表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幻想と召喚の絆  作者: イ尹口欠
カタコンベ攻略編
120/151

109

 おはようございます!

 三時間ほどの仮眠の後、休み無しでヤツハカ牧場までやってまいりました!


 いやー増えてますね、牛に豚に鶏!


 トロールがせかせかとお世話をしていますよ、すっかり牧場ですね。


 さて住人召喚からやってしまいましょうか。

 本命のレベル35の召喚と合体は、徹夜明けにやるもんじゃないので、敢えて後回しにしてきました。


 さあ、何が出るかな?


【ソウル・鍛冶道具を召喚しました】


 おお!

 ……おお。


 スケルトン・スミスくんが喜びそうな代物ですが、残念ながらどの支配地にも鍛冶設備がないんですよ、いまのところ。


 鍛冶設備を置くならヤツハカ城でしょうかね。

 なんか道具類はあそこに全部、集約してましたからね、ヨサクが。


 よし、ちょっと足を伸ばしてヤツハカ城の様子を見ておきましょうか。

 どうせ村に転移したら、道路があるのであっという間ですって。


 よし、ソウル・鍛冶道具を持って村を経由して城へ行きましょう!


     ◆


 ヤツハカ城へやって参りました。

 いやあ村にも城にも宿泊施設があって、なんだかプレイヤーが行き来しているのを目の当たりにすると、色々と込み上げてくるものがありますねえ。


 苦労して支配地を取った甲斐がありました。


 ……いや別に他のプレイヤーのために取ったわけじゃないんですけどね。


 ですが御覧ください、このヤツハカ城の禍々しさを!

 無駄なトゲトゲとか生えてますよ、誰の指示ですかね。


 あ、自主的に?


 私が喜ぶと思って?


 ……大正解。


 偉いよハイゴブリンロードくん。

 君、なかなか見どころあるね?


 よしじゃあ一時間の休憩と行きましょう!

 ヨサク、そこの見どころあるロードくんの指導、任せましたからね!


     ◆


 ユニオンポイントが結構、溜まってるんですよねー。


 どうも内政だけでかなり稼いでいるっぽいですよ?

 アドリアンロットとメオントゥルムを繋ぐ宿場町として完成しているためか、利用数が馬鹿にならないようで。


 特に城のドラゴンインファントたちに餌付けをしているプレイヤーが多くて、奈良の鹿煎餅のごとく餌の売れ行きがかなりあるようなんですね。

 ドラゴンに直接、餌をやれるってなかなかの観光ポイントですもんね。


 誰だ、これを考えたやつは。

 観光大臣なんていなかったはずですが……またロードか。

 君、有能だねえ。


 よし、じゃあご褒美をあげよう。

 ユニオンポイントを消費して、鍛冶設備一式をこの城に!

 そしてウチのスケルトン・スミスとスケルトン・ウッドクラフトマンをこの城に常駐させてあげましょう!


 どどーん。


 はい、ちょうど持ってきたソウル・鍛冶道具も一緒にどうぞ。

 ヨサクー、ちょっとこれ活用してきてー。


 はい、うん?

 鉱石やインゴットがない?


 ……まあ、そりゃそうですよね。


 そこはプレイヤーにでも任せましょうか。

 鉱石やインゴットがあれば買い取ります、と看板を建てておきましょう。


 よし、新しい目玉が完成しましたよ!

 この調子で発展していったら、いつかヤツハカ城下町が出来るかもしれませんね!


     ◆


 城整備のための鍛冶設備を設置し終えた私は、きっかり一時間でスケルトン・スミスとウッドクラフターを残し、ヤツハカ村へ向かいます。


 道中のグリズリーは鎧袖一触で撃破、従属氏族ではないジャイアントビーもやはり瞬殺し、無事にヤツハカ村に戻ってきました。

 しかしそこには意外なとこに、カナコさんとノマキさん、そしてなんとバラスケとセインさんとエクレアさんとソコヤマさんがいるではありませんか!


「ファナ! ひさしぶりですわね」


「エクレアさんこそ。メオントゥルムに来ていたんですか?」


「まだ到着していないんですの。ここからあとは山を越えてすぐでなのでしょう?」


「そうですね。あとちょっとですよ!」


 そういえば彼女らはアドリアンロット周辺で新しい職業を見つけるなど、活躍していましたね。

 さすがはβ経験者。

 フレンドとしても鼻が高いです。


 カナコさんが心なしか上目遣いで私に問いかけてきました。


「ファナ、この四人をユニオンに加入させてもいい?」


「ふむ。いいのではないですか。四人共私のフレンドですからね。住人が増えれば宿場町はもっと発展するでしょうし。さっき城もまた手を入れてきましたしね」


「……城に?」


 カナコさんがメニューを弄りだしました。

 おっと、そういえばまた何も言わずに勝手にユニオンポイントを使い込んでしまいましたね。


「……鍛冶施設? ファナにしてはまともな使い方だけど」


「ええ、住人召喚したらソウル・鍛冶道具が出てきたので、折角なので城に鍛冶設備を整えてきたんですよ」


「肝心の鍛冶師は……?」


「そこはスケルトン・スミスを常駐させるので、問題ありません」


「そう、ならいい」


 ソウル・鍛冶道具と聞いて微妙な表情になったのはソウルブリンガーのセインさんです。


「住人召喚ってそんなものが出てくるのか……」


「セインさん、ソウルブリンガーで一番よく出てくるのはソウル・農具ですよ。気を確かに持って、召喚するといいです。そういえば、第二職業はなんにしたんですか?」


「ああ。私はエレメンタラーだよ。ソウルブリンガーの武具を強化するためにね」


「ああーなるほど」


 今は懐かしきウルシラさんと同じ構成ですね。

 バラスケはネクロマンサーとアニマルテイマー、ソコヤマさんはソウルブリンガーにネクロマンサー、エクレアさんはエレメンタラーとアニマルテイマーだそうですから、住人にアンデッドと動物と精霊と道具が増えるというわけですか。

 バラスケの第一職業とソコヤマさんの第二職業がネクロマンサーなのは嬉しいところです。


 カナコさんを含めて、みんなレベル20を目前にしているらしく、レベリングに熱の籠る時期だそうで、これからパーティを組んでメオントゥルム付近のダンジョンでレベリングするのだとか。


 彼女らがレベル20手前ということは、攻略組はレベル20を越えた辺りでしょうか。

 まだまだ私に追いついてこれるとは思えませんが、このリードを守っていきたいですね。


 よし、気合も入ったので、カタコンベを本格的に攻略していきましょう!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ