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入学式の後に

 一年B組の教室には、生徒が集まっており、濱田先生が出席を取り、順番に席に着かせていた。


「私は、副担任の濱田真矢はまだまやと言います。担任の一条先生は、皆さんに配る教科書が足りないので、取りに行ってます。先に持ってきたのから配りますので、出席番号順でこちらに並んで、取りに来てください」


 濱田先生は、出席番号1番の人を立たせて、その後ろに、順番に生徒を並ばせるように、手を前ならえのような仕草で合図し、生徒を並ばせていく。

 教室の前には教壇ではなく、広い机が置いてあり、各種教科書が生徒の人数分置いている。


「慌てなくていいですから、各教科書を1冊ずつ取って、全部取ったら、席に着いてください」


 生徒たちは、全教科の教科書を抱えて席に着くと、新しい教科書の匂いを嗅いだり、教科書を開いて、内容を確認したり、周りの生徒たちと談笑していたり、さまざまだ。


 最後の一人が教科書を持って、席に座ると、教室の扉がガラッと開いた。

「あっ、一条先生。残りの教科書を・・・」

 濱田先生が言いながら扉の方を見ると、誰もおらず、引き戸の扉は二十センチくらい開いている。


 濱田先生は、はてなマークを何個か頭の上に浮かべているも、本能が警告のサイレンを鳴らしている。

 急速に心臓の鼓動が高鳴る。濱田先生が自身で決めている安全地帯を越えて危険が迫ってきた。

 その危険なものは、教科書が乗っていた机の上に登り、周囲を確認している。

 濱田先生は、足の先から頭のてっぺんまで感電したように身震いし、全身鳥肌を立て、脂汗を噴き出し、膝が痙攣して、立っていられない状態だ。

 生徒たちがザワザワしているが、危険なものから、目を離せられない。


 と、急に危険なものは吠えた。


「ぎにゃ〜」

 濱田先生も、続いて吠えた。


「キィィヤァァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」

 校内中に聞こえるくらい叫ぶと、その場に、へたり込んでしまった。

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