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第89話 悠斗、EDだった

【梅田北】


ホテルグランヴィア大阪の、出入口が見える所に立っている悠斗と真彩。


父親の智之が不審な行動をとっているので、智之を尾行している悠斗と真彩。


智之がホテルに入って行き、出て来るのを今か今かと待っている。



悠斗、自然な感じで真彩を後ろから抱き締めようとする。


すると、

真彩「これこれ、悠斗ちゃん、ダメですよ。誰が見てるか分からないからね!」

と、甘えん坊モードになっている悠斗に対して、子どもに言う様な言い方をする真彩。


悠斗「えぇー?……誰も見てないよ? それに変装してるし……」


真彩「甘いよ、悠斗ちゃんは! 私、前みたいに週刊誌の記者に写真撮られて、有ること無いこと書かれて、また皆んなに迷惑掛けたくないもん……」

と、笑みを浮かべて言う真彩。


悠斗「ちぇっ……注目されてる社長さんは大変だな……」

不貞腐れた言い方をする悠斗。


真彩、小声で、

真彩「それにさぁー、変装してても、この前、悠斗の後輩さんにバレたんだからさぁ……」


悠斗「あっ……あぁ、そうだね」


真彩「それに、兄妹で抱き合ってたら、普通、変に思われるでしょ?」


悠斗「確かに。あーあ。アメリカだったら目立たないのになぁー。路上で抱き合って濃厚キスなんて普通だから、思う存分出来るのになぁ……」


真彩「ここは日本なんだから、日本の文化に合わせないとね!」


悠斗「分かってるよ……」

悠斗、拗ねている。


真彩「日中はスキンシップは無しね! あくまで兄妹という事で! あぁ、実際、兄妹だけど。ややっこしいね」

と言って、笑う真彩。


悠斗「ちえっ……」


悠斗、腕組みして、子どもが拗ねた様な感じになる。


悠斗「真彩ってさぁー、家と外とのスイッチの切り替え、凄いよな。家では甘えん坊なのに、外ではバリバリのキャリアウーマンって感じだもんな。まるで別人だもんなぁー。えっ?……ひょっとして二重人格?」

   

悠斗、首を傾げて、わざと茶化した様に言う。


真彩「んな訳ないでしょ?! 私、末っ子で甘えん坊だから、ずっとパパ、ママ、悠斗に甘えて生きて来たから、外ではシャキッとしないと!……って思って、これでも頑張って、女優、演じてんだから!」


悠斗「ふーん。そうなんだ。俺はそんな器用に切り替えられないからなぁー……」


真彩「でも、ミュージック・ビデオに出演してると思ったら、きっと出来るよ?!」


悠斗「俺がMVに出るの?」


真彩「うん。今度の新曲のMV、一緒に出よ?」


悠斗「俺、俳優、無理だよ。演技した事ないし……」


真彩「あぁー、じゃー、私が、恋人設定の人といちゃいちゃしても良いの?」


悠斗「えっ?! それは嫌だ。絶対、嫌だ」


真彩「そしたら、悠斗が相手役だよ?! 大丈夫だよ、悠斗なら。いつもの感じで良いんだから。演技、要らないし、それに、全体をぼかすから、誰か分からない様にするし」


悠斗「えぇー……」


真彩「こうやって、私と二人だけなら自然体でいられるでしょ?」


悠斗「あぁ……撮影の時、周りに誰もいなかったらね……」


真彩「じゃー、決まり! どっちみち撮影は勇也だから、空気みたいな存在だし、上手く撮ってくれるよ」


悠斗「そーお?」


真彩「でも私ってさぁー、外に出ると自然にシャキッとして、自分でも可笑しい位、人格変わるんだよね。あぁ、意識はちゃんとあるから大丈夫だよ?! 別人格はいないから安心して?! 要は、エーカッコシーになるんよ。笑っちゃうよ」

と言って笑う真彩。


悠斗「まぁ、解離性同一性障害でない事は分かってるけど。でも、真彩が戦闘モードに入ると、付け入る隙がないから、俺、何も言えなくなっちゃうんだよね……」

   

そう言って笑う悠斗。


真彩「えぇ? そんな戦闘モードの時ってあったかなぁー?」


悠斗「あぁ、戦闘モードっていうか……俺の事、睨んでる時が何度かあっただろ?」


真彩「睨んでる時? あぁ、悠斗がちょっかいかけて来た時か……」


悠斗「……」


真彩「あれは、悠斗の誘惑に負けない様にって、頑張ってただけだけど……」


悠斗「えっ? そうだったの?」


真彩「うん。だって、私、直ぐ悠斗に甘えたくなっちゃうから。でも、悠斗の誘惑、半端ないんだもん。だから、負けない様に頑張ってたんだよ?!」


悠斗「えぇー、すんなり負けて欲しかったなぁ。そしたらもっと早く真彩と一緒にいちゃいちゃ出来たのに……」


真彩、悠斗の拗ねた顔を見て、笑う。


悠斗「じゃー、俺も真彩を真似して、俳優、演じてみようかな?」


真彩「どういう風に?」


悠斗「えぇ? ノーアイディア」

と言って笑う悠斗。


真彩「悠斗は自然体で良いんだから。変にカッコつけないで下さい!」


真彩(心の中)「悠斗、カッコ良いから、これ以上、女性が寄って来たら大変だもんね(笑)」

   

悠斗「あーあ、真彩に触りたいよー。ダメだって言われたら、余計、触りたい。手だけでも繋ぎたい」

   

悠斗、いじけた感じで言う。

  

真彩「あぁ、いじけてる」


真彩、悠斗を見て微笑む。


すると悠斗、

悠斗「いじけてるよ」

と言って、口を尖らす。


真彩「もうー、直ぐいじけるんだからー。じゃー、今晩、サービスするから!」

と言って、真彩、悠斗に微笑む。


すると、

悠斗「ホント? 嬉しいなー。超楽しみ!」

と言って、嬉しそうな顔をする悠斗。


真彩(心の声)「子どもか?!(笑)」


悠斗「あぁ、ヤバッ……想像しただけで勃って来そう……」

と言って、笑う悠斗。


真彩「もうー、でも、毎日、ホントに大丈夫? 体力……心配になっちゃうよ」


悠斗「ぜーんぜん大丈夫。真彩からパワー貰うから、毎日、何回でも行けるよ?!」

と、笑顔で言う悠斗。


真彩「何回でも?」


真彩(心の声)「あぁ、そう言えば、昔、学校から帰ったら、ママに隠れて一日何回もセックスしてたなぁ……二人共、求め合ってたからなぁ……ふっ……」

  

真彩、独り、昔を思い出して笑う。  

 

真彩「もうー、悠斗、エッチなんだから」


悠斗「言っとくけど、エッチなのは真彩にだけだからな。俺は真彩の身体にしか興味ないんだから」


真彩「身体にしか興味ないの?」


悠斗「いやいや、何でそこを切り取る? 他の女性には興味ないって事を言いたかっただけなのに」


真彩、悠斗の言葉を聞いて、

真彩「ホントかなぁー?」

と言って、ニタニタする。


すると悠斗、真顔になり、しばらくして、

悠斗「ホントだよ。だって俺、EDだったんだもん」

と、真彩の顔を見て言う。


真彩「えぇ?……」

真彩、悠斗の言葉に驚く。


真彩「えーっと……EDって、勃たない、あれでしょ?」


悠斗「うん。勃起不全。俺の場合、心因性ED」


真彩「えぇ? 何で? 私とセックスする時、全然、問題ないジャン」


悠斗「真彩と別れてから何人かと付き合ったけど、肝心な時に真彩の顔が頭に浮かんで、俺の行為をストップさせるから……」


真彩「えぇ?……私、悠斗に念とか送ってないよ?!」


悠斗「分かってるよ。俺の脳が真彩の顔を呼び出して、勝手にストップさせるんだよ。まぁ、自分で意識的にそうしてるんだろうけど……」


真彩「そう……だったんだ……」


悠斗「だから、言っただろ? 俺は、真彩しか愛せないって……」


真彩「あぁ、そういう意味が言葉に含まれていたんだ……全然、解らなかった」


悠斗「もし、真彩とまたこんな関係に戻ってなかったなら、俺は一生、EDのまま、女性を満足させる事が出来ずに、誰かと結婚しても、結婚生活は上手く行かなかったと思う。俺自身も満足出来ないし。だから俺は、何度も言ってる様に、真彩しか愛せない男って事」


真彩「えぇー? 何か、それって、私が悠斗に呪いかけてるみたいだね。呪縛ジャン!」


悠斗「まぁ、そうなるかな?」


真彩「えぇー、酷い! 怖い! EDになったのが私のせいなんて……」


悠斗「……」


真彩「でも、辛かったね……」


悠斗「まぁね。だから、また真彩の身体を強引に奪おうとした時、正直、俺、大丈夫かな?……って不安だったんだよね」


真彩「そうだったんだ……」


悠斗「でも、真彩を抱いたら、凄い興奮して、神経刺激したから動脈が拡がって、十分な血液送る事が出来たから、勃起して、真彩を満足させる事が出来たから、嬉しかったよ。元に戻って嬉しかった」


真彩「私も、嬉しかったよ。以前と変わらず、私の事、愛してくれて……」


悠斗、真彩を愛おしそうにじっと見詰める。


真彩(心の声)「悠斗は、私しか愛せないんだ……嬉しいなぁー」


真彩も、悠斗をじっと見詰める。


真彩「何か、悠斗には悪いんだけど、私、凄く幸せ。悠斗は、私しか愛せないって思ったら、めちゃ嬉しい」

  

真彩の言葉に、悠斗、微笑む。

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