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幻想と召喚の絆  作者: イ尹口欠
アンデッド村開拓記編
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【ダークトロール・ロード“狂戦士”ゴルヴァンが討伐されました】

【トロールの集落を完全解放しました】

【トロールの集落を支配下に置きますか?】


 もちろんイエス!


【現地の氏族トロールが恭順を求めていますが、受け入れますか?】


 もちろんイエス!

 特にテイマーは大歓迎ですよ!


 トロールの集落などという無骨な名称を即座に『ヤツハカ牧場』に変え、ダークトロール・ロードのドロップアイテムを選択します。


「クリエイト・アンデッド!」


 無事にダークトロールロード・レブナントが作成されましたね。

 よし、ここは君に任せるぞ。

 後で牧畜用の牛や豚、鶏などを買って来なくてはなりませんね。


 おっとテイマーのドロップアイテムはあるでしょうか。

 結構な長時間戦っていたので、クリエイト・アンデッドの一時間制限に引っかかりそうで怖いですね。

 ギリギリ間に合った四体のトロールテイマー・レブナントを作成し、テキトーにダークトロール・レブナントを何体か作成して牧場の守衛に任じます。


 さあ恒例の一時間休憩にしましょうか。

 子爵の政治的手腕を見せてもらいましょう!


 おっと私もレベルがふたつも上がったので、住人だけでも召喚しておきましょうかね。

 何が出るでしょうか。


【ゴーストを召喚しました】

【ソウル・農具を召喚しました】


 あーはいはい。

 なんとつまらない結果……。


 あ、でも支配下に置いたトロールは農作ができるし、人語を解するゴーストがここに一体いるというのは、悪くないかもしれませんね。

 商売、するのでしょうか。

 ……どこと?


 残念なことにヤツハカ村はもちろん、山も城もかなりの距離があり、更にメオントゥルムもルフレミラントとも距離のある隔絶した土地です。

 これは困りました。

 牧場だけあっても、それは畜産ではなく動物園にしかなりません!


 …………。


 このダダ余ったユニオンポイントを使って何かできないものでしょうか。

 例えばこの1000ptとか書いてある転移門って文字通りだとすると、流通革命起きますけど。


 …………。


 やっちゃう?

 ツヴァイのユニオンポイント、ここで使っちゃう?

 なんか村の発展に貢献してるカナコさんには悪いけど、全部合わせると1000ptに手が届くのですよね。


 よし、カナコさんには悪いけど、転移門。

 いかせていただきます!


 ぽちー。


【転移門を設置しました】

【対になる転移門を設置する場所を選択してください】


 おお、どうやら支配地を自由に行き来できる系の設備だったようですね。

 これは大当たりですよ!

 きっとカナコさんも大喜びに違いありません。


 これは牧畜と農業とのシナジーを考えてヤツハカ村と繋ぐしかないですね!


【ヤツハカ牧場とヤツハカ村に転移門を設置しました】


 どどーん。

 おお、なんか荘厳な雰囲気の門が地面から生えてきましたよ!?


 早速、くぐってみましょう!


     ◆


 転移門をくぐった先には、カナコさんがいました。


「……で、これは何?」


「えーはい。転移門と申しまして、支配地を行き来するための設備です」


「どこと、どこを繋いだの?」


「えーここヤツハカ村と、ヤツハカ牧場とを結んでいます」


「……牧場?」


「ええ! ついさっき、支配下に置いたんですけどね? 広域マップだとこの辺りに」


「…………」


「…………」


「転移門……1000pt? いったいどこからそんなポイントを捻出したの?」


 あ、魔王ツヴァイを倒してからユニオンメニューを開いていなかったらしいですね。

 まあそんな頻繁にチェックするメニューじゃないですから当然といえば当然ですか。


 しかし掲示板で話題沸騰中の魔王を倒したなんて話しても面倒くさいので、なんとか誤魔化したいところです。


「そこはまあ色々あったんですよ」


「…………」


 あからさまな誤魔化し方に呆れたのか、カナコさんの口が開きっぱなしです。


「ともかく、私は一旦、メオントゥルムに行って家畜を仕入れて来ますね。牛とか豚とか鶏とか? ヤツハカ牧場にはトロールしかいないので」


 しかしノマキさんがやってきて、


「いや、それは無理があるだろ」


 と言い出しました。


「え、何か無理がありましたか」


「だって牛舎とか無いだろうに、どうやって飼うんだよ」


「そこはトロールテイマーがなんとかしてくれると信じているのですが」


「……そんなうまくいくのか?」


「……さあ」


 やってみなくちゃ分かりませんよ!


 見かねたカナコさんが疲れた表情で「分かった面倒は見ておく」と言ってくれたので、私は家畜を仕入れて牧場に置いておくだけになりました。


     ◆


 転移門をくぐり、ヤツハカ牧場に家畜を置いて、私はようやくルフレミラントへ向かう旅を再開することにしました。

 普通に考えて寄り道しすぎですね。


 メオントゥルムで情報収集してから船旅をしていれば、今頃はすでにルフレミラントにいたはずなのですから。

 支配地を漁ったり内政したりしているので、目的地に一向に辿り着かないのです。


 というわけで強行軍で一気に進みますよー!


 トロールの集落ことヤツハカ牧場からはだいたいメオントゥルムとルフレミラントが二日ほどと同じ距離にあります。

 つまりちょっと一晩くらい徹夜すれば、一日の距離なのです。


 ……いやほんとか?


 自分で言ってて首を傾げますが、行けそうなので行ってしまいましょうか。


 では出発進行!


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