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30/41

その30

 俺は、自主休講明けで、数日ぶりに大学へ行っていた。昼休みになり学食までの道を歩いていると、彼女が少し前を歩いているのを見つけた。


「よ!」

「あ! よ! じゃないよ」


 なんだか久しぶりに会ったきがする。


 少し真剣な顔になって彼女が言った。


「この前の事とか、いつもごめん」


 ズキリと胸が痛かった。俺が返事を送らなかったのを結構気にしていたみたいだ。

 空気を変えたくて、ちゃかすように言う。


「え! 何か珍しいなどうした。体調悪いのか?」

「く~人の素直な気持ちを! よく言うわね」

「俺の素直な気持ちだったんだけど」

「そういう事は素直じゃなくていい!」


 その後、彼女が俺が大学を休んでいたのか? など、つっこんできたけど、上手くごまかせたと思う……いや、上手くなかったかも。


 話しを聞くと、今日は彼女も1人らしいので、一緒に昼ご飯を食べる事にした。考えてみると、大学内で2人で話すのは初めてに近い。凄い不思議だ。


「その後どう?」

「え?」

「例の事だよ」

「あ~うん。順調みたい」


 何で俺が織笠の交際状況を聞かなきゃ行かないのだよ……まあこいつらしいか。


「違うよ。そっちじゃない」

「何の事?」

「だから、織笠と一緒にいるんだろ?」

「うん」

「それは平気なの? 大丈夫?」


 彼女が嬉しそうに笑っていった。


「あ~うん。大丈夫」

「そっか」


 ほっとした。そして、同時に、嬉しそうに笑う彼女の笑顔の相手に嫉妬した。

 彼女は、俺と同じ道を行こうとしてるのだろうか? はぁ~。


 その後、午後からの授業が違ったので、昼休みが終わる頃に彼女とは別れた。


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