その40
はぁ~2人で公園に来たの今日で何回目だろ?
少し公園に来る時間が、遅くなったため、夕日が見えた。
まだ沈むまでは時間はあるかな? 結構きれいかも……。
彼女が何か話しかけてきていたけど……今日は開き直って黙っていた。
ぼ~と夕日を見る。ちょっと泣きそうになってしまった。なんだか情緒不安定??
手を伸ばせば届く距離に好きな人が座っているのだ。今の状況は、俺にとって幸せだろうに……。
「ねえ」
「……」
「ん?どうかした?」
「……」
「今日なんで喋らないの?」
「……」
彼女が何か考えた後、俺のおでこに手をおいた。
少しひやりとする彼女の手が気持ちいい。
そんな長い時間じゃなかったと思うのだけど……。
「熱は無いね」
少し意識が飛んでいた、彼女の声で我にかえる。ヤバいと思って離れた。
彼女を見ると、傷ついた顔をしたような気がする。
な、何でそんな顔するんだよ。もう知らない。限界だ。
彼女の頭を優しく撫でる。
「え? なに?」
彼女が少し笑うと気持ち良さそうに目を閉じた。
自然と彼女に近づく……唇を重ねると彼女がびっくりして目を開ける。
目線があった。感情があふれるよ。愛おしさ、切なさ、ごちゃごちゃだ。
何やってんだ俺は……自分の制御が出来ない。
これ以上一緒にいたら、もうなにしてしまうか自分でわからなかった。
彼女を傷つけても……とか、自分の思考が怖い。
立ち上がって、彼女から離れる。
「え、え? ちょっと」
ダメだ。泣く。悲しさだけじゃなくても泣けるんだな……。
呼び止める声が聞こえたけど、泣いている所を見られないように、彼女に背を向け、歩いてその場から離れる。
もう一緒にいられないと思った。