39/41
その39
この頃、自分の思考が変。
どうしても、あいつの事を考えてしまう。声とか、言葉とか、頭を撫でられたときの感触とか、思い出しては一人で、焦ったり照れたり……。
あはは……私がこんな状態になるなんて、思ってもみなかった。
会った時に、こうしよう、ああしようと考えていても、彼の近くに座ったら、考えてた事なんてどっかに飛んで、何も出来なくなってしまう。はぁ~。
どうしたら良いのかわからない……彼が私の誘いを断らないのが救いだった。
今日は、2人揃って大学の授業が午後まで詰まっていて、公園に来るのがいつもより遅くなっていた。
さっきから、色々話しかけているのだけど、返事が無い。
今日は喋ってくれないのだろうか?
疲れてるのかな? 体調悪いのかな? 心配になる。
自然と彼のおでこに手をおいた。
少し冷たかった私の手が、彼のおでこの熱で少し暖かくなる。ほんの一瞬の出来事だったのだけど、凄い幸せを感じた。
「熱は無いね」
彼は、はっとしたように、私から離れる。
私の心がグサリと痛んだ。うわ! 嫌がられてしまった。