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幻想と召喚の絆  作者: イ尹口欠
アンデッド村開拓記編
107/151

96 召喚 合体

【ユニオン戦は『グレイブキーパー』の勝利です】


 なんとか勝利をもぎ取りました。

 いやー厳しかったですね。

 この戦いを元に対策を練られたら、今度は勝てないでしょう。


 ネクロマンサーが最弱職だったという事実を久々に実感した戦いでした。


 今回の戦いは完全にレベル差によるゴリ押しでしたからね。

 同レベルのネクロマンサー三人と今回の相手三人だったら、魔法連打で早々に負けていたことでしょう。


 実際には更にアニヒレーション連打、つまり即死魔法を連打して運が良ければ勝利という博打戦術もあったのですが、流石に酷いので正攻法で戦ってみました。

 むしろこのレベル差で人数差があったとしても、正面切って勝てないようでは今後の見通しが暗いものとなるのは明白です。

 今回の戦いはその試金石とするべく、正面から戦いましたが、


 ……方向性は間違っていませんでしたね。


 ネクロマンサーとしての高み。


 うん、悪くないですよ。


「お疲れ様でした、ファナさん。いやあ、完敗でしたよ」


「いえいえ。最初だけですって。多分、次はもう勝てないでしょう?」


「いやあ、どうかなあ。あのしわくちゃになる奴が召喚獣同化ですか。おっかないですねえ」


「あーエルダー・リッチですからねえ。ソウルブリンガーの方々はどういう同化になるんでしょうか」


「そこは不安ですねえ。自律できればいいんですけど……」


 第一職業の未合体召喚獣としか同化できませんからね。

 この仕様上、ソウルブリンガーは武器か防具と同化することになるのですが……。


「ま、なってみないと分かりませんね」


「そうですね」


 そんな無茶苦茶不利な設定ではないと思うんですよねー。

 ここまでのゲームバランスを考えるに、インフレこそしているものの、極端にプレイヤー側に不利になるようなことにはなっていません。


 まあ同化の仕様については置いておくとして。


「ファナさん。結局、道路敷設のポイント、足りますか?」


「うーん。あと少しなんで、カナコさんに住人召喚してもらえば足りると思うんですよねえ。ドールメイカーなら村発展に役に立ちそうですし」


「なるほど……」


 そういうわけで、情報収集したらヤツハカ村にとんぼ返りですね。

 おっと、レベルがふたつ上がっていた分の召喚と合体もしておきましょう。


     ◆


 やって参りましたネクロマンサーギルド。


 召喚スペースを借りて、2レベル分の召喚を行っておきましょう!


 早速いきますよー、まずはネクロの死体ガチャ四連から!


「召喚!」


 ズワァアァ!!

 おおっと、いきなり来ましたよレア演出!?


【プレイグ・ゾンビが召喚されました】


 ……これは。

 確かプレイグは疫病でしたね。

 どうやら疫病を撒き散らすゾンビのようです、なんと迷惑な。


 まあゾンビと言えば元々腐った死体ですから、病原菌の元みたいなものです。

 当然の能力ですが、レアですから期待できますね。


「では次、召喚!」


 ずもももも。


【ゴーストを召喚しました】


「はい次、召喚!」


 ずもももも。


【グールを召喚しました】


「うぬぬ次、召喚!」


 ずもももも。


【ナイトメアを召喚しました】


 ……んん!?

 真っ黒い馬ですね、足がないところを見ると幽霊系ですか。

 名前は悪夢と牝馬を掛けた定番のダジャレですね。


 あ、もしかしてデュラハンと合体できるんじゃないでしょうか。

 これは期待できますね。


 さて次はソウルブリンガーです。

 メンツが増えてきたので、武器ガチャを二回、回してみるとしましょう。


「武器召喚!」


 しゅきーん。


【ソウル・ワンドを召喚しました】


 ほほう、杖ですか。

 いまいるスケルトン・キャスターが遂に輝くときが来たようですね。


「次、武器召喚!」


 しゅきーん。


【ソウル・ハンドアックスを召喚しました】


 あああああ!!

 これが、これがハルバードより前に出てくれれば、ヨサクが大きな盾を持てたのに!!


 ま、まあいいですよ。

 丁度ロッティングコープスのスキルが斧なので、これを合体してティアー3の実力を見せてもらうとしましょう。


 こういうことがあるから、ソウルブリンガーは博打感が高いですね……。


 さて次はドラゴンメイジです。

 ある意味、何が出ても使い捨て気分のブレスや爪ですから、気軽です。


「召喚!」


 ごわああああ。


【レッサードラゴン(火の尻尾)を召喚しました】


 お、攻撃範囲の広い尻尾ですね。

 まあ爪との違いは打撃であることくらいなので、大して嬉しいものでもありません。


「もいっちょ、召喚!」


 ごわああああ。


【レッサードラゴン(風の吐息)を召喚しました】


 やっぱり吐息が一番、使い勝手がいいですね。

 これは素直に嬉しいです。


 さてさて、お次は最後となりましたセレブリティスカラーです。

 これは合体できる余地が沢山残っているので、是非とも素敵なアクセサリが欲しいところですね。


「召喚!」


 きらーん。


【ダイヤモンド・ネックレスを召喚しました】


 やった、光耐性ですよ!?

 これはヨサクに重ねられるなら、有力な合体候補ですね。


「次、召喚!」


 きらーん。


【ルビー・ネックレスを召喚しました】


 お、火耐性ですね。

 これもあって損はありません。


 よし、では次は合体ですよ!


 ……てしまった!

 未合体のスケルトン・キャスターとロッティングコープスはヤツハカ村に配備したままでした。

 このままじゃ合体できません。


 ううむ、やっぱり防衛戦力はできるだけクリエイト・アンデッドで揃えたいですね。

 自前の召喚獣は手元にいないと、こういうときに不便です。


 では合体候補を吟味していきましょうか……お、色々と面白いですね。


 まずは定番のソウル・ハンドアックスとグールでコラプト・ハンドアックスを作るパターンですね。

 ソウル・ワンドもコラプト化できますが、これで直接殴ることはないでしょうから、ハンドアックス一択です。


 そしてプレイグ・ゾンビですが、これはドラゴンの吐息と合体させることでドラゴンゾンビ(疫病の吐息)を作成できます。

 やはり疫病も毒の一種として扱われるようで、アンデッドには無効なのが嬉しいですね。


 ただもうひとつのパターンがあって、私的にはそちらが本命です。

 ナイトメアにプレイグ・ゾンビをかけ合わせるとプレイグメアという疫病を撒き散らす馬が出来上がるのです。

 ナイトメアはデュラハン・ドラゴンライダーのセルフィに合体できるので、恐らく普段使いの騎乗馬となるはずですが、これが強化されるのは美味しいですね。


 吐息はそのままでも十分に強いので、ここはプレイグメアを作ることにしましょう。


 そしてダイヤモンド・ネックレスは無事にヨサクに合体できるようなので、これは確定ですね。

 光耐性がついてどの程度、対アンデッドのセイクリッドレイに対抗できるかは不明ですが、無いよりマシでしょう。


 そしてルビーネックレスは、合体数を稼ぐためにレイス・ソーサレスのマドカに合体します。

 アクセサリは知力強化や精神強化がついたりするので、もともと魔法使いには相性が良いんですよね。

 既にトパーズリングが合体されていますが、火耐性も無駄にはならないでしょう。


 では合体していきましょう!


【ソウル・ハンドアックスにグールを合体します】

【コラプト・ハンドアックスが誕生しました】


【ナイトメアにプレイグ・ゾンビを合体します】

【プレイグメアが誕生しました】


【デュラハン・ドラゴンライダーにプレイグメアを合体します】

【デュラハン・デュアルライダーが誕生しました】


【スペクター・ヴァイカウントにダイヤモンドネックレスを合体します】

【スペクター・ヴァイカウントが誕生しました】


【レイス・ソーサレスにルビー・ネックレスを合体します】

【レイス・ソーサレスが誕生しました】


 おおー。

 セルフィがデュアルライダーになりましたね。

 普段はプレイグメアに乗って、いざという時にはドラゴンゾンビに乗るようです。

 理想的な合体結果ですね。


 後はヤツハカ村に残してきた面々の合体が残ってしまいましたが、どうせ住人召喚しにこの後で行くので、そのときに回収していきましょう。


     ◆


 カナコさんとノマキさんと合流しました。


「ふたりとも、お待ちどうさまですー」


「お、もういいのか」


「ファナ、注文の品が出来た」


 カナコさんはおもむろに金属製の重厚な籠手と具足を取り出し、私に差し出してきました。


「ええとこれは……ああ、ミスリムの腕と脚!」


「……また忘れてたの?」


「い、いやあ。この前は胴体だけでも遮蔽として役立ってくれましたからね。きっとこれで戦力アップ間違い無しですよ!」


 さっそくダンシング・ミスリルゴーレムのミスリムに腕と脚を取り付けます。

 これまでなにひとつダンシングしなかったミスリムが、軽快にダンスを……


「…………」


 踊れるわけ無いですよね、いくらなんでも重すぎます、全体的に。


 まず本体のミスリルフレームが合体対象に困るほど重い。

 そしてそれに合わせて作った籠手と具足も金属製で重い。


 完全に重戦士型ゴーレムと化しています。

 まあこれはこれで壁としては強そうですが。


「武器も一応と用意しておいたけど」


「おおー、さすがカナコさん、気が効ききますねえ」


 取り出したるは重厚なメイスと、タワーシールド。


 うん、これはササキを越える鈍重な護衛ユニットになりますね、どう考えても。


 ひとまず戦線に加えられるのは良いことです。


 ではヤツハカ村に向かいましょう!


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