表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
79/152

第79話 ライバル蹴落とす

【MZC社・エントランス】


真彩、夕方、MZC社の建物に入り、エントランスを歩く。

   

就業時間外なので、受付社員はもう帰って、誰もいない。

   

真彩、色付きの眼鏡を掛け、マスクをし、帽子を被り、変装している。


エレベーターに乗り、社長室に向かう真彩。



しばらくしてから、MZC社の社長であり、真彩の父親でもある智之と一緒に、エレベーターを降り、談笑しながらエントランスを歩いている真彩。

   

真彩、智之と腕を組み、楽しそうに笑っている。


真彩「でさぁー、ママ、身体鍛えたいって言ってたから、スポーツウェアとかどうかな?……って思ってさぁー……」


智之「ほう、良いんじゃないか? あぁ、じゃー、パパもお揃いの、買おうかな?」


真彩「あぁ、良いんじゃない?! 一緒にウォーキングから始めたら?」


智之「ウォーキングか……休みの日、歩こうかな? でも、お揃いだと、ママ、嫌がるかなぁ?」

   

智之の言葉に、真彩「ふふっ……」と笑う。


智之、可愛い娘である真彩に腕を組まれ、顔がデレデレしている。


真彩との会話を楽しむ智之。


   

そこに、悠斗、池本、太田が、外回りから帰って来て鉢合わせとなる。


太田「あっ……」


池本「?……」


悠斗「……」


真彩、咄嗟に、智之と腕を組んでいた手を引っ込める。


太田、社長である智之に挨拶する。


太田「お疲れ様です!」

と言って、頭を下げる。


悠斗、池本も、「お疲れ様です」と言って、智之に頭を下げる。


智之と真彩は、悠斗、池本、太田に会釈して、MZC社の建物から出て行く。


すると、また、智之と自然な感じで腕を組む真彩。


そして、談笑しながら歩いて行く姿を、強化ガラス越しに見ている悠斗、池本、太田の三人。


傍からすると、ちょっと年が離れた仲の良いカップルに見える。


太田が、悠斗と池本に、

太田「あの女性って、変装してるけど、俺が狙ってる子です」

と、言い出す。


悠斗「?……」


池本「?……」


太田「えぇ? どういう事? 何で社長と?」

と言って、困惑顔の太田。


すると悠斗が、

悠斗「あぁー、社長が奥さん以外に愛してる人だからなぁ……」

と言って、不敵な笑みを浮かべ、営業部に向かって歩き出す悠斗。


太田「えっ? 奥さん以外って……愛人って事ですか? ウソッ?! 嘘でしょ? えぇー?」

太田、ショックを受けている。


そして、悠斗の後を追う様に、池本と太田、歩き出す。


池本(心の声)「愛人じゃーねぇよ。社長の娘だよ。でも、これでマーちゃんのこと諦めるだろから、まっ、良いか」


悠斗と池本、太田に分からない様に、アイコンタクトして笑いを堪える。


悠斗(心の声)「ふふっ……今から買物か。母さんの誕生日プレゼント、今年は何にするんだろう?」


太田「いやいや、何かの間違いだ。あんな純真無垢で清楚な子が。あの子に限ってそんな事はない! でも、腕組んで親し気でしたよね? それに、年の離れた仲良いカップルに見えたし」


池本「あぁ……仲良いからなぁー」


太田「えっ?……池本さんもご存知だったんですか?」


池本「あぁ……でも、秘密だからなぁー。シーだぞ!」

と言って、自分の唇に人差し指を立てて、内緒のジェスチャーをする池本。


太田「えぇー、ショックなんですけど。社長って、あの子のパトロンって事?」


悠斗「パトロンかー。あぁ、愛情受けて、金銭援助して貰ってるからなぁー。この前は高級腕時計、プレゼントされてたなぁー……」

と、平然と言う悠斗。


太田「えっ? まさか、援助交際? あの子、体売ってる?」

と、真顔で言う太田。


池本、必死で笑いを堪えている。


池本(心の声)「つーか、こいつ、マーちゃんがハーモニー社の社長である事すら、分かってないんだ。最近、メディアに取り出たされてるのに。まぁ、マーちゃん、いつもマスクしてるから分からんか……」


太田、ショックを隠せない。悲壮な表情になる。


太田「はぁ……ショック過ぎる。俺、本気だったのに……」


池本「もう、彼女の事、諦めろ。社長の愛する人なんだから。所詮、高嶺の花だし。それに、俺、昔、彼女に交際申し込もうと思ったら、彼女の兄貴に『殺すぞ!』って言われて、ボコボコにされそうになったから……」


悠斗(心の声)「おいおい、池本よ、それはちょっと盛ってないか? まぁ、確かに『殺すぞ!』とは言ったけど……(笑)」


太田「えっ?……彼女のお兄さんって、ヤバイ人なんですか?」


池本「あぁ、かなりヤバイよ。まぁ、殺すまでは行かないまでも、半殺しの刑に遭うのは間違いないって思ったから。あの人、武道家だから、一瞬で人を倒すからね」

と言うと、池本、ちらっと悠斗を見て、ニヤッとする。


悠斗、太田がどんな顔をしているのか、ちらっと見る。


太田「あぁ……何か、今、悪夢見た感じです。俺の理想の人だったのに……運命の人だと思ったのに……今度会った時、交際申し込もうと思ってたのに……」

   

太田、肩を落とす。


悠斗(心の声)「おぉー、危ねぇー、本気だったんだ。ふぅ……俺のライバル、一人、蹴落とした。ヨッシャ!」


悠斗、顔がにやけない様に努力しているが、時々、笑みが漏れる。

   

池本も、笑わない様に努力しているが、悠斗を見て、にやける。




【高槻レオマンション・806号室・玄関】

   

玄関ドアが開く音。


真彩が玄関に入る。


玄関には悠斗の靴が揃えて置いてある。


リビングに居た悠斗、真彩を玄関に迎えに行く。


真彩、靴を脱ぎながら、

真彩「只今―!」

とちょっと大きめの声で言う。


悠斗「お帰り!」

   

悠斗、優しい笑顔で真彩を出迎える。


悠斗と真彩、自然に挨拶のキスをする。


真彩「疲れた……」

と言って、鞄を床に降ろし、そして、両手を広げ、

真彩「下僕さん、おんぶ」

と言って、悠斗に甘える真彩。


すると悠斗、直ぐに中腰になり、真彩が背中に掴まり易い様な姿勢をする。


悠斗「はいはい、どうぞ、姫様」

   

真彩、悠斗におんぶして貰う。


悠斗「良いの見つかった?」

   

悠斗、真彩をおんぶしながらリビングに向かう。


真彩「うん、良いのあったよ!」




【リビング】


リビングに着き、真彩をソファに座らす悠斗。


そして悠斗、台所に行き、冷蔵庫を開ける。


悠斗「水、飲む?」

と、真彩に聞く悠斗。


真彩「あぁ、ちょっと飲みたい……」


悠斗、グラスにミネラルウォーターを注ぐ。


真彩、その間、手洗い、うがいをする為に洗面所に行く。


そして、自分の部屋に行き、部屋着に着替え、再びリビングの応接ソファに座る真彩。


悠斗「はい、どうぞ!」

と言って、ミネラルウォーターが入っているグラスを、真彩の目の前のテーブルに置く悠斗。


真彩「有難う」

と礼を言ってから、ミネラルウォーターを飲む真彩。


悠斗、真彩の横に座り、真彩の髪の毛を触り、前髪を、悠斗の手櫛で後ろに流す。


悠斗「母さんの誕生日プレゼント、何にしたの?」


真彩「悩んだ結局、スポーツウェア色々買った」


悠斗「へーぇ」


真彩「ママ、ジムに行きたいって言ってたから……」


悠斗「へーぇ、そうなんだ。でも、そんな時間あるのかな?」


真彩「ママ、忙しいからねー。だから、ウォーキングからかな?」


悠斗「ウォーキングならいつでも出来るからな」


真彩「パパもお揃いの買ったんだよ?! 荷物沢山になっちゃったから、しょうがないから当日配達にして貰った」


悠斗「へーぇ、お揃いのを買ったんだ。母さん、嫌がらないかな? 前、恥ずかしがったからさぁー」


真彩「ふふっ……私も、ママの嫌がる顔、想像しちゃったから笑いそうになったけど、でも、パパ、ママの事が大好きだからねぇ……」


悠斗「……だね」

悠斗、微笑む。


真彩「パパとママには長生きして欲しいから、筋力付けて、体力、維持して貰わないとね!」


悠斗「うん。で、何食べたの?」


真彩「やっさんの所でお寿司」


悠斗「わぁ、良いなぁー……」


真彩「悠斗も後で来れば良かったのに」


悠斗「行きたかったんだけど、あの後、樋口先輩の相談に乗ってたから。俺もさっき帰ったとこ」


真彩「そうなんだ……」


悠斗「あぁ、そうそう、父さんと真彩に会った時さぁー、オモロかったよ?!」


真彩「えぇ? 何で?」

   

真彩、ミネラルウォ―ターをまた口に含み、飲んだ後、悠斗の膝に頭を乗せ、ソファに横たわる真彩。

   

悠斗、真彩の前髪を、後頭部の方へ手櫛する。


悠斗「真彩、父さんと腕組んでただろ?」


真彩「うん……」


悠斗「だから、太田がさぁー、真彩の事、父さんの愛人だって思ったからさぁー……」


真彩「愛人?!」


悠斗、思い出し笑いする。


真彩「あぁ、あの人、太田さんって言うんだ。タッくんのお店で何度か話し掛けられたけど、名前、知らなかった。て言うか、私の変装、見破られてた?」


悠斗「あぁ、直ぐに見破ったよ……」


真彩「そっか……で、私がパパの愛人だって思ったんだ……」


悠斗「うん……」


真彩「えっ? 腕組んでただけで愛人って思う? 普通……」


悠斗「あぁ……えーっと……」


真彩、悠斗の顔を見る。


真彩「あぁ、成程ね。太田さんに何か吹き込んだね?!」


悠斗「いやっ、ホントの事、言っただけだよ?!」


真彩「ホントの事?」


悠斗「うん……」


真彩「何て言ったの?」


悠斗「んん……社長が奥さん以外に愛してる人。愛情受けて金銭援助して貰ってて、この前、高級腕時計、プレゼントされてた……って、ホントの事、言っただけだよ?!」


真彩「呆れた。そんな言葉並べたら、誰だって愛人と思っちゃうわ」


悠斗「へへっ……」   

屈託のない笑顔の悠斗。


真彩「人って、簡単に騙されちゃうんだね……でも、オモロイね。じゃぁー、今度は、パパに抱き着いて頬っぺたにキスしてる所でも見せよっか?」

と言って、笑う真彩。


しかし、悠斗、

悠斗「ダメダメ! お前、ホントに小悪魔だなぁ……」

と言って、口を尖らす悠斗。


真彩「そう? 面白いジャン!」


悠斗「そういうとこだぞ! 軽いノリで人の心を揺さぶるんだから……」


真彩「えぇー、心理学の勉強ジャン。ダメ?」


悠斗「ダメ! 絶対ダメ!」


真彩「チェッ……面白いのになぁー」


悠斗「あのさー、いくら父さんでもダメだからな! 俺、父さんに嫉妬したくないもん……」


真彩「ふっ‥‥‥(笑)」

   

悠斗、真彩の頬を、手の掌でなでる。

そして、その手が真彩の胸に伸び、胸を揉む悠斗。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ