6/7
6 初めての
言い争いながら下山する2人
——その時だ。
足音でもない。
風でもない。
だが、何かが近づいてくる気配が、肌に触れた
…
次の瞬間
二人同時に剣を抜く。
鞘から剣を抜く音が短く木々に吸い込まれる。
一瞬にして空気を変える二人
「…」
ベルグが視線だけで合図を送る。
「…」
トランは下がり、
ベルグの後方で援護の構えを取る。
呼吸が揃う。
ベルグは細く深く息を吐く。
ゆっくりと…
音が消えていく
時間が流れが変わる
剣士ベルグは剣に入っていく。
…
「…」
そんな状態にトランは沈黙する。
…
静けさ
沈黙が流れる。
…
…
その時!!
闇が、動いた。
次の瞬間、藪が引き裂かれ、
黒い熊型の魔物が姿を現す。
毛並みは濡れたように重く垂れ、
関節の動きは獣のそれではない。
口を開いた。
歯の奥から、暴力の臭いが漏れ出す。




