5 共犯者ベルグ
2人は下山しながら水場を探していた。
そして方針を考えていく。
「ベルグ
どうやって"サハラ"に帰る?」
※サハラ:
ベルグ、トランが住んでいた都市。
ヤラマナ王国、王都ナハラ。
2人は王都ナハラの騎士学校に通う学生だ。
「とりあえず下山したら人里を探そう。
僕たちには情報がなさすぎる。
ここの地方の名前や近くの国の名前がわかれば、ここがどこかわかる。
帰り方もおのずとわかるよ。」
ベルグ達は大陸や地理についての勉強を騎士学校で習っていた。
ベルグはそのため現在地さえわかれば帰還できると考えた…。
「さすがベルグ
学年トップは違うねー」
トランはニヤニヤとベルグを見る。
「トラン!これ普通だから!
大陸の地理、騎士学校で習ったでしょ!
逆になんで知らないんの!?」
「わかったわかった」
聞き流すトラン
「あっ!
全然わかってない時の返事!」
2人は下山はできるだろうと考えていた。
しかし、そのさきの帰還まではわからない。
「夏休み終わるまでには帰らないとまずいからね。学校が始まるまでに」
「なんで?
夏休み満喫しようぜ?」
「君は!まったく!
もっと危機感をもってよ!!
僕達は今、どこかわからないところで遭難してるんだよ?
それに…」
「それに?」
「……
王都から出たことがバレるかも」
「バレたらまずいの?」
…
…
「バカバカバカ!
トランのバカー!!!」
いきなり叫ぶベルグ
「おわっ!」
その勢いに驚くトラン
「まずいに決まってるでしょ!!
騎士学生は王都から出ることは校則で禁止されてるし!王都の法でも禁止だから!!
完全に黒!わかる?
君がいきなり下水道の柵をぶっ壊してて
"ここからバレずに出れるぜって
お前もこれで共犯だなって"脅したんじゃないか!!!完全に黒だ!
いや黒通り越して真黒だよ!
バレたら謹慎じゃ済まない退学かもしれない!」
発狂するベルグに
…
トランはニヤりと笑う。
そして
…
「大丈夫」
呟くトラン
…
「……何が大丈夫なの?」
ベルグはまさかと思う。
変人トランなら誰も思いつかないような秘策があるのかもしれないと
…
しかし
「学校はお前を退学にするほどバカじゃない。
天才剣士が共犯なら退学はまずない。」
どうどうと言い放つトラン
「トラン!君!
僕をハメたんじゃないか!」
トランにつかみかかるベルグ
笑うトラン




