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地下墓所の第二階層を歩いていると、懐かしい敵が現れましたよ。
《ロッティングコープス
Lv35 槍9 盾9 器用強化3 敏捷強化4 筋力強化5 生命強化5》
「マドカ、タツヤ。コラプションで腐らせなさい!」
懐かしい戦術です。
まあ元々、物理攻撃しかできない連中ですから支援も必要ないのですが、武器スキルがこちらより上なので時間短縮は必須ですね。
ほんと、あと1レベル上昇すれば、適正レベル通りに戦えそうなのですが。
ロッティングコープスはコラプションを受けて途端に動きが鈍くなりますが、それでも高い能力値のためかなかなか粘ってくれました。
まあ、それでも技能を活かせないゾンビでは、ヨサクたちの敵ではなかったのですが。
第二階層も半分を越えたところで、新たな敵たちと遭遇しました。
《リビング・アーマー
Lv35 剣9 筋力強化4 生命強化4 斬撃耐性9 衝撃耐性9》
うわ、硬い。
これもまた時間がかかりそうな敵です。
物理攻撃しかできないからと言って、時間を掛けては狩りの効率が悪くなる一方ですから、なんとか短縮したいところですね。
開幕のファイヤボールが決まりましたが、魔法に弱いというわけでもないので、HPバーは普通にしか減りません。
仕方ないので、使いましょう。
「ターン・アンデッド!」
リビングアーマーの一体が消滅します。
経験値もドロップも手に入りませんが、数を減らすのが重要なのです。
こうして前衛の数より減らしたリビングアーマーは、粘りに粘りましたがなんとか破壊することに成功しました。
いやあ、ほんとなんなんですかこのダンジョン。
実はアンデッドばかりってネクロマンサーと相性悪いのではないのでしょうか。
薄々、そんな気はしていたのですが……。
……いやいや、まだですよ。
範囲魔法はコマンドアンデッドで自爆させられるし、数が多ければターンアンデッドで減らせるし、そう悪くないはずです。
さあ、残るEXPもあと少しです。
なんとかレベル35にして、このダンジョンを攻略してしまいましょう。
◆
第三階層への下り階段を見つけましたがスルーして、第二階層をうろうろしました。
結果、なんとかレベル35になりましたよ!
いやー雑魚ばかり結構厄介なのが多いなか、なんとか5の倍数レベルに到達です。
パーティ枠が増えたので、フジキを加入させて開幕のウィンドブラスト係に任命します。
これで少しは戦闘も楽になるでしょう。
さて、一旦地上に戻って召喚しておきましょうかね。
その後でヤツハカ牧場の様子を見に行くとしましょう。
家畜を購入したは良いけれど、ちゃんと育ててくれているのでしょうか。
……割りと不安ですね。
カナコさんが面倒を見てくれるとは言ってくれていましたが、彼女たちにもレベリングがありますからね。
目は行き届いていないはずです。
さあ、久々に地上に出ましょうか!
◆
第一階層に出ると、偶然、ディアドラさんと出くわしました。
「あ、どうもお疲れ様です」
「ああ……全く出てこないから死んだのかと思ってた」
「いえいえ、ずっと潜ってたんですよ。ようやくレベルアップです」
「そうかそれはめでたいな。…………待て、ずっと?」
「はい」
ディアドラさんはこめかみを押さえて、「ずっと?」と繰り返して言いました。
「はい。ずっとですが……何か?」
「いや、だってファナ、確か前に会ったのは丸一日くらい前だったはずだが」
「ええ。ですからずっと潜ってましたよ」
「…………そうか。まあ無茶はほどほどにな」
「あ、ご心配をおかけしましたね。すみませんでした」
「あと若いっていいな」
「そう若くもないんですけどねー……」
疲れない身体って便利ですね!
ええ実はなかなかレベルが上がらず、敵は硬いわMP消費は激しいわで、時間効率が悪かったのですよ。
お陰で丸一日、徹夜する羽目になりました。
カタコンベから出たらまず宿で仮眠を取らないと駄目ですね。
さあ第一階層はディアドラさんが掃討してくれているので、ほとんど魔物と出会うことなく地上に出られます。
あとちょっとですよ、頑張れ私!