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プロローグ~すべてが始まった日
この地は荒れ果てた。
何もない。
水も食料も住むとこさえ・・・まして動物すら見当たらない。
ここが二日前までは、商人たちでさかえ水の都と呼ばれていたなんてことはもう遠い無化足の記憶のようだ。
「お母さん・・・お父さん・・。」
宇宙人ナンバーの襲来と、宇宙防衛隊SSFの襲撃によって。
「ここどこ?」
誰もいないこの国にたった一人。
これからどうすればいいのか、この先どこに向かえばいいのか。
まだ5歳である僕にはわからない。
ただ、一人だけ生き残った僕はゆく当てもなく途方に暮れていた。
(さみしいの?)
ふとそんな声が聞こえた気がした。
幻聴にしたらあまりにもはっきり聞こえる声。
僕は後ろを振り返る。そこには僕と同じ姿の女の子が立っていた。