その34
な、何なんだ。
今日の彼女は変だ。すれ違った時にちょっと声をかけたら、返事を返してくれたけど、なんか挙動不審に逃げられた。彼女が受ける授業は、俺の受ける授業と同じ建物の別教室だったはずなんだけど……。
昨日は普通だったよな? 昼を一緒に食べて別れた後に何かあったのか?
き、嫌われるような事してないよな? 不安になる。
そして、今日は進藤が休みらしく、昼飯を工藤と一緒に食べる事になった。
2人で食べるのは初めてかも?
工藤の行動もちょっと変だった。
「ねえねえ」
「え?なに?」
そう言って手招きするので近づいたら。
「あ~言う事忘れちゃった。ごめん」
「なんだよ。まあ良いけど」
食べ終わったら終わったで、いつもはしないのに俺の分まで片付けてくれたり、次の授業へ向かって歩いていたら、突然腕を組もうとしたりする。
「なあ、さっきからなんだよ」
「まあ、色々あるんだよ」
「は?」
「あ~私って性格悪いな~」
「いや、工藤は性格悪くないよ」
「……ありがと」
「ん~でも、今日の行動はわからん」
彼女がおかしそうに言う。
「そう。いつかわかるから」
「……教えろよ」
「ダメ!」
「じゃあ後で教えて」
「了解!」
凄い楽しそうにしている。こ、怖いな……。
「あ~そうだ。進藤君に報告しよ~」
そう言ってメールを打ちだした。何を報告してるんですか工藤さん……。