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40/41

その40

 はぁ~2人で公園に来たの今日で何回目だろ? 


 少し公園に来る時間が、遅くなったため、夕日が見えた。

 まだ沈むまでは時間はあるかな? 結構きれいかも……。


 彼女が何か話しかけてきていたけど……今日は開き直って黙っていた。

 ぼ~と夕日を見る。ちょっと泣きそうになってしまった。なんだか情緒不安定??


 手を伸ばせば届く距離に好きな人が座っているのだ。今の状況は、俺にとって幸せだろうに……。


「ねえ」

「……」

「ん?どうかした?」

「……」

「今日なんで喋らないの?」

「……」


 彼女が何か考えた後、俺のおでこに手をおいた。

 少しひやりとする彼女の手が気持ちいい。


 そんな長い時間じゃなかったと思うのだけど……。


「熱は無いね」


 少し意識が飛んでいた、彼女の声で我にかえる。ヤバいと思って離れた。


 彼女を見ると、傷ついた顔をしたような気がする。


 な、何でそんな顔するんだよ。もう知らない。限界だ。


 彼女の頭を優しく撫でる。


「え? なに?」


 彼女が少し笑うと気持ち良さそうに目を閉じた。


 自然と彼女に近づく……唇を重ねると彼女がびっくりして目を開ける。


 目線があった。感情があふれるよ。愛おしさ、切なさ、ごちゃごちゃだ。


 何やってんだ俺は……自分の制御が出来ない。

 これ以上一緒にいたら、もうなにしてしまうか自分でわからなかった。


 彼女を傷つけても……とか、自分の思考が怖い。


 立ち上がって、彼女から離れる。


「え、え? ちょっと」


 ダメだ。泣く。悲しさだけじゃなくても泣けるんだな……。


 呼び止める声が聞こえたけど、泣いている所を見られないように、彼女に背を向け、歩いてその場から離れる。


 もう一緒にいられないと思った。


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