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その12
ただただ憂鬱だった。昨日の事を思い出す。
織笠に呼び出されて、二人で話しをした。
もう呼び出されて時点で、何が起こるかわかっていたけど……。
好きだと言われてても俺の心は動かなかった。
「ごめん」
「あ~うん。わかった……」
何がわかったんだろうか、気丈に笑って俺の前を立ち去る感じが織笠らしかった。
たぶん、鹿島の所へ向かうのだろう……。
はぁ~もうどうにもならないのだから、昨日の事はもうしょうがない。
思い出さないように記憶を強引に閉じる。
はぁ~今日同じ授業あんだよな……もう最悪だ。
なんだか溜め息ばかり付いてるな。
どうしても鈍る足を強引に動かして教室へ向かう。
教室に入ると俺は一番前の端の席に座った。2人はどっかに座っているのだろうな……。
酷く隣が寂しかった。
たぶん、周りの連中は何かあったのを察しただろし本当嫌になる。出来るだけ授業に集中した。これまでで一番集中して授業を受けたと思う。もの凄い疲れた。
その後、どうにか全ての午前中の授業を終え、俺は体を引きずるように学食に向かった。