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その11
椿が告白するかもと宣言してから数日が経っていた。
椿から会いたいとメールが来る。待ち合わせの場所に付くと、別れる前はあんなに笑顔だった椿が泣きそうな顔で私の前に立っていた。
別れる前の雰囲気が、少しいつもと違うような気がしていたのだけど……。
すべてが変わった事を……私が恐れていた事が現実になったのを感じた。
もう明日からは仲の良い3人グループは無いのだな……。
「あはは、ふられちゃったよ」
「うん」
「何がダメだったんだろ」
「うん」
「……あの」
「もう何も言わなくていいから」
私はそう言うと椿を優しく抱きしめた。
軽く頭を撫でて、背中をポンポンと優しく叩く。
ず~とここまで我慢していたのだろうなきっと、椿が私の胸の中で泣いていた。
これが私の望んだ事なのかな? 2人っきりに戻りたいと少しでも思った罰でしょうか?
私は幸福と不幸を同時に感じる体験をした。