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第92話 智之の元カノだった

【HERBIS PLAZA ENT】


時計宝飾品の店があるフロアを歩く、悠斗と真彩。


悠斗が突然、真彩の手を引っ張り、高級ブランドの店に入ろうとする。


悠斗「ねぇ、結婚指輪作ろう?」


真彩「えっ? あぁ……嬉しいけど、今は大っぴらに出来ないから、着けれないよ?」


悠斗「真彩との愛の証し、身に着けたいのになぁ……皆んなに見せびらかしたいよー」


真彩「うーん……私もだけど……」


悠斗「あっ、じゃー、ネックレスに指輪通すっていうのは?」


真彩「あぁ、それ良いかも。ずーっと着けてられるから、良いね」


すると、女性の店員が微笑みながら、悠斗と真彩の所にやって来る。


店員「何をお探しですか?」

と、優しい笑みで、悠斗と真彩に尋ねる店員。


悠斗「あぁ、結婚指輪作りたいんですけど、この子、金属アレルギーなんで、ニッケルフリーとか十八金以上でお願いします。それと、ネックレスも買いたいです」


店員「かしこまりました」


店の奥に案内される真彩と悠斗。


店には、高級品が沢山並んでいる。


店員、真彩と悠斗の指サイズを測る。


真彩と悠斗、一緒に指輪を見る。


悠斗「なぁ、これ、良いんじゃないか?」

と言って、悠斗、真彩の顔を見る。


真彩「あぁ、ホント、良いね。素敵!」


悠斗「じゃー、これにしよ」


真彩、値段が表示されてある金額表示プレートを見る。


すると、

真彩「ちょっ、ちょっと待って! 悠斗、値段、高過ぎる。一桁違うよ」

と、慌てた感じで悠斗に言う。


悠斗「えぇ?」


真彩「あの、もっと安いのでお願いします」


悠斗「これで良いよ! 俺、この日の為に貯金してたから。心配しなくて大丈夫だよ!」

と、笑顔で真彩に言う悠斗。


真彩「でも、この前くれたダイヤの指輪も高かっただろうし……」


悠斗「これで良いの!」

と言うと、悠斗、店員に、

悠斗「これにします!」

と言う。


真彩「?……」


店員「では、内側に刻印を入れさせて頂きますので、こちらにご記入お願い致します」

   

悠斗、店員に言われた通りに記入する。




【阪急百貨店うめだ本店】


今度は、阪急百貨店うめだ本店・婦人服フロアに来た悠斗と真彩。


真彩の為に、一生懸命、服を選んでいる悠斗。

そして、真彩に服を当てる。


悠斗「うーん、やっぱりこっちだな」


真彩「えぇー、私に似合わないと思うけど?」


悠斗「いいや、似合う。素敵だ。良い!」


悠斗に言われるがまま、真彩、試着室で着てみる。


カーテン越しに、

悠斗「どう?」

と、真彩に尋ねる悠斗。


真彩、試着室のカーテンを開ける。


真彩「どうかな?」

と言って、悠斗を見る。


悠斗「うん。最高! 似合ってる。良い。俺好み」


悠斗、嬉しそうな顔。




【中村家・リビング】


夕方、悠斗と真彩の実家である、中村家に帰って来る。


亜希が二人を笑顔で出迎える。


真彩「はい。御座候のあかとしろ。三個ずつ買って来た」


亜希「わぁ、食べたかったんだー。有難う!」


悠斗と真彩、沢山の買物袋をリビングの端に置く。


亜希がその買物袋を見て驚く。


亜希「まぁー、沢山、買物したんだね。それも百貨店で?」

   

阪急の紙袋を見て、驚いている亜希。


真彩「そうなんよ。HERBIS PLAZA ENT と阪急に行ったの。悠斗が全部買ってくれて……高いからいいって言ったのに……悠斗にはビックリだよ」


亜希「スゴッ……」


真彩「明日から悠斗ちゃん好みの服、着せられるんよ。正に、着せ替え真彩人形」

   

悠斗、微笑んでいる。


亜希「ふっ……昔を、思い出すわ。悠斗、変わらないね。真彩にずっと悠斗好みの服を着せてたからねぇ……」


悠斗「あぁ、それに、結婚指輪作った。戸籍上ややっこしいから、皆んなには内緒だけど、でも、母さんにだけは先にちゃんと報告しとこうと思って……」


亜希「わぁ、そうなんだ。それは良かった。おめでとう!」

   

亜希、驚きと共に、嬉しそうな顔をする。


悠斗「で、真正寺で法要がない日、ご宝前で二人で結婚の誓いする予定」


亜希「そう。それはみ仏様、喜ばれるわ。二人がずっと仲良くいれる様に、ご守護頂けるしね!」


真彩「あぁ、Falconのメンバーは知ってるから」


亜希「そう。ママの方の親戚は、皆んな理解あるからねー」


亜希、真彩の耳が光ったのを見る。


亜希「あっ、そのピアス、ダイヤだね? 光ってるー!」


真彩「そうなんよ。指輪売ってる所にピアスも置いてて、買ってくれたの。私、いつもしてるのって二千円程度だから、こんな高級なの、ビックリだよ。金属アレルギー対応だから、ずっとしてられるし」


亜希「真彩もママと一緒で、ブランド品とか高級品には興味ないもんね……」


真彩「だって、いくら着飾っても、内面が綺麗じゃないとねー……」

と、首を傾げて亜希に言う真彩。


すると、亜希も同じ様に首を傾げて

亜希「ねぇー……」

と、真彩を見ながら微笑む。


息がピッタリな真彩と亜希。


悠斗「そんなこと言ったら、人間、誰一人としてそんな物、身に着けれないよ?」


真彩「あぁ……確かに」


悠斗「ダイヤモンドは、ギリシャ語で adamas、征服されない、無敵っていう意味だから、お守りみたいなもんだよ」


亜希「じゃぁ、それ着けてたら、いつも悠斗が真彩を守るって事だね?」


すると、悠斗、ちょっと照れた感じで、

悠斗「あぁ、そうだよ」

と、笑顔で言う。


真彩「あれっ?! でもママって、パーティーの時、いつも高そうなネックレスとか指輪してるよね?! 私がこの前借りたのも、あれ、絶対高いよね?」


亜希「あぁ、あれは、ネックレスと指輪とピアスで百万越え。要らないって言ってるのに、パパったら勝手に買っちゃうから……」

と言って微笑む亜希。


亜希「でもまぁ、どっちみち、みんな真彩のものになるから、まっ、良いかって感じ」

と言って、亜希、微笑む。


悠斗「流石、父さんだな」


真彩「うん。流石っす。あぁ、でさぁー、悠斗の案で、結婚指輪は未だ着けれないから、指輪をネックレスに通していつも身に着けるって事にしたの」


亜希「そう。それは良い考えだね!」


真彩「しっかし、悠斗、金持ちだわ。婚約指輪、結婚指輪、ピアス、服で百万以上使ったんじゃない?」


亜希「わぁー、スゴッ。悠斗、金持ちー!」


悠斗「何言ってんの?! 父さんのこと思ったら俺なんて……」


亜希「何言ってんの?! 値段じゃないよ! 真心が籠ってたら、それが例え千円でも、金持ちの百万円と同等の価値があるんだから!」


真彩「そうだよ。値段じゃないよ。心だよ。私、指輪をナットで作ろうと思ってたんだから」


悠斗と亜希「ナット???」

   

悠斗と亜希、目が点になり、思わず真彩の顔を見る。


真彩「うん。ナット」

と言って、笑顔の真彩。


すると、亜希が真彩の所に来て、真彩をハグする。


亜希「可哀想に……ママのせいだね。ママが贅沢させなかったばっかりに……」


真彩、亜希の言葉にキョトンとなる。


亜希「ごめんね。もうちょっと贅沢させてあげれば良かったね。ママのお母さん、おばあちゃんね、お金で苦労したから、ママ、その影響で節約生活して、贅沢しない様にしてたから……ゴメンね」

と、真彩に謝る。


真彩「えっ? いや、何で謝るの?!」


亜希「だぁって……ナットで指輪作るなんて、そんな悲しいこと言うから……」


真彩「えぇ? 全然、悲しくないよ?! 削って、磨いて、自分だけのオリジナルの指輪作れるんだよ?! 楽しいジャン」


亜希「あぁ、やっぱりママのせいだ。悠斗、真彩に良いもの買ってあげて? ママ、お金出すから。あぁ、悠斗も、何か欲しい物があれば買ってあげるからね!」

  

すると、悠斗、亜希を見て笑う。


悠斗「母さん、大丈夫だよ。真彩も俺も大丈夫だから」


真彩「ママ。節約生活、楽しいから大丈夫だよ?! だって、もし目の前に木の板があれば、これをどこに、どういう風に利用しようか? とか、百均で面白い物があれば、どう工夫して使おうかとか、知恵を働かせる事が出来るんだよ?! アイディアが生まれるんだよ?!」


悠斗「金がない方が、今ある物を使って工夫するよね。金持ってたら、良い物を買えばそれで終わるよね。工夫する事によって、色んなアイディアが生まれるでしょ?!」


真彩「私、工夫して自分で考えて作るの大好きだからさぁー……」


亜希「そうなの?」


真彩「うん。それに、私ね、悠斗が傍に居てくれて、必要最低限の生活が出来たら、それだけで幸せだから」

  

悠斗、真彩を見て微笑んでいる。


亜希「……」

亜希、真彩を見詰める。


真彩「あぁ、だから、悠斗にこんな沢山お金使わしちゃって、本当に申し訳ないと思ってる」


悠斗「いやいや、俺、この日の為に貯金してた訳だから。真彩の為なら、こんなのお安い御用ですわ」

  

すると真彩、すかさず、

真彩「いよっ! 悠斗様―!」

と言って、面白可笑しく言う。


悠斗、笑っている。


亜希「でも、ママの二十年前の予想は当たった訳だ」


真彩「えっ?」


亜希「悠斗が真彩を可愛がる姿見て、こうなるんじゃないかって思ったから。今、デジャヴ状態」


真彩「そうなんだ……ママ、流石ッス」


悠斗「小さい頃、真彩は完全なる俺のオモチャだったからなぁー」


亜希「今もオモチャにしてるね?! あぁ、オモチャじゃなくてペットね!」

と言って笑う亜希。


真彩「あっ……」   

真彩、思い出した様に、スマホを鞄から取り出し、操作する。


真彩「そうそう、これ……パパを尾行した時の……」

と言って、亜希に動画を見せる。


じっくりと動画や写真を見る亜希。


すると、

亜希「あぁ……この人、パパの元カノだわ。多分……」

亜希、肩を落とし、口を歪ませる。


亜希、悲しい表情になる。


真彩「えぇ? そうなん?」


亜希「パパ、彼女と付き合ってた時にママと出会ってさー……ママを選んだ訳でして……ママ、ずっとこの彼女さんに罪悪感あったんだよね……」


真彩「あぁ……そうなんだ。じゃー、きっとパパも罪悪感あったんだろうね」


亜希「因果応報だね……やっぱり自分に返って来るんだね……」

と、亜希、寂しそうな感じで言う。


真彩「ママ、この人、多分、一年持たないと思う。癌だと思う。悠斗が、多分、膵臓癌だって……」


亜希「えっ? そうなの?」


悠斗「だから父さん、最後に付き合ってあげたんだと思う。父さん、母さんの事が大好きだから、浮気とかじゃないよ。心配ないよ」

  

悠斗、亜希を気遣い、真顔で言う。


しかし、亜希、怒った口調で、

亜希「うん。分かってる。分かってるけど、何かパパに腹が立つわ。こそこそ隠れてさー。ちゃんと言えば良いのに」

と、頬っぺたを少し膨らませて言う。


真彩も亜希に便乗して、同じ様に頬っぺたを膨らませ、

真彩「腹立つよね! 私も腹立つわ。こそこそ会うなんて」

と、亜希に同調する。


悠斗「えぇー、何で真彩も腹立てる? でも、そうやって怒るのが目に見えてたから、言えなかったんじゃないの?」


真彩「やっぱり男は男の味方するよね!」


悠斗「えぇ?……」

悠斗、困惑顔。


真彩「何か腹立つ。ママ以外の人がパパと腕組んで歩くなんて。パパはママのものなんだから!」


悠斗「……」


真彩「あぁ、こんなに腹立つのって、私、悠斗と重ね合わせて想像してるからかも?」


悠斗「はぁ? 何で俺と重ねる? 登場させんどってくれる?!」


真彩「だって、今、頭の中で悠斗が綺麗な人とデートして、いちゃいちゃしてるところ想像してるから……」


悠斗「お前、ホント、想像力豊かだなぁー。また勝手に妄想して、俺を嫌うの止めてくれる?」

   

亜希、真彩と悠斗の会話に微笑んで見ている。

真彩、亜希の顔を見る。


真彩「あぁ、ママごめん、そういう訳だから」

   

悠斗「無視かよ?!」


亜希「(笑)じゃー、ちょっとでも身体が楽になる様に、当病平癒のお護摩焚いて差し上げないとね……」


真彩「うん。それが良いよね。痛み、取ってあげたいよね。これからかなり辛い闘病生活になるだろうから、ちょっとでも楽になって欲しいもんね」


悠斗「えぇ? 父さんの元カノに腹立ててるんじゃないんかい?! どっちやねん!」

   

悠斗、亜希と真彩の会話に、呆れ顔。


しかし、亜希と真彩の顔を見て、微笑む悠斗。

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