その33
今日の大学の授業が全部終わり、私は帰り仕度をしていた。隣の席には、もう椿はいない、椿は彼氏と一緒に帰るらしく、授業が終わると凄い勢いでいなくなった……はぁ~。
いいや。ちょっと一人で考え事したかったし、私は気持ちを切り替えて、一人で帰る事にした。
よし! 立ち上がろうとしたら、近くに座っていた女の子2人から話しかけられた。声の方を見ると、何回か一緒に遊びにいった事もある友達だった。
「なぎさ~」
「なに?」
「今日遊びにいかない?」
「あ~ごめん。今日は無理~」
「最近付き合い悪いよね」
「ごめん」
今日は遊んで帰る気分じゃなかったので断ったのだけど、予想外の返事が返ってきた。
「いやしょうがないでしょ。ラブラブだもん」
「え!?」
「そっか! 良いよね。2人揃ってラブラブ」
「なにが?」
「だから、織笠さんも彼氏できたみたいだし」
「あ~うん。でも、何で2人?」
「あれ?最近、青木君だっけ? 一緒に遊んでない? 今日もお昼一緒だったでしょ?」
「「良いな~」」
あいつと遊んでたり、昼一緒に食べてたの、見られていたんだ……。
「ち、ちがう」
「違うの?まだ付き合ってないのか」
「だ、だから「でも、大丈夫だよ。青木君は、なぎさにべた惚れと見た!」
「あ~だよね。告白も時間の問題か?」
「た、ただの友達だから」
「「ふ~ん」」
「……」
はぁ~私の否定の言葉なんか聞きやしないし……時間の問題じゃなくて、されて、もの凄い酷い断り方をしてるって……あ、でも、ちゃんと付き合ってとかは言われた事無いか、私は断ったというより男全般拒絶だし……はぁ~どっちにしろ酷い事してるよね……。
「じゃあ、私らの事はほっといて遠慮なく帰って良いから!」
「……う~ん」
勢いに押されて、私が戸惑っていると。
「じゃあ、先行くね」
「……」
「「バイバイ」」
「あ、またね」
2人が凄い笑顔のまま帰えっていった……何さっきの笑顔は……か、勘違いなのに!
でも、他人からはそう見られてたんだ。そして、自分はどう思ってるんだろう?? 自分の事なのにわからない……答えが出ないよ。
私は帰るタイミングを失って、教室にぽつり一人残ってぼ~としながら窓から見える景色を眺めた。