その18
俺は好きな人から○○をかけられるという貴重な経験をした。
○○は各自埋めてほしい、さすがに彼女も話題に出されたくないだろうし。
そして、そのちょっと貴重すぎる経験のおかげで話しができて、俺の携帯のメモリーに彼女の番号とメルアドが登録された。
結果オーライ?
あれからメールが結構来るようになった。話しをしたいと言ってくれたのは社交辞令じゃなかったようだ。素直に嬉しい。
来るメールの文章を読んで思うのだけど、直接会った時の彼女とメールの彼女は印象が違う気がする。
なんだろう、メールの彼女の方が無理してない感じがしたり……まあ、俺の勝手な感想だけど。
話しがだいぶずれた気がするが、この事は言わないとダメだろう、今日は凄いメールが来た。大学が終わったら遊ぼうというメール。
勘違いしそうになるんですけど、鹿島さん……。
ありえないと思うのだけど、どうしても期待してしまう自分が情けない。
前も変に期待して失敗した感じだし、期待するのは止めた方が良いのはわかってるのだけどね……嬉しい事には変わりないからまあ良しとしよう。
大学が終わって、2人で遊びに行った場所はカラオケだった。
彼女は歌うのが好きらしい。けど、ちょっと下手だった。聞くに堪えないとかそういうレベルじゃないけどね。
俺は特に何も言わなかったのだけど、彼女が歌い終わると言った。
「好きだから良いの。上手くないのは自分でもわかってる」
「なるほどね」
歌の上手さなんか別にどうでも良かった。
2人で居れる事が幸せだったから。