その16
織笠の告白を断ってから一ヶ月ほど経っていた。
俺は携帯を買いに出かけていたのだけど、電車の中で偶然あった鹿島を助ける事になった。
あの2人に連絡とれなくて不便だから! と、買え、買えとせっつかれ、しぶしぶ買う事にしたんだが……心から2人に感謝!!
そして、色々あり__結構大変だったんだよほんと__着替え終わったあと、鹿島がお詫びに奢るという事で適当な店に入って2人で話しをしていた。
「男嫌い、サイテー」
俺も男なんですけど……はぁ~。
「ねえ、俺も男なんですが?」
「あ~そうだったね」
「……男と意識されないのは、まあ別にいいんだ…… いや良くないか、でも少ししか気にしてない……ん~そうでもないか」
「はいはい。何が言いたいの?」
「性別とか関係なく見てくれるの結構嬉しい。俺は、多分、おまえが男でも好きだと思うんだ。あ、その時は恋愛感情は抜きね」
「うん」
「だから……性別関係なく特別みたいな……う~ん。うまく言えないな」
「そう」
「あ~でも、痴漢を羨ましく思ってしまう自分もいるしな……うわ最低」
「ふ~ん。あのさ、それって誰でも良いの?」
「え?」
「私の事好きだから羨ましいの?」
さらっとよく言うな……。
「だよ。当たり前でしょ」
「そっか。じゃあ何で触んないの?」
「何にその天然発言は! 嫌われるのが一番嫌だ」
「うん」
「おまえに嫌われたくないから、嫌がる事はしないよ」
「うん」
「……」
「……」
突然話しが途切れてしまって変な間が出来てしまった。
その沈黙を破るように彼女がぽつりと言う。
「あの、さっきはごめんね。で、ありがとう」
「うわ。鹿島からお礼言われたよ。ちょっと感動」
「なにそれ!」
「き、気にするな」
「……まあいっか。あのさ、また話しとかして良い? 携帯買ったんでしょ番号教えて」
凄い……何だこれは夢か??
「い、良いけど」
初めて登録した携帯の番号とメルアドは鹿島になった。