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#5 微笑み

決して威圧的ではないのだけれど、少年の清らかな雰囲気に気圧されて反応するのが一瞬遅れてしまった。

「あ、えと、よろしく……お願いするわ。あと、固いのは、性じゃないの。レザンナじゃなくて、気軽にリズって呼んで。あなたの名前は?」

再び緊張した表情から、くるりと変わって少年ははにかむように微笑んだ。

「はっ、レオンハルト・ルドルフ・ハプセーベンです。どうぞ、レオンとお呼びください」

ハプセーベン……。その名を聞いて驚いた。代々城に勤めている由緒ある騎士の家系だ。詳しくは知らないけど、前王の時代には王に口添えできるほどだったと聞いたことがある。

そして今、城の兵士を束ねているのも同じくハプセーベン家の者だ。

脳裏にライオンのような立派な髭をの壮年の男性がうかぶ。もしかしたら、目の前の彼の父親なのかもしれない。まだまだあどけない彼に立派な髭が生えた姿は想像し難いけど……。

メイドが城へと戻るのを確認すると、レオンは私の顔を覗き込んできた。

「今日は城下へのお出かけでしたね。馬車でいきますか、それとも、歩きで? どうします、リズ」

「えっ……」

いきなり名前を呼ばれてドキリとする。確かに、リズって呼んでとは言ったけど、まさか敬称無しに呼び捨てされるとは思ってもみなかった。

(そ、そういえば、家族以外に呼び捨てにされるなんて初めて……!!)

そう思った瞬間、なんてことは無いのに、頬がかぁっと熱くなった。

「リズ?」

悟られないように、少し俯きながら希望を伝える。


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