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その22
「私は男は嫌いだから」
ズバッときた。俺の前だとほんと容赦ないよな……。
まあ、いっそ清々しいと思うよ。
「あいつは男が良いみたいだぞ」
「う~そういう事言う」
「先に言ったのはそっちだろが」
「しょうがないでしょ。あんたしか言う相手ないんだから」
「逆切れですか」
彼女が泣き出してしまった……ちょっと言い過ぎたかな。
彼女が泣きながら言う。
「私の事好きなら優しくしてよ!」
「……」
「あの子に好きな人の相談されてる私は何なの! もう嫌だ! なのに私はあんたに同じ事してる。自分が嫌なのに最低」
彼女の頭を撫でようとしたら、手を振り払われた。
「やめてよ」
俺は彼女の頭を怯まず撫でる。
「いいから、泣けよ」
「……うん」
泣き止むまで、彼女の頭を優しく撫でた。