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27/41

その27


「関係あるよ!」

「……」

「男って結局やりたいだけでしょ」


 う~嫌な事を思い出してしまった。

 急に何もかも嫌になる。彼が余裕たっぷりな感じも凄い腹が立つ。


 彼へぶつけるように言葉を言ってしまう。


「さっきも言ったけど、私は男は嫌いなの! あんたの事なんで恋愛対象に見れないし、好きになる事なんて絶対ないから」

「それ以上言うなよ」

「ムカついた?」

「ちがう、おまえ何もわかってない、勢いだけで言うことじゃない」

「何言ってんの?」


 彼が少し苦しそうに言う。


「それは、もうわかってるから」


 そして今度は、優しく笑って言った。


「でもさ、好きなもんは変えられないし。ほんと、うまくいかないな」


 あ~……私は気付いてしまった。彼に言った言葉は私に返って来る言葉だった。


「おい、泣くなよ」


 私ってこんな涙脆かったかな? どうしよう止まらない。


「何で平気なの?」

「平気でもないけど」

「私なんか好きになって災難だったね」

「いや、そうでもないよ。結構幸せ」

「は!? どこが」

「だっておまえと話せる男って俺ぐらいでしょ」

「あ~かも」

「告白してからちょっと話せない期間はあったけど、その後は、変わらず接してくれたの俺は嬉しかった。それが、まあ眼中に無いからかもしれないけどさ」

「あ~かも」

「同意すんのかよ。まあ良いや。うん、だから私なんかとか災難とか言うなよな」

「うん。あのさ」

「なに?」

「それで良いの?」

「今は良いよ。ただ側に居たいから」


 そう言った彼と視線が合う。ドキリとした。

 凄い事サラッと言われたよ。


「……そう」


 彼は私が泣き止むまで、ただ側に居てくれた。


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