7 重なる呼吸
ガガアアァッ!!
引き裂かれた空気を突き抜け、黒い塊が突進してくる。
それは巨体に見合わぬ速さだった。
だが、ベルグの瞳は冷静に魔物を捉えていた。
「ベルグ、獣型。
攻撃は複雑、パターン少なめ。
遠距離はほぼないけど一応注意。」
トランがベルグに指示を出す。
「了解」
魔物の前に真っ直ぐ立つベルグ。
魔物の接近
ザッ
ベルグの黒刀が光る。
鋭い金属音
魔物の分厚い前足を切り裂く。
グ!?
ギャアァァ!!
痛みに叫ぶ魔物
だが、魔物は止まらない。残されたもう一本の腕が、ベルグの横腹を抉らんと迫る。
…
その時
「はっ!」
トランの炎魔法が発動する。
グ!
トランの魔物が魔物の顔面を捉える。
怯む魔物。
「……」
ベルグは言葉を交わさない。
トランなら…
ベルグの剣が動く。
流れるような三連撃。魔物の肉を斬り、血が舞う。
ギャアァァ!!
だが、この熊型の化け物は異常にタフだった。
魔物が不気味な咆哮を上げ、ありえない方向に首を捻ってベルグの喉笛に食らいつこうとした。
バッ!!
ベルグに合わせトランの援護魔法が飛ぶ。
魔物の口内で炸裂する。
ギャウンッ!
大きくのけぞる魔物。
その無防備な喉元に、ベルグの剣が吸い込まれる。
ザッ
次の瞬間、巨大な魔物の首が虚空を舞い、巨大な胴体が地響きを立てて崩れ落ちた。
「……」
静寂が戻った森の中で
剣を収めるベルグ
息一つ乱れず
そこに立つ
…
アルトール騎士学校、最強の剣士




