その17
あいつに助けてもらってから、メールの交換をしている。
彼は初めて携帯を持ったらしく、メールの返事は少し遅かったりする。でも、少しずつ慣れてきてるみたいかな? あと、はじめの頃は、変な文章で返事がくる時があって笑えた。
凄い変な再会だったけど、あ、あまり思い出したくないな……うぅ。え、え~と、そう、変な再会だったけど、普通に話せて自分でちょっとびっくりした。
私は相変わらず大学にいる時は、椿と2人でほぼ一緒に行動しているのだけど、少し変化が起こっていた。私にとっては嬉しくない変化が……。
「田崎くんがね」
「うんうん」
最近、椿と話すと田崎くんという名前がでる事が多くなっていた。
椿は最近バイトを始めて、その職場に私達と同じ大学の男、田崎君がいたようで、同じ大学って事を切っ掛けに、話しをするようになったようだった。男の人が苦手だった椿にとっては凄い成長だと思う。
「ねえ聞いてる?」
「あ~ごめんごめん」
今の所は、別に嫉妬するような事じゃないのにな~。
どうしても心がざわつく、椿はバイトの話しをしているだけなのに……。
そして、最近の椿は、暗い表情が減って、よく笑うようになった気がする。
それは誰の影響? 私じゃないよね……。
何で私じゃないのだろう? まあ当然なんだけど……やっぱり私は選ばれる事は無いのかな。
どうしても認めたくないよ。はぁ~。
寂しさを埋めるように、私はあいつにメールをした。