気づきました。

 マドカに杖を持たせるのをすっかり忘れていたのです。


 そうです、エクレアさんに注文する予定を立てて満足したのか、店売りの杖を買うのを完全に失念していました。


 ……まあ、いいか。


 そもそもレア召喚獣であるリッチ・ガールを当てにした攻略方法ではありません。

 たまたま現有戦力の中でダントツに強いため起用しているのであって、本作戦の主役はスケルトンのヨサクです。


 それでも少し悩んだ末、マドカには私の木の杖を貸すことにしました。

 私の魔法の効果が少し落ちますが、そこはマドカにMPを負担してもらうと考えれば、収支は合うことでしょう。


活動報告にも書きましたが、次章の執筆が完了しました。

既に予約投稿済みで、更に10日間、実質毎日更新が延長されました。

では引き続き拙作をお楽しみください。

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